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はじめに (中川 徹、2014年 8月 9日): このページは、TRIZを中心として、それよりもさらに広い範囲にわたって発展してきている「創造的な問題解決の方法」について、研究・適用・実践・推進をされている皆さんに向けて、本サイト『TRIZホームページ』の記事を一層ご活用いただけるように、まとめたものです。 本サイトは、1998年11月以来16年近くの記事を蓄積してきており、HTMLとPDFのファイルが数千になります。すべてが「総合索引」に分類記載され、ワンクリックで参照できるようにしていますが、なにぶん膨大なために、読者の皆さんには分かりにくくなってきています。そこで今回、読者層に応じて、「子ども・中高生」、「学生・社会人」、「技術者・研究者(入門)」、「実践者」のそれぞれのための導入ページ(入口ページ)を作りました。本「実践者ページ」はその中の一番上級に位置するものです。 本ページは「実践者の皆さんへの入口ページ」を意図して、現時点で有用・重要と考えるものを精選して示しております。他の3つの「入口ページ」で紹介しております記事も (一部は重複させていますが) ぜひご参照ください。また、簡略にするためにこれら入口ページに採択しなかったものも多数ありますので、全体をカバーしております「総合目次」を参照のうえ、ご活用ください。 質問、意見、関連情報、適用事例、実践報告、研究ノート、紹介記事、解説、論文などを、ぜひご寄稿ください。 本ページのすべての記事に簡単な紹介をつけました。皆さんの参考になることと思います。(2014. 9.21) |
注: 各記事の性格を5色で区別しています。
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(
旧 or 詳細)。
なお、印は、この入口ページとして書き下ろした記事、あるいは、特に推奨される記事です。
記事の末尾にあるのがリンクのマークです。日本語HTMLページ、
日本語PDFページ、
英文ページ。
末尾の( )内の年月日は、そのページの作成掲載日、および更新掲載日です。印は、1年以内の新しい記事です。
注 (中川、2014.10.17)
:本ページの多くの記事は並行した英文ページを持っていますが、現在はそれをここに表示していません(和文ページを開くと、英文ページへのリンク情報があります)。やはり、並行表示するのが良いと思い直しましたので、近日英文HTMLページへのリンクを表示するようにいたします。(他の「入口ページ」でも同様)。
適用・推進の実践者の皆さんのための入口ページ:「創造的問題解決の実践と方法論」
この入口ページの趣旨と内容 = 入口ページの目次 (記事の構成)
この入口ページの趣旨・内容として上記トップに掲げましたものは、すでに本ホームページ中に沢山の記事があります。そこで、それらの中から精選してここに配置しました。それらの項目を、目次として以下に示します。(2015. 3.27 この目次作成)
本ページの先頭 | 本サイトの活用法 | TRIZ参考文献・リンク集 | ニュース・活動 | 論文・解説 | 適用・推進事例 | 教材 | TRZ/CrePS方法論資料 | フォーラム(通信・意見・討論) | 英文ページ |
(1) 新着情報と本サイトの活用法(総合索引・検索など)
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本ホームページの趣旨 (満15年にあたって)(中川 徹)(毎年更新)
(2013.11. 7)
TRIZとその発展の「創造的な問題解決・課題達成のための方法一般」について、いろいろな人の寄稿を得て、公共的な立場で情報発信することを目的としています。日本語と英語のページをできるだけ並行させ、世界で「公共的Webサイトのグローバルなネットワーク」を創ることを提唱しています。(今回のリニューアルは、複数の「入口ページ」を作り、いろいろな人たちに馴染みやすく、全貌を分かりやすくするものです。〈2014. 9. 7))
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特記情報: 本サイトの運用方針 (中川 徹)
(掲載: 2012. 4. 9)
公共サイトとしての方針を書いています。寄稿の受け付け、著作権の帰属、記事の複製・配布の扱い、翻訳などのご協力の依頼、更新案内、お問い合わせ先、などを記述しています。必要な時にお読みください。
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編集者より: 本サイト内の記事・ページの検索について (中川 徹)
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(2015. 3.27)
本ホームページ内で記事を探すには、次のような方法を使い分けてください。
(a) トップページ (最近6か月以内の新着情報)、
(b) 4つの入口ページ (子どものための、学生・社会人のための、技術者のための、実践者のための、精選記事集(テーマ分類、紹介文つき))、
(c) 総合索引のページ(カテゴリ別にした全ページの一覧)、
(d) 新着情報の総覧(すべてのページを掲載順に網羅。書誌情報と紹介文つき)、
(e) なんらかの関連ページからのリンク、
(f) サイト内検索のページ(任意のキーワード(複数可)で検索、日本語ページの検索と、英語ページの検索がある)。各ページの最下部の「(サイト内)リンク表」中の、(薄茶色のセル)「サイト内検索」からアクセスできる。
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新着情報 (6ヶ月以内)(トップページ下部)
; 新着情報 (創設当初から現在までの全記事)
全記事の、タイトル、著者、出典を記し、編集者(中川)が内容紹介を記述しています。各記事の(親)HTMLページの他に、付属記事(詳細説明、スライド、PDFなど)、対応英文記事、関連記事を示し、それぞれにワンクリックのリンクをつけています。掲載・更新日付を明示し、掲載日順(最新のものが上)で網羅し、順次(毎年1回程度)アーカイブページに移行させています。更新のたびに、和文と英文の両方でこの新着情報を書いてきており、今後も続ける予定です。(今回のリニューアルで、複数の「入口ページ」を作りましたが、蓄積する情報は(したがってこの「新着情報のページ」も) 一本のままとします。(2014. 9. 7))
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「総合目次」のページ。(改良版と使い方の説明) (中川 徹)
[再編成しました。(2014. 9.28; 10.17)]
創設以来のすべての記事を、その性格によって分類整理した目次です。ページが大きくなりすぎましたので、このたび次の4つのページに分割しました。
総合目次 (A) 親ページ & Editorial: 本サイトの案内、「編集者より」のページの索引
総合目次 (B) Reference: 参考文献、リンク集、ニュース、活動、ソフトウエアツール
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総合目次 (C) Papers: 論文、事例、技術報告、解説、教材、方法論資料
総合目次 (D) Forum: 学会等報告、文献紹介、通信・討論・質問・意見・感想など、コラボページ
分類は、大分類、中分類、そして臨機応変の小分類があります。各記事は基本的にどこか一か所に置いています。中分類あるいは小分類ごとにテーブルにして、違う分類項目に移ったことが分かりやすいように、各テーブルの背景色を変えています。小分類の各表の中では、掲載日順(最新が上)に並べています。各記事のタイトル、著者(略記)、主HTMLページ(和・英)へのリンク、掲載日を示しています(付属のHTMLページやPDFページは明示していませんので、主ページから参照ください)。この「総合目次」は、今後も最新状態に維持するつもりです。分割した4つのページは、相互に行き来しやすくしてあります。また、2014年9月以前に作成された古いページの最下部にある表形式のリンクも、そのままで新しい「総合目次」のページに適切にリンクされています。
TRIZフォーラム: 「読者の声」(和・英)一覧ページ (2013年〜) (中川 徹)
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(2013.12.23;最終更新: 2014.11.27)
読者からの通信(意見、情報、質問、など)のページを折に触れて作成掲載してきました。2013年以後のものは、和文・英文の両方のページを掲載日順でまとめて目次にしました。(2012年以前のものは、独立の一覧ページを作っていませんので、「総合索引」の中の「TRIZフォーラム」の欄を参照ください。)
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サイト内検索 (和・英) のページ (中川 徹)
(2013. 2.20; 2015. 3.27)
本サイト内の情報 (タイトルだけでなく、記事の本文まで全部) を検索できます。Googleの Custom Search Engine を使って構成しています。和文ページの検索と英文ページの検索があります。
各ページの最下部の「(サイト内)リンク表」中の、(薄茶色のセル)「サイト内検索」からアクセスできるようにしました(2015. 3.27)。
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4つの「入口ページ」 (中川 徹)
(2014. 9. 7)
(2014.10.17)
本ホームページが16年の活動の結果、膨大な数の記事が蓄積され、その全貌を見ることはなかなかできず、新しい記事が高度・専門的になって来て、初めての読者には馴染みにくく敬遠される面が出てきてしまいました。これを解決する方法をいろいろと考えておりましたが、このたび、読者層に応じた4つの「入口ページ」をトップページの直下に置くことにしました。以下のものです。[英文ページも完成しました。(2014.10.17) ]
(学生と社会人の皆さんに) - 『問題を創造的に解決するには』
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それぞれのページに適した導入部を今後書き下ろしたいと思っています。各入口ページの本体部は、各読者層の人たちに向けて推奨される本サイト内の記事をリストアップして、リンクを張っています。一つの記事が複数の入口ページに掲載されていることはしばしばあります。また、読者の皆さんは、ぜひ複数の入口ページを参照くださるようにお願いします。また、各入口ページを簡潔にするためにリストアップされていない興味深い記事も沢山ありますので、総合索引などを参照して、お読みください。
各「入口ページ」の編集 (各「入口ページ」に適したいろいろな記事を新しく作り、集め、編集・掲載すること) を (部分部分で/個別記事について) 手伝ってくださる方を募っています。
(2) TRIZ参考文献・リンク集・ソフトツール
TRIZ 参考図書の親ページで、より広い範囲 (関連テーマ参考文献・関連文献などを含む)をカバーしたもの。
TRIZとそれから発展した方法についての、日本語の教科書・読本・論文集などのリスト。簡単な紹介つき。6年前の版であり、更新しなければならないが、手が回っていない。
TRIZ参考図書目次一覧
、同(2)
、同(3)
(池田理・中川 徹) (2008. 7.10)
上記参考図書の目次を集めたもの。最近の更新ができていない。
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出版案内: 新『TRIZ 実践と効用』シリーズ(クレプス研究所) (中川 徹)
(2014. 2.16; 4.17; 6.30; 7.28; 2015. 4.25; 9.30)
私自身が主導して和訳(監訳)したTRIZ関連教科書の出版案内です。以前に創造開発イニシアチブ社(SKI)から出していました『TRIZ 実践と効用』シリーズを、クレプス研究所(代表:中川 徹) から出版再開しました(2014年2月)。ダウンロードサイトDLmarketから、ダウンロード版または製本版で購入できます。製本版はプリントオンデマンドで、購入者に直送されます。2004年8月までで全5巻。その後も続巻を検討中です。この親ページには、シリーズ全体と各巻のチラシ、購入法の説明、などを記載しています。 各巻の詳細情報は下記のリストから参照ください。
Amazon.co.jpのマーケットプレイスでも、製本版(のみ)購入可能にしました。定価のほかに、Amazon規定の送料257円が掛かります。(2015. 4.25) Amazonのマーケットプレースで、Mannの本(1A)(2Aに、)Matrix 2010のA2サイズシート(2枚3面) 5組を添付したものを、定価(税抜き)2500円増で販売開始しました。(2015. 9.30)
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『TRIZ 実践と効用 (1A) 体系的技術革新(改訂版) 新版矛盾マトリックス Matrix 2010 採用』 (D. Mann 著、中川 徹監訳、知識創造研究グループ訳、クレプス研究所刊) (中川 徹)
(2014. 2.16;3.10; 2015. 9.30)
製本版+ダウンロード版。B5版、502頁。世界的なTRIZ標準教科書であり、西側で消化したTRIZとその発展を詳しく、分かりやすく書いています。和訳の初版は2004年SKI刊。今回の改訂版で矛盾マトリックスには最新版Matrix 2010を採用しました。(初版と改訂版の)出版案内のページには、本書の内容の紹介とともに、著者と監訳者との質疑応答など、詳しい関連情報を掲載しています。Matrix 2010のA2サイズシート(2枚3面)を(折込)サービス。
販促用(1A+)版: Matrix 2010のA2サイズシート(2枚3面) 5組を添付。定価(税抜き)2500円増。(2015. 9.30)
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『TRIZ 実践と効用 (2A) 新版矛盾マトリックス Matrix 2010 (技術一般用)』 (D. Mann 著、中川 徹訳、クレプス研究所刊) (中川 徹)
(2014. 4.17)
製本版+ダウンロード版。B5版、154頁。1985年以降の米国特許全件、およびその他の最新技術情報を分析して、矛盾マトリックスのデータを一新したものです。原著初版(Matrix 2003)をSKIより2005年に和訳刊行し、原著改訂版(Matrix 2010)を今回和訳出版しました。アルトシュラーのマトリックス(1973年)は39×39、Mann の新版は(2003年版) 48×48、(2010年版)は50×50。使いやすさ、提示する推奨発明原理の適切さがずっと改良されています。TRIZの矛盾マトリックスの方法を使うときは、ぜひ最新版〈2010〉を使用されることをお薦めします。Matrix 2010のA2サイズシート(2枚3面)を(折込)サービス。
販促用(1A+)版: Matrix 2010のA2サイズシート(2枚3面) 5組を添付。定価(税抜き)2500円増。(2015. 9.30)
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『TRIZ 実践と効用 (3) 階層化TRIZアルゴリズム - 初心者から上級者までの図で学ぶ教材−』 (L. Ball著、高原利生・中川 徹訳、クレプス研究所刊) (中川 徹)
(2014. 6.30)
製本版+ダウンロード版。B5版、208頁、本文カラー。著者がTRIZの諸方法を完全に再編成して、製品開発の全プロセス(市場を発見することから、機能を捉え、理想を考えて、アイデアを創り、市場に提供するまで) としてまとめなおしたものです。機能のとらえ方、物理的矛盾の解決の仕方など、非常に優れた説明になっています。イラストをふんだんに使っていて、分かりやすい。各章は、導入部と簡易版と詳細版から構成されていて、上級者までの詳細な記述を含みます。
『TRIZ 実践と効用 (3S) 階層化TRIZアルゴリズム(入門編) - 初心者のための図で学ぶ教材−』 (L. Ball著、高原利生・中川 徹訳、クレプス研究所刊) (中川 徹)
(2014. 7.28)
製本版のみ。B5版、56頁、本文カラー。上記第3巻のうち、初心者向けの部分(各章の導入部と「簡易版」(著者指定))だけをまとめたものです。
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『TRIZ 実践と効用 (4) ITとソフトウェアにおける問題解決アイデア集 - TRIZの発明原理で分類整理』 (Umakant Mishra 著、中川 徹監訳、クレプス研究所) (中川 徹)
(2014. 8.29)
製本版+ダウンロード版。B5版、 430頁。特許その他の技術情報を基に、ITとソフトウエアにおけるさまざまな技術のアイデアを集め、そのエッセンスをTRIZの40の発明原理に分類整理して説明したものです。ITとソフトの分野でのあらゆるアイデアをTRIZの考え方で理解できるのですから、この分野の問題解決においてTRIZが強力なヒントを与えるだろうことが分かります。ITやソフトに関係した仕事をしている人たち、PCユーザの皆さんに必携の本です。
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出版紹介: 『トリーズの発明原理40』(高木芳徳著)の出版にあたって(高木芳徳; 中川 徹)
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(2015. 1. 8)
(株)ディスカヴァリー・トゥエンティワンから、2014年8月末に刊行されました。本体部分の構成、発明原理のまとめ方、一つ一つの原理の説明、例の取り上げ方など 全体としても、細部についても 非常によく配慮されていて、素晴らしい本です (Amazon.co.jpで工学/発明・特許分野のベストセラーになっています)。この本の表紙とサンプルページを掲載しました。ただし、 この本の先頭部分(本の帯、「はじめに」など)のジャーナリスティックなキャッチフレーズには、TRIZの歴史に関わる複数の間違い、誤解の記述があり、本紹介記事の中川のメールで指摘・訂正しています。
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日本国内 TRIZ関連サイト カタログ(和文) (中川 徹)
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(2018. 3.17)
日本国内のTRIZ関連サイトカタログをまず和文で作成し、掲載しました。ご活用ください。
(1) できるだけ広く探索し、紹介しています。現在合計92サイトを掲載、そのうち約2/3が (2008年版以後の)新しいサイトです。
(2) 各サイトの性格に応じて、次の分類に従って並べました。 (a) TRIZ関連情報発信サイト(以下の(b)〜(h)の性格をも持つが、特記されるもの)、 (b) TRIZのコンサルタント/ベンダー/ディーラー、 (c) 関連の学会、協会、ジャーナル、その他、 (d) 大学、公的機関、非営利的組織など、 (e) 講演会、セミナー、通信教育など開催の営利組織、 (f) 書籍検索・用語辞書・技術動向/ニュース情報・コミュニティ、(g) 関連分野のサイト、個人サイト、ブログなどでTRIZを取り上げているもの、 (h) 関連分野のサイト、個人サイト、ブログなどで、(TRIZを直接に取り上げてはいないが) 参考になるもの、
(3) 各サイトの構成と内容を読んだうえで、各サイトの特徴、注目される点などを、分かりやすく紹介しています。入門のためのサイトや記事、より深く学ぶためのサイトや記事、をいろいろ紹介しています。
(4) 各サイトの主ページのURLを示し、ハイパーリンクをつけています。また、各サイト内検索(キーワード「TRIZ」)のリンクを作りました。
(5) 今後さらに、サイトの追加、サイト説明の拡張・推敲、その他の改良作業が望まれます。
TRIZリンク集 (国内精選 30サイト) (中川 徹)
(更新: 2008. 4.13) 旧版です。
TRIZリンク集 (国内拡張100サイト) (中川 徹)
(更新: 2008. 4.13) 旧版です。
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TRIZリンク集 (海外精選 30サイト) (中川 徹)
(更新: 2008. 4.13; 5. 4)
海外のTRIZ関連のWebサイトを、精選して30サイト、紹介付きでリストしたものです。その後の更新ができていません。
海外TRIZリンク集 (英文) (拡張120サイト) (中川 徹)
(更新: 2008. 5. 4)
海外のTRIZおよび関連するテーマでのサイトを、実地にサーベイし、簡単な紹介をつけて、リストしたものです。各国の代表的と思われるもので、英語表示のものを中心にリストアップしました(多様な言語のサイトをサーベイするのに、約3ヶ月掛かりました)。その後の更新ができていません。
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提唱: TRIZについての「公共Webサイトのグローバルなネットワーク」を作ろう: グローバルなTRIZコミュニティを構築するための提案 (3) (中川 徹)
(2010.10.27)
上記の海外・国内TRIZリンク集を作る過程で、強く思ったことが、「本『TRIZホームページ』が (TRIZという一つの分野の例ですが)世界に役立つモデルになる、世界の連携を創るWebサイトのモデルになる」ということでした。商業的でなく、私的(個人的)でなく、公共的なWebサイト、ハブになるWebサイトを各国に(各言語で、それぞれの考え方で)作ろう。そして、(双方向に(英和と和英で)翻訳もして)世界共通言語としての英語でも発信しよう。互いに記事を導入しリンクを張ることで、グローバルなネットワークができ、それは自律的に成長していくことができる、と考えました。これは非常に大事なビジョンであると思っています。本ホームページに提案を掲載するとともに、ヨーロッパのETRIA TFC 2010 国際会議でも話し、各国のTRIZリーダたちに協力を提案しています。
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TRIZ関連ソフトウェアツール (の親ページ) (中川 徹)
TRIZ関連のソフトウエアツールについての紹介記事を集めて掲載することを意図しているページです。Invention Machine社、Ideation International 社、CREAX社、Systematic Innovation社のものなど。ただし、高額のものが多く自分で入手・使用できていないこと、商業的・宣伝的な内容しか開示されていず、本サイトの趣旨に沿った記事が得られないこと、などの理由で、記事をほとんど掲載できていません。今後、ベンダーおよびユーザの意見を求めて、やり方を検討することが必要と考えています。
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Southbeach フォーラム: Southbeach 表記法とモデリング: 紹介・情報交換・評価のページ (編集:中川 徹)
(2013. 6. 9; 8.4; 10. 3)
Southbeach社(英国)は、TRIZのソフトツールから着想を得、さらに多様な方法・技法に対応した一般的なモデリングのためのソフトツールを作りました。モデルの表記法を定め、多様なモデルを簡単に作成できる、汎用の便利なソフトになっています。価格は約1万円です。これを紹介し、評価するために、中川が3ヶ月間無料使用グループライセンスを提供しています。その情報交換のための公開のページです。
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ソフト「札寄せ用具」と ウェブサイト「第一考舎」の紹介 (片平彰裕)
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(2015. 1. 18)
このソフトは片平さんの自作で、Excelシート上で、情報・アイデアを記述した「札」を自由自在に動かし、連結の線を描き、囲んでグループ化できるものです。この図をPowerPointやWordで扱うこともでき、また、ワンクリックで図表示と通常のExcel文書との間の変換ができます。個人でのアイデア出しや考察に使え、会議でも使えます。非常に簡便で有能なソフトです。
さらに、片平さん自作のウェブサイト「第一考舎」では、考えを作り出す(「考作」)過程全体を考察し、そこで使われる/使うとよい諸方法を分かりやすく丁寧に説明しています。特徴的なのが、「札」をいろいろに動かして、視覚化して考える「札寄せ法」です。ソフト「札寄せ用具」を更新し、英語版を公開。多数の適用事例を掲載しました。 (片平 彰裕、中川 徹)
(2015. 9.30)
(3) TRIZ関連ニュース・活動情報・学会報告
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TRIZ関連ニュース・活動 の 親ページ (中川 徹)
(最終更新: 2015. 3. 7)
TRIZ関連の日本および世界におけるニュースと活動を紹介する親ページです。更新はあまり頻繁でありませんが、最新情報になるように努力しています。
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日本におけるニュースと活動 (2013年1月〜) (中川 徹)
国内のTRIZ関連のニュースと活動の紹介ページです。日本TRIZ協会関連とそれ以外とに区分して表示しています。2012年以前のものは、別の分類形式で記述してあります。
日本TRIZ協会 第11回TRIZシンポジウム2015 開催計画: 9月3−4日、東京の予定。(2015. 3. 7)
日本TRIZ協会 の ページ(2010〜2012年末) (中川 徹)
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表記の3年間の日本TRIZ協会の活動(日本TRIZシンポジウムを中心とした活動)の記録です。この期間、中川は協会理事兼シンポジウムプログラム委員長でした。TRIZ協会の公式ホームページを補う意図で、客観的で詳細な記述をしています。
(旧) 日本TRIZ協議会 公式ページ (2005〜2007年; 2008〜2009年) (中川 徹)
2005年〜2007年に日本TRIZ協議会から委託されて、『TRIZホームページ』内に同協議会の公式ページを作り、日本TRIZシンポジウムを中心とした詳細な記述をしました。また、2008〜2009年にもTRIZ協会の日本TRIZシンポジウムの記録をここに掲載しています。
ロシア圏 と MATRIZ (国際TRIZ協会) : ニュースと活動 (中川 徹)
MATRIZは、1989年にアルトシュラーを初代会長としてロシアで創られました。当初はロシア圏および(西側に移住し活動している)ロシア出身のTRIZマスターたちを中心とした活動でしたが、近年米国や西側諸国での活動を広めつつあります。
米国 と Altshuller Institute : ニュースと活動 (中川 徹)
Altshuller Instituteは、アルトシュラー自身の承認を得て、1998年に米国で設立されました。主催する国際会議「TRIZCON」は当初西側世界をリードするものでありました。この数年TRIZCONが低迷していますが、最近はWebサイトを活発にし、毎月Webセミナーを行うなど、活動を強める努力をしています。
TRIZCON2016 来年3月3-5日、ニューオーリンズで開催予定。(2015. 4.25)
欧州 と ETRIA (欧州TRIZ協会) : ニュースと活動 (中川 徹)
ETRIAは2001年に欧州諸国のTRIZリーダたちによって設立され、以後毎年秋(10〜11月)に国際会議「TRIZ Future Conference (TFC)」を開催してきました。TFCを欧州各国で持ち回りにし、学術的な面と実践的な面とを両立させようと努力しています。現在、TRIZの国際会議として最も情報発信力があるものです。
ETRIA TFC2015開催計画: 2015年10月26−29日、ベルリン(独)。(2015. 3. 7)
海外 (アジア、中東、他) : ニュース と 活動 (中川 徹)
世界のその他の地域でのニュースと活動をここで扱います。アジアでは、韓国(企業での普及は世界一)、台湾、マレーシア、中国などでTRIZの普及が進んでおり、日本のわれわれも学ぶべきことが多くあります。イランでの一般社会への普及活動は注目されます。オーストラリア、メキシコ、ブラジルなどでのTRIZ普及にも注目するべきです。
韓国TRIZ協会: 第6回Global TRIZ Conference 開催計画: 2015年7月7-9日、ソウル。(2015. 3. 7)
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Personal Report: 第10回日本TRIZシンポジウム (2014年9月) 参加報告 (中川 徹)
(2014.11.27;2015. 3.27)
日本のTRIZの活動や成果を、世界に英語で発信することは、大事なことである。この趣旨から、日本TRIZシンポジウムの発表論文を(できるだけ)全件日本語と英語で紹介するようにしている。日本TRIZシンポジウムはその多くの発表を和英スライド同時投影にして来ているので、このような紹介が楽になっている。紹介にはもちろん評価をも含むから、「Personal Report」として、自分の文責で書いている。各論文へのリンクあり(2015. 3.27)。
以前のTRIZシンポジウム参加報告: 第9回 2013年
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Personal Report: ETRIA TFC2013 参加報告 (中川 徹)
(2013.11.17; 12. 9)
中川は、「Personal Report」として、いろいろなTRIZ国際会議の参加報告・レビューを書いてきています。ETRIA TFC には初回(2001年)から毎回参加・発表し、報告してきました。多数の発表全体から、良いと思うものを選択して、その内容をできるだけきちんと紹介しようとしています。当初は日本語で発表していましたが、海外読者の要請を受けて、英語で詳細に報告し、概要を日本語で掲載してきました。優れた論文を選択して、その後に和訳を本サイトに掲載してきています。われわれ日本のTRIZコミュニティにとって、大事な情報源になっています。
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Personal Report: 韓国 4th Global TRIZ Conference (GTC 2013) (2013年 7月) 参加報告 (中川 徹)
(2013. 8. 4)
これは韓国での(国際)学会への参加報告です。韓国の推進組織(KATA: Korea Academic TRIZ Association)が確立してきて、大企業でのTRIZ推進、大学や一般への普及なども進み、非常にしっかりした学会になって来ていると思います。
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Personal Report: TRIZCON2007参加報告 (中川 徹)
(2007. 7. 3)
米国のTRIZCONには、私は第1回(1999年)から(ほぼ)毎年参加・発表しましたが、この2007年が最終の参加です。ETRIA TFC などと同様の趣旨で、Personal Reportを書いてきました。この数年開催が中止・不規則になってしまっているのが残念です。
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TRIZ母国訪問記 (ロシア・白ロシア, 1999年8月) (中川 徹)
(1999. 9. 9)
私は(妻と二人だけで)1999年8月に2週間ロシアと白ロシア(ベラルーシ)を訪問し、TRIZの専門家たちに会って話を聞いてきました。旧ソ連の崩壊後の経済危機が続いている時代でしたが、(当時謎に満ちていたTRIZについて)TRIZの母国の情報を直接に知りたかったからです。ミンスク(ベラルーシ)のTRIZグループ、サンクトペテルブルグのTRIZ スクール(V. Mitrofanovら)、ペトロザボーツクのアルトシュラーの遺族とTRIZグループ、モスクワの大学でのTRIZ教育の研究室などを訪問しました。アルトシュラーの生涯、サンクトペテルブルグのTRIZスクールの歴史と状況、いろいろなスクールでのTRIZ教育のやり方、技術のTRIZから非技術の(ビジネスや政治など)分野への発展/転身、子どもに対するTRIZ教育(創造性教育)の展開、などいろいろな側面を聞くことができ、詳細に報告しています。いま読み返してみても、参考になることが多い記事です。
サムスン電機におけるTRIZ と イノベーション・カルチャ (SeHo Cheong; V. A. Lenyashin; A. T. Kynin; N. B. Feygenson; Y.K. Lee; S. Han、韓国)(スライド和訳:海野 誠)
(2009. 7.10)
2008年9月の第4回日本TRIZシンポジウムで発表されたものです。サムスングループは、90年代末から継続してロシア(圏)のTRIZ専門家を複数雇用して、「TRIZチーム」を作って来ています。この発表では、サムスン電機におけるその「TRIZチーム」の全容が写真で示されており、社員へのTRIZ教育の状況、および開発プロジェクトにおける開発チームとTRIZ推進チームとの連携のしかたなどを、具体的に説明しています。
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TRIZを企業に導入・普及させるための効果的な戦略 −韓国における失敗と成功の経験からの考察- (KyeongWon Lee) (和訳: 中川 徹)
(2014. 4. 2)
2013年10月のETRIA TFC2013で発表された、スライドと論文です。韓国では、サムスンやPOSCOなどの大企業がTRIZをトップダウンで全社的に導入して、適用・推進してきており、TRIZの産業応用の面では世界中で最も活発であるといえます。本発表は、韓国におけるTRIZ導入・普及の歴史を、その初期の段階から振り返り、初期のいろいろな失敗経験を踏まえて、その後の成功した状況を説明しています。まとめると、「サムスンでTRIZ推進室を作りロシア人TRIZ専門家を招いて実地適用した結果、非常に良い技術成功事例ができた。それをトップが認識し、教育・研修体 制を作り、TRIZの実地適用を拡大していった。それが韓国内の他の大企業にも伝わり、非常に大きな、熱心な運動になって、現在の普及状況になっている」といいます。やはり、自分たちでTRIZの成功事例を作ることが、最も大きな原動力だというのです。この論文の紹介記事の最後に、韓国におけるTRIZ適用・推進の発表文献 (『TRIZホームページ』収録のもの)の詳細リストを中川がまとめておきました。
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イランにおけるTRIZの普及活動: TRIZの適用と推進による新しい国民的パラダイムへの転換(Mahmoud Karimi; 訳: 坂田寛) (紹介: 中川 徹)
(2011. 9.19)
2010年9月の第6回日本TRIZシンポジウムでの基調講演です(米国による対イラン経済制裁の状況にもかかわらず、日本TRIZ協会が、イランの若いTRIZ指導者Karimi氏を招待しました)。Karimi氏は「1999年頃からTRIZに関心を持ち、2001年にロシア人エキスパートを招いてTRIZトレーニングセミナーをし、IIITSというグループを作ってTRIZの学習を進めた。2006年にPSST (問題解決の戦略と方法)という大規模な(国際)会議を開き、その後、新聞やラジオ、テレビなどのマスメディアを利用してTRIZの普及を進めた。新聞には毎週のコラムを執筆し、ラジオではいろいろな分野の専門家を招いてTRIZ専門家が対談した。テレビでは、TRIZ紹介のビデオ(5回シリーズ)を放映し、朝のトークショウや夜の番組をレギュラーで担当し、科学技術とTRIZについて紹介した(30分番組を160回)。これらの活動によって、イランの一般社会、特に知識層には、TRIZの考え方は随分と知られてきている。」といいます。沢山のテレビ番組の場面や新聞の紙面が例示され、その実情が分かります。彼らはまた、公共組織とも連携した活動をしており、教育の分野にも活動の輪を広げているそうです。−−一般社会への認知活動の広さとバイタリティは驚くばかりです。
イラン訪問記 -- PSST 2012 学会 (2012年2月) (中川 徹)
(2012. 3.31)
私はイランのIIITS (Mahmoud Karimi氏ら)から招待されて、2012年2月に8日間の日程でイランを訪問した。(国際)学会PSST 2012のが2日間あり、私は基調講演と研究発表をした。参加者約250人。この訪問記では、イランと日本のTRIZ交流の経過、学会の報告、イランにおけるTRIZ推進グループの状況、そしてイラン(テヘランと古都イスファハン)を訪問しての旅行者としての感想などを印している。新聞やテレビの報道から受ける印象とは全く違ったイランの状況と人々とを知ることができた。
寄稿: 中国におけるTRIZの状況 (周 賢永)
(2011.11.13; 12. 5)
周 賢永氏は、中国四川省成都市にある西南交通大学の先生であり、中川の『TRIZホームページ』更新のメルマガを通じて交流があり、2011年10月末に、この原稿を寄稿下さいました。中国では、1998年頃からいくつかの大学でTRIZが知られるようになったが、2007年になって中国政府がTRIZを「イノベーション方法」という名前で認知してから、TRIZ推進が飛躍的に活発になった。黒竜江省と四川省とが、イノベーション方法の「パイロット省」として樹立され、これらの2省によって多数の企業が「パイロット企業」あるいは「デモ企業」 として選定された。2008年 11月に、科学技術省の管轄下に「イノベーション方法学会 (Innovation Method Society)」(IMS) が創設され、TRIZの推進を主導するようになった。〈2011年)現在、いくつもの省や市が「パイロット省」に追加され、TRIZに関する(中国国内)学会(Conference)、海峡両岸TRIZシンポジウムなどが開かれている。TRIZの研究・適用活動が急速に進められている。−−という。
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マレーシアにおけるTRIZとその戦略 (TS Yeoh)
(2013. 4. 6)
私は、マレーシアTRIZ学会(MyTRIZCON2012)(2012年11月)に招かれて、基調講演をしました(その参加報告は別ページにあります)。ここには、その学会での主催者Dr. TS Yeohの基調講演を掲載しています。マレーシアでは、インテル・マレーシアで早くからTRIZの適用を進めており、日本のTRIZシンポジウムでも2008年〜2011年に継続して発表している。2010年にマレーシアでは国家レベルのTRIZ推進体制ができた。それは、(政府の)高等教育省(すなわち全国の大学を管轄している)と、MDeC(ICT推進のための半官半民の会社)と、インテルマレーシアとが、TRIZ推進の三者協力協定を結んだのである。これによって、各大学が準備する研修の場に、インテルのTRIZ専門家が出向き、多数の教員(と学生)をTRIZの指導者/実践者として訓練するプログラムが始まった。マレーシアTRIZ協会、MyTRIZ Conference、TRIZ適用コンペなどが盛んになっている。−−新興国におけるTRIZ推進のモデルとして注目すべきものです。最近もしっかりした活動が継続しています。
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ETRIA TRIZ Future 国際会議 (TFC2016) 参加報告(中川 徹)
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(2017. 2.14)
2016年10月末にポーランドで開催された、国際会議の内容を、「Personal Report」として紹介しています。現在の和文ページは、速報であり、発表の全論文について短い概要紹介をしています。今後、論文を読んだうえで、英文ページにより詳しい紹介をし、その後この和文ページを(概要レベルのままで)更新する予定です。
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学会報告 (31): ETRIA TFC 2016 報告: 全論文の紹介 (全50編) (中川 徹)
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(2017. 3.30)
2016年10月末のポーランドでの国際会議の全発表論文50編を個別に詳しく紹介するものです。要点和文、詳細英文。テーマで7分類して、逐次掲載しました。各論文を(A4で)1〜4頁程度の詳しさで分かりやすく紹介しています。
A. TRIZの方法論 (6編) (中川 徹)
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(2017. 3.30)
B. TRIZと他の諸方法との統合 (11編)(中川 徹)
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(2017. 3.30)
C. 技術分野の適用事例(9編)(中川 徹)
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(2017. 4.24)
D. 企業におけるTRIZの推進 (5編)(中川 徹)
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(2017. 6. 4)
E. 大学・学界・教育におけるTRIZの利用 (5編)(中川 徹)
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(2017. 6. 4)
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WTSP アピール: 全世界のTRIZ関連サイトのカタログを作ろう (WTSP グローバル共同編集者:中川 徹(日)、Darrell Mann (英)、 Michael Orloff (独)、 Simon Dewulf (豪)、 Simon Litvin (米)、 Valeri Souchkov (蘭))
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(2018.6.25)
TRIZ関連の活動・成果が膨大になってきているのに、インターネット検索ではかえってその情報が埋もれてしまっています。これを打壊するために、全世界の優れたTRIZ関連サイトを紹介するカタログを作ろうという呼びかけです。日本での2008年の実践例、最近の先行実験結果を示しました。これをベースに、世界各国でプロジェクトチームを作り、カタログの作成を開始することを呼び掛けています。
WTSP 論文: 世界TRIZサイトプロジェクト (WTSP):全世界のTRIZ 関連サイトのカタログを作成し維持しよう (WTSP グローバル共同編集者: 中川 徹(日)、Darrell Mann (英)、Michael Orloff (独)、Simon Dewulf (豪)、Simon Litvin(米)、Valeri Souchkov(蘭)
(A) 日本TRIZシンポジウム2018発表 (2018年9月)
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(2018.9.21)
骨子は、(1) はじめに、プロトタイプと問題の状況(2008年)、 (2) 「世界TRIZサイトプロジェクト(WTSP)」の提唱(2017年11月)、 (3) 日本のTRIZサイトカタログを作成した(2018年3月)、 (4) WTSPプロジェクトの体制、活動計画、現状 、(5) 「日本TRIZ関連サイトカタログ」で分かったこと、 (6) おわりに 二つの将来ビジョン。大事なメッセージは:「日本にはすばらしいTRIZ関連サイトが沢山できています。 どうぞ 日本TRIZ関連サイトカタログ
を活用ください。 世界のTRIZ関連サイトカタログを一緒に連携して作りましょう。 それができれば世界中のすばらしいサイトを知れるでしょう。」
(B) ETRIA TRIZ Future 国際会議(TFC2018)発表 (2018年10月29-31日)
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(2018.11.11)
本件は詳細な英文論文、および、要点をより明確にしたスライドが特徴です。特にスライドの「サマリ版」(8スライド/2頁)を和文・英文の両方で示しています。
(4) TRIZ関連論文・解説・報告
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創造的設計方法論とSIT法 (R. Horowitz, O. Maimon, 1997年; 訳: 中川 徹)
(2000. 3.23)
この論文は、USITの原形であるイスラエルのSIT法(Systematic Inventive Thinking)の理論的基礎になるもので、1997年のASME DETC'97での発表論文である。いくつもの問題について、各問題に多様な解決策を作り、多数の技術者に提示して、「どれが創造的な解決策であるか?」と尋ねると、技術者たちが「創造的だ」と答えるものはほとんどぶれないことが分かった。そしてそれらは、つぎの二つの性質を共通に持っているという。(1) 解決策が, 問題システムおよびその近傍のオブジェクト以外の (種類の) オブジェクトを新たに持ち込まないこと( 「閉世界条件 (CW) 」) (2)システムの問題の特性を表す関数が, 増加関数から, 減少関数または不変関数へと変わる必要があること (すなわち「質的変化の必要(QC)の条件」)。そして著者らは、これら2条件を満たす解決策を創り出す(考え出す)方法について議論している。
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TRIZの解決策生成諸技法を整理してUSITの5解法に単純化する (中川 徹・古謝秀明・三原祐治) (ETRIA TFC 2002)
(2002. 9.18)
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(2002.11.19)
ヨーロッパでの国際会議ETRIA TFC 2002で発表した論文。TRIZは多種の解決策生成技法を持ち、大規模な知識ベースを使う(40の発明原理、76の発明標準解、技術システムの進化のトレンド、分離原理など)。それらすべてを一旦ばらして、再整理し、すっきりと統合する作業をした。そしてここに新しく作り上げたのが、USIT オペレータの体系であり、5種の主オペレータと計32種のサブオペレータを持つ。この結果、問題解決のやさしい一貫プロセスUSITは、その解決策生成の段階に、TRIZの全解法に対応する簡潔な方法を持つことになった。日本でUSITを発展させた重要な論文である。下記のドキュメントはその付録。
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USITの解決策生成技法 (中川 徹, 古謝秀明, 三原祐治)
(掲載: 2002. 9.18)
得られたUSITのオペレータの体系を階層的に記述したもの。主オペレータは、オブジェクト複数化法、属性次元法、機能配置法、解決策組合せ法、解決策一般化法、である。 詳しさが異なる複数のドキュメントを掲載している。
各サブオペレータは1枚〜複数枚。きちんと説明している。TRIZのどの個別解法が寄与しているかをも示す。
USITの各サブオペレータに寄与しているTRIZの各解法を、サブ解法のレベルの文章で記述している。これらのTRIZ解法をベースにして、それぞれのUSITの解法を理解し、適用していけばよいことが分かる。
TRIZにおける解決策 生成のためのUSIT オペレータ: 問題解決 のより明確な道案内 (中川 徹)
(2004.10.18)
ETRIA TFC 2004での発表論文です。2002年に発表したUSITオペレータの使い方、位置づけを示しています。特に、TRIZの諸解法のように「ヒント」として(例えばいくつかの発明原理を)示すのではなく、USITオペレータがシステムの諸要素に作用して、新しいシステムの改良した要素を提案することに注目しています。また、USITのプロセスをデータフロー^形式で表現した結果、(従来の科学の「4箱方式」に対置して)新しく「6箱方式」の表現を得ています。このようにして、USITのオペレータと「6箱方式」が、問題解決に「より明確な道案内」になると主張しています。
TRIZ の現代化: 1985-2002年米国特許分析からの知見 (D. Mann & S. DeWulf; 訳中川 徹)
(2003. 4.16)
2003年のTRIZCONでCREAX社から発表された衝撃の論文2編のうちの第一のもの。TRIZの基礎はアルトシュラーらが膨大な数の特許を分析して創ったものである。しかし、その分析は1985年以後は行われていず、TRIZの知識ベースや事例が古くなってきていた。そこで、CREAX社は2000年にインドに研究所を作り、25人の特許専門家を雇って、アルトシュラーの考えを継承して特許分析を行った。1985年以後の米国特許全件を対象にし、特許の内容的レベルでスクリーンニングをした後、(a) 発明者が特定/解決した矛盾と使用した発明原理、(b) 問題条項と解決状況を表す進化のポテンシャル図、(c) 問題の解決に使った物理・化学・生物学的な効果、(d)解決策の生成に用いた発明標準解、などを判定・記録した。発表時点で15万件の特許を分析したといい、新しい知見をいくつかのTRIZ教科書やソフトウエアに盛り込んできているという。-- TRIZの基礎を刷新する重要な研究。
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TRIZの矛盾マトリックスの現代化 (D. Mann & S. DeWulf; 訳中川 徹)
(2003. 4.16)
2003年のTRIZCONで発表された衝撃の論文。アルトシュラーは、(技術的矛盾を解決するための)「矛盾マトリックス」を構想し、膨大な労力をかけて39×39のものを、1971年ころまでに作り上げた。しかし、アルトシュラー自身がその適用効果に満足できず、1975年以後ARIZの中に含めなかった。それにもかかわらず、TRIZが西側に伝えられたとき、(そして今なお)矛盾マトリックスが重用され、更新されずに使われている。Mannたちは、CREAX社で、1985年以後の米国特許全件を分析しなおして、TRIZの知識ベースを刷新し、新しい矛盾マトリックスMatrix2003を作った。パラメータを48個に拡張して使いやすくし、推奨する発明原理もずっと適切になった。==> 『TRIZ 実践と効用』(2A) (クレプス研究所刊)を参照。
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モノ づくりを強くする「開発・設計プロセス工学技術」について (林 利弘)
(2004. 3. 3)
著者の林氏は、日立製作所モノづくり技術事業部の主管技師長であり, 日立グループの全社運動 HiSPEED21を統括・推進してきています。本稿は2003年7月に大学電気系教官会議のパネル討論で発表されたものです。 「技術・製品開発において、特定の分野 (機械とか, 電子とかの) にとらわれない、もっと全体的で横断的な観点からの技術が重要であり、それをもっと体系的・組織的に研究・教育・普及させていくべきだ」と主張しています。TRIZの位置づけとして、大事なものと思い、本ホームページに掲載させてもらいました。
開発・設計技術者の視点からMOTを考える (林 利弘)
(2005. 7.20)
林氏が上記論文を踏まえて、日本経営工学会『経営システム』誌の「MOTはビジネスに貢献するか?』という特集で発表しているものです。技術分野を越えて、横断的に共通して適用できる「開発・設計プロセス工学技術(群)」の重要性を提唱しています。著者林利弘氏はこの年に「日本TRIZ協議会」(日本TRIZ協会の前身)の結成に尽力し、その代表者を務めています。
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成功への道: TRIZ、シックスシグマ、戦略的経営を統合する (J. Pfister; 訳 中川 徹)
(2006. 7.18)
2005年11月のETRIA TFC2005で発表されたもので、ドイツの(経営・プロジェクト)コンサルタントJohannes Pfisterによる、包括的で緻密な論文である。企業の開発・経営・品質などに関して、この数十年に様々な方法が提案・試行されたが、企業におけるいつもいつもの「火消し活動」のためにそのわずかしか成功・定着しなかった。その中で実績を挙げてきたものを統合して一つのモデルを構成している。すなわち、DFSS (シックスシグマのための設計)、TRIZ (発明問題解決の理論)、Lean Engineering (リーン工学、トヨタ生産方式)、シックスシグマなどの概念を、戦略的経営 (Strategic Management) と結合させたものである。このプロセスモデルを緻密な図式と、概括した文章で説明している。それでもなお、このプロセスの中核は、各分野に通じた「人々」であるという。-- 熟読すべき論文であると、改めて思う。
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WOIS (矛盾指向の技術革新戦略) による技術革新 (HJ. Linde他; 訳 仲畑光蔵・林 利弘)
[巨大 14.6MB、スライドPDF
] (2006.10. 2) 原文 [巨大 14.6 MB、スライドPDF
]、 論文
(2006.10. 2)
2006年8月-9月の第2回日本TRIZシンポジウムでの基調講演の論文とスライドである。Hans-Juergen Linde 教授(注: 2011年逝去)は、旧東ドイツで1980年代にロシア語でTRIZを学び、独自に消化して発展させ、その方法論をWOIS (Contradiction Oriented Innovation Strategy)と呼んだ。良く考慮されたきれいなデザインの図で、矛盾(技術的矛盾と物理的矛盾の両方を同時に表現)と、螺旋状の発展とを端的に表現している。矛盾の克服によって、螺旋状の発展を1サイクル飛躍することができると説く。将来の(螺旋状の)発展を予測することの重要性を述べている。
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構造化された問題解決方法論(ASIT、TRIZ、USIT その他) を基礎づける 一つの簡単な理論 (E. Sickafus; 訳 川面恵司、中川 徹) 和訳論文
、英文論文
(2007. 6.24)
USITの開発者である Ed Sickafus (シカフス)博士の、日本TRIZシンポジウムでの基調講演の論文。ASITはTRIZをずっとっ簡略化したもので、USITの先駆をなす。TRIZや USITなどの問題解決の方法論は、人に伝えるためにきちんと構造化して説明しているが、それらを習熟した人が実際に使うときには、もっともっと自由に、 意識と無意識とを行き来して問題解決が行われるのだ、という。物理学者として、問題解決の方法を研究開発した博士の深い洞察を学べる貴重な講演。和訳のス ライド、論文、中川の紹介を掲載している。
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階層化TRIZアルゴリズム (L. Ball; 訳 高原利生、中川 徹)
; スライド PDF
; 解説つきスライド
(2008. 2.27)
2007年8月30日-9月1日の第3回日本TRIZシンポジウムでの基調講演である。著者が2005年〜2006年にTRIZ Journalに連載発表した大部の教材を、高原・中川で和訳し本サイトに掲載してきた。その教材のエッセンスを簡潔に述べた講演である。この教材は、『TRIZ 実践と効用 (3) 階層化TRIZアルゴリズム』として2014年6月にクレプス研究所から出版し、この基調講演も本に収録している。
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TRIZ解説: 「階層化TRIZアルゴリズム」とその発展 (Larry Ball、訳 中川)
(2014. 6.30)
米国Honeywell社で独自の観点から TRIZを再編し普及させているLarry Ball の考えを簡潔に表現したもの。商品開発や問題解決のプロセスには考える順序がある、それは何をベースにして何を考えるのかの論理的な当然の順序であり、それは考察・決定の「階層」をなすのだという。一貫した商品開発プロセスを分かりやすく説明している。『TRIZ 実践と効用』第3巻の日本語版序言であり、この教科書の紹介として大事。
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創造的問題解決の新しいパラダイム: USITの「6箱方式」 (中川 徹)
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(2006.11. 1、11.29)
創造的な問題解決のやさしい一貫プロセスUSITについて、今までのフローチャート表現から、「データフロー図」(各段階で使う/獲得する情報を明示する)にして、「6箱方式」という概念を得た。これは、従来の(科学技術一般とTRIZの)「抽象化の4箱方式」での問題点(部分的・一面的な抽象化と、ヒントとしての一般化した解決策、類比思考への依存など)を克服するものだと考えた。新方式の特徴は、第3箱に現在のシステムと理想のシステムの理解を得ることを強調し、第4箱はヒントではなく、新システムのためのアイデアである。この「6箱方式」を「創造的な問題解決の新しいパラダイム」であると提唱した。日本TRIZシンポジウムで概念と事例を説明し、ETRIA TFC 2006で概念とともに従来方式との比較を説明した。(現在私が提唱している「創造的な問題解決・課題達成のための一般的な方法論(CrePS)」の土台となった重要な論文である。)
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日本におけるUSITの発展−創造的問題解決の新しいパラダイム (中川 徹)
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(2008. 9.18)
この約10年の私の研究を総括して、日本TRTRIZシンポジウムで発表した。やさしいTRIZとしてUSITを導入し、TRIZの全解法を再整理・統合してUSITオペレータの体系を作り、いろいろな適用事例をつくりつつ、「6箱方式」という概念を得た。それらは、全体として、「創造的問題解決の新しいパラダイム」を提示しており、やさしい一貫プロセスのUSITでそれを実行できる用になって来ているのである。
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解説資料: TRIZの歴史の概要 (Valeri Souchkov, 訳: 中川 徹)
(2008.11.16)
この記事はもともと、ミンスク出身でオランダで活動しているTRIZ コンサルタント Valeri Souchkov氏が、自社のWeb サイトに2008年5月に掲載したものです。和訳して本サイトに掲載しました。TRIZのいろいろな技法や概念がいつ発表されどのように発展していたのかが、簡潔な年表形式で客観的に記述されています。アルトシュラーの構想と開発の労苦の歴史が分かります。矛盾マトリックス(技術的矛盾)の紆余曲折の歴史、物理的矛盾と発明標準解や進化のトレンドを総合して発展してきた(古典的)TRIZの歴史が分かります。1985年以降の世界におけるTRIZの発展の歴史も。(概念や技法そのものの説明はありませんので、中級者以上の方に向けた、貴重な資料です。
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TRIZの開発と適用の将来の方向 (Sergei Ikovenko; 訳:小西慶久、紹介: 中川 徹)
(2009. 3. 8)
2008年9月の第4回TRIZシンポジウム(ラフォーレ琵琶湖)での基調講演です。英文・和文のスライドと、中川による紹介があります。Sergei Ikovenko氏は世界レベルで活発に活動しているTRIZマスターの一人で、1990年代にはInvention Machine 社に属しソフトウエアツールの活用や特許強化の推進でたびたび来日していました。この基調講演のときには、GEN3 Partner社に移っており、同社の「Main Strategic Parameters of Value (MSPV)」の概念を中心に説明しています。商品の開発、将来技術の開発において、顧客の声(Voice of Customers)を聞くことが大事であるが、顧客自身がそれをしばしば意識できていない。その中で何が本当に求められているのかを、MSPVで明らかにしようとしているのである。また、世界におけるTRIZの発展の段階を「幼児期」であるとし、TRIZの発展の将来はTRIZが本当に強みを持っているところ(すなわち、技術分野)で実績を挙げていくことだと、述べている。
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TRIZ: 必要だが不十分。 市場およびすべてを包括する理論 (Darrell Mann; 訳: 小西慶久; 紹介: 中川 徹)
(2010. 4.18)
2009年9月の第5回日本TRIZシンポジウムでの基調講演です。Systematic Innovation (体系的革新)を提唱する著者が、その広範な研究活動に基づき大きな視野で話をしています。「イノベーションに関するビジネス書が多数あり、問題解決の技法がまた多数提唱されてきているのに、開発プロジェクトの成功率が低く、イノベーションに成功するのがきわめて僅かなのはどうしてだろう。TRIZは技術的な面での包括的な理論(考え)を作ったが、「人口(人々、市場)」の観点を欠いていた、もっとすべてを含めた包括的な理論が必要である」といいます。そして、「あらゆる考えを一か所に集めた、思想の周期律表」を作って見せます。そして、イノベーションを起こすには、(1)まず顧客がその仕事で実現したいと望んでいる「機能」を明確にする、(2)つぎに、(a) 顧客のライフサイクルと人口動態の考察、(b) 顧客の世代の特徴の把握、(c) 人々の特徴的な行動の把握、を共に行うこと、(3) そして、市場のトレンドを捉えること、だという。この(3)の段階の(世界の)トレンドとして、著者は1000種のトレンドを考え、それらが複雑に関係しつつ進んでいることを考察している。そして、いま注目する一つのトレンドが他の大きなトレンドと衝突する(矛盾を起こす)段階を考え、さらに、その矛盾を解決する方法を考え、構築して、市場に提供するのだ、という。-- 著者の沢山の著書と実践に基づいたもので、驚くばかりの広がりをもった講演です。
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未来の技術システムの予測: TRIZの活用(Boris Zlotin, Alla Zusman; 訳: 黒澤愼輔; 紹介: 中川 徹)
(2010. 6. 9)
2009年9月の第5回日本TRIZシンポジウムの基調講演です。著者(ら)は、アルトシュラーの共同研究者でTRIZマスターであり、90年代以後Ideation International社に属してコンサルタントとして活動し、TRIZの諸技法の発展をリードしてきています。本講演のテーマを著者らは30年にわたって研究してきており、「Directed Evolution (DE)」 [方向づけられた進化] という方法論を作り上げています。注目する一つの技術システムの将来を考えると、現在の方向での進化(改良)がある段階まで進むと壁にぶつかるだろう、それは「進化の危機」の段階であり、いろいろな方向への(分岐)発展の可能性が考えられ、その方向を予測することは困難だが、その方向に積極的に影響を与える(方向づける)ことは容易である。TRIZの進化のパターンを使ってこれを考察する。考察プロセスはソフトウエアツールでサポートされ、(1) まず過去の状況を分析し、(2) 過去から現在に至る発展を進化のパターンでとらえ、(3) 将来への問題解決策、開発コンセプトを列挙したうえで、(4) 将来の進化のシナリオを考えて望ましいものを選択し、(5) それに沿って現在から将来への開発の課題・計画を立てる。-- なお、講演では話されなかったが、付属資料の未来の各種の自動車に対する考察は興味深い。トータルなエネルギー消費とCO2や灰分の廃棄物を比較し、ハイブリッド車のみが従来型より優れていて、電気自動車、燃料電池車(電気分解の水素、炭化水素由来の燃料電池)は「従来車よりも非常に悪い」という。さらに、「未来のハイブリッド車」として、「エタノール燃料のガスタービンエンジンと駆動力の電気的伝達」を提案している。今後の世界的な動きと議論に注目したい。
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オブジェクト変化の型から見えるTRIZの全体像−機能とプロセスオブジェクト概念を基礎にした差異解消方法 その3− (高原利生 ())
(2009. 7.10)
これは2008年9月の第4回TRIZシンポジウムでの発表です。著者の高原氏は、IT企業を定年退職後に、「差異解消」(すなわち、問題解決・課題達成のこと)の理論的な研究を始め、独自の概念や表記法を樹立してきています。本発表の前後にも多数の発表をしており、本『TRIZホームページ』では特別に、高原利生論文集: 『差異解消の理論』 (2003-2007)[論文14編](2008. 3.30)、および 高原利生論文集(2): 『差異解消の理論 (続)』 (2008-2012)[論文13編] (2013. 3. 7)を掲載しております。それら一連の論文の中で、本発表 (特にナレーション付きのPPTスライド) が分かりやすいと思い、ここに選定しました。概念定義と用語が独自のもので、とっつきにくいですが、その概念を受け入れると、非常に包括的で体系的・論理的な理論になっていることが分かります。独自の思想家の事績として、後世にも伝えるべきものと思っています。
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ものづくり課題解決体系におけるTRIZの役割 (熊坂 治、菊池史子、福島章雄)。(紹介: 中川 徹)
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(2010. 7.11)
日本TRIZシンポジウム2009において、パイオニア社から発表されたもの。ものづくりの全過程における課題(困難を乗り越えて達成すべきこと)を洗い出し(それを縦軸に配置し)、一方世の中で知られていて使えるさまざまな技法をとりあげて(それらを横軸に配置し)、どの課題にどの技法が使えるかを評価して、大規模な2次元の表を作った。TRIZの諸技法(およびUSIT)についても検討を加え、TRIZの役割を明確にしている。社内のイントラネットで公開し、活用している。 [注: これはその後、(株)産業技術研究所(熊坂治)の「モノづくり革新ナビ」のサイトで公開されている。]
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相互連結性と空白の機会: 革新の好機を見つけるために予測とシナリオライティングを一緒に持ち込む (Davide Russo, Caterina Rizzi, Tiziano Montecchi; 訳: 仲畑光蔵; 紹介: 中川 徹)
( 2010. 7.11)
2009年9月の第5回日本TRIZシンポジウムでの、イタリアのベルガモ大学からの優れた発表である。技術の将来予測に関しての既知の諸方法を最初にレビューしており参考になる。著者たちの方法は、考察したい技術を、機能->物理現象->構造の順に考察して、まず体系的に考えられる候補を樹形図に作り出す。この過程は、シソーラスや、各種のEffects データベース(TRIZ以外のものも利用)を活用し、体系的に(ソフトウエアを利用して)行える。このようにして得た多数の構造案に対して、特許DBを検索するためのクエリを生成し、特許検索を行う。各構造に対する代表的な特許の実施図を貼り付けると、樹形図の全体が多数の設計代替案の明瞭な一覧になる。この樹形図で、構造案(原理的な案)があるのに空白になっている(既存特許がない)のは、今後検討する可能性がある案といえる。著者たちは、この方法を一つのモジュール(KOMモジュール)とした総合的なソフトウエアツールを開発中であるという。--言語学的な方法を導入した優れた技法であると思う。
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強力な思考の一般理論 (OTSM): 発展の経緯、理論的背景、諸技法、および活用分野 (Nikolai Khomenko; 訳: 黒澤愼輔) (紹介: 中川 徹)
(2011. 9.19)
2010年9月の第6回日本TRIZシンポジウムでの基調講演です。実は、このころKhomenko 博士は癌の闘病中だったのですが、来日され、シンポジウム前日の一日セミナーとこの基調講演を、非常にエネルギッシュにやって下さいました。翌春2011年3月27日に逝去されましたので、これらが同博士の最後のまとめであったといえます。OTSMは1970年代にアルトシュラーが考え始めたもので、技術分野向きのTRIZを、分野に限定されない(非技術の複雑な問題も含む)方法に発展させることを意図したものという。Khomenkoが1985年から本格的に取り組んだ。この基調講演自身はいま読み返しても抽象的で分かりやすくないが、一日セミナーの資料(スライド)にはいろいろな例が記述されている。-- OTSM-TRIZの最も分かりやすく重要な発表は、2009年の日本TRIZシンポジウムで、A. Mirakyan, N. Khomenkoらが発表した「地域統合的エネルギーシステム」へのOTSM適用事例(本ページに別掲)であろう。
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TRIZ/USIT解説: TRIZで問題解決・課題達成!! -TRIZの全体像と活用法 (林利弘、澤口学、中川徹、有田節男、津波古和司、井上敬治、長谷川公彦、上村輝之)
(2013. 2.20; 3.22; 5. 8; 5.19)
日本規格協会の機関誌『標準化と品質管理』の2013年2月号は、特別企画として表記のテーマでTRIZの記事8編(50ページ余)が掲載され、日本TRIZ協会が総力で執筆した。以下にその全件を示す。
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TRIZの位置づけ: 開発・設計プロセスにおける問題解決・課題達成の技術 (林 利弘)
(2013. 2.20)
上記企画の先頭の記事。(製造業を中心とした)企業活動の主プロセスを「開発・設計プロセス」と考え、その中で必要となるさまざまな問題解決や課題達成のために、(個別の特定分野の技術とは区別して)技術分野を越えて汎用で必要・有用な技術について考察し、その中にTRIZを位置付けている。TRIZの位置づけに関する大事な解説。
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TRIZとは:その考え方と主な技法・ツール (澤口 学)
(2013. 3.22)
TRIZ特別企画の第2記事。TRIZの基本部分(古典的TRIZ とその更新)について解説している。特に、(1) 技術的矛盾の解決アプローチ(技術矛盾マトリックスと40の発明原理)、 (2) 物理的矛盾の解決アプローチ(物理的矛盾と分離の法則)、(3) 技術システム進化のパターン、 (4) 技術進化のポテンシャルレーダーチャート、 (5) マルチスクリーン法について述べている。各方法で知識ベースのごく簡単な説明(簡単な事例の列挙)をしているのが、初めての人には分かりやすいであろう。
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解説: TRIZ:世界の潮流と日本の状況 (中川 徹)
(2013. 3.22)
TRIZ特別企画の3番目の記事。(TRIZの基本の知識があるとして)1990年代にTRIZが西側に伝えられて以後のTRIZの状況(理論・内容面、応用面、推進状況、普及状況など)を世界と日本について広く解説している。現在のTRIZの状況を俯瞰するための解説である。
TRIZ適用事例1: TRIZ技法活用による技術課題のイノベーション的解決 (有田節男、津波古和司)
(2013. 5. 8)
TRIZ特別企画の4番目の記事。著者らは、日立グループで十数年、TRIZ適用・推進活動を主導してきている。技術分野でのTRIZ適用事例を2件説明している。(1) 日立GSTでのハードディスク開発における事例で、ディスク上に生じた微小突起を修復する問題(低速回転にしてヘッド自身をぶつけて削る!)(本ページに別掲)。(2)韓国Hyundai-Kia Motorsにおける可変圧縮比エンジンの開発における、他社特許の回避と一層の改良発展の事例 (本ページに別掲)。
TRIZ適用事例2 TRIZのやさしい実施法−USIT (統合的構造化発明思考法) の考え方と適用事例 (中川 徹)
(2013. 5. 8)
TRIZ特別企画の5番目の記事。TRIZをやさしく実践する方法としてUSITの概要を説明し、2件の事例を示した。(1) USIT導入の初期に富士フイルムでに成果で、検査用の血液をフィルタに通し血漿を取り出す問題で、それまでの円板上のフィルタをやめて、細長い形状でカラムクロマトグラフと同様の原理を使った。(2) 子ども二人を安全に乗せられる自転車の案。親より前に乗せる子供の座席を、フォーク軸の上(現在の主流)でなく、車体に固定する。親が漕ぐスペースを確保するために、ハンドル軸とフォーク軸を分離し、ハンドルは親の手本に置き、リンク機構でハンドルの動きをフォーク軸(すなわち前車輪)に伝える(本ページに別掲)。解決策に至る考え方を説明している。
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TRIZ適用事例3: 新たな価値創造に向けたTRIZとVEの連携活用 - 快適な鉄道車両トイレ空間の開発 - (井上 敬治)
(2013. 5.19)
TRIZ特別企画の6番目の記事。JR東日本で新幹線のトイレを新しく開発するに際して(2003年)、VE(バリューエンジニアリング)の技法とTRIZ-DEの技法を統合して使った。はじめに女性だけの座談会で女性客の声を明らかに捉えた。ついで、TRIZ-DEで将来ビジョンを作る。短時間で革新的なアイデアを創っている (本ページに別掲)。
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TRIZ適用事例4: 勝てる知財構築への TRIZ の戦略的適用 (長谷川公彦)
(2013. 5.19)
TRIZ特別企画の7番目の記事。世界の特許の分析からTRIZが開発されたと同時に、いまはTRIZを特許分野で活用できる。この記事は、特許部門へのTRIZ適用を主たる業務としているアイディエーション・ジャパンの長谷川氏による解説である。一つの使い方は、他社特許を回避する「迂回設計』の場合。既存特許の請求項の論理的な内容をを「因果関係モデル」の形式で記述すると、そのどこを変更したり、トリミングしたりするとよいかが明瞭になる。もう一つの使い方は、自分の発明を強化することである。さまざまな改良の観点があるが、自分の特許を積極的に回避する方策を考えれば、新しく防御を強化する改良案が得られる。
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TRIZ適用事例5: 想定外に陥らないリスクマネージメントへのTRIZの適用 (上村輝之)
(2013. 5.19)
TRIZ特別企画の最後の記事。米国のIdeation International 社が開発した「不具合予測(Anticipatory Failure Prediction (AFP))」について解説している。これは、あるシステムに潜在する不具合を予測しようとするときに、立場を逆転させて、そのシステムに積極的に不具合を起こさせる方法を考える、すなわち防御から攻撃に観点を変えるものである (この考え方自身は古代の兵法にもある。より一般的に「破壊分析(subversion analysis)」と呼ばれることもある)。事例として、北米のある化学プラントでの排ガス洗浄機の配管ミスの検出問題を説明している。
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赤、緑、そして青 - Southbeachを使って状況を改善する (Howard Smith、訳:中川 徹)
(2013. 6. 9)
著者らは、TRIZのソフトツール(特にIdeation International社の因果関係記述ツール)の刺激を受けて、より汎用のモデリングソフトウエア「Southbeach Modeller」を開発し、特にそのモデル記述言語を「Southbeach Notation」と呼んで明確な指針を示している。本論文は、英国の BP Trends (Business Process Trends) 誌で発表され、Southbeach社の WebサイトにWhite Paperとして掲載されている。この表記法では、有害な項目を赤で、有益な項目を青で描き、因果関係の記述から矛盾の関係を明瞭にできる。解決策を青で表示する。この論文は、いろいろな問題に関する議論とその展開、問題とその解決を分かりやすく表現している。また、それらを、ソフトウエアSouthbeach Modellerで表現し、問題の分析やレポート作成を簡便にサポートすることを説明している。-- TRIZ以外の諸技法まで含めた、優れた論文である。
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講演: 技術革新のための問題解決の方法論 「TRIZ」 (中川 徹)
(2012. 1. 9)
2011年12月に、奈良先端科学技術大学院大学の物質創成科学研究科のFD研修会に招かれて、先生方約100人に1時間講演したときのスライド。教育および科学研究を念頭に置いて、(広い意味での)TRIZの紹介をしている。
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創造的な問題解決・課題達成のための一般的な方法論を確立しよう (中川 徹)
(2013. 6.22)
第3回知識共創フォーラムでの発表。TRIZ (発明問題解決の理論)から出発して、USIT (統合的構造化思考法)に進み、さらにもっと一般的に、創造的な問題解決・課題達成のための方法を作り適用することを提唱している。考え、問題解決をするための方法として、広い考え方を提唱している。
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創造的な問題解決・課題達成の一般的な方法論 (CrePS)−そのビジョン (中川 徹)
(2013.10. 3; 10.25)
人類の文化はすべて、長い年月(数百万年とか数十年とか)をかけて、無数の人たちが行った「創造的な問題解決・課題達成」の成果として得られたものである。だから、われわれの身の回りのものすべて、社会のすべては、そのような成果の無数の積み重ねを含んだ事例である。しかし、そのような成果を達成した方法は必ずしも十分に意識されず、記録されていない。そのような方法を学び、明確に作り上げ、適用して行けるようにすることが、大事なことである。それが、われわれと将来の世界や生活を良くしていく力になる。(TRIZに限定せず)「創造的な問題解決・課題達成」のための方法一般を確立し、それを広く普及させて、国中の(また世界中の)問題の解決、課題の達成のために適用していくことが望まれる。それをわれわれの目標にしよう。身近なことを取り上げつつ、社会の中で仕事をしつつ、ずっと大きな目標を意識していこう。その方法論の基盤はいまCrePSの「6箱方式」というパラダイムで明らかになってきたのだ。これが、2013年10月末の日本創造学会、および ETRIA TFC2013で発表した表記の論文のビジョンです。
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アルトシュラーの 76の標準解から 新しい111の標準解へ (Davide Russoら、訳: 高原利生・中川 徹)
(2014. 4.30)
2013年10月のETRIA TFC 2013での優れた発表論文である。アルトシュラーの「76の発明標準解」は、「物質-場モデル」を基礎にして使い、(古典的)TRIZの中でも後期に開発され重要視されている。しかし、西側諸国ではあまり有効に使われてこなかったのが実情である。D. Russoらのイタリアのグループは、アルトシュラーの当初の意図を保持しつつ、その全体を再編した。まず最初に、問題状況の表現には、特異的な「物質-場モデル」の三つ組み表現をやめて、(TRIZ外でも)一般的に使われている「機能モデル」を採用した。そして問題状況を整理して、作用が「有害または過剰(だから減らす必要がある)の場合」と、「欠如または不十分(だから増す必要がある)の場合」とに分類した。これらの場合に対するアルトシュラーの対処法を一般的な言葉で(動詞+名詞で)表現すると、各場合に6つの動詞で表せることが分かった(例えば、有害な作用を「そらせる」、「ブロックする」、「出せなくする」、「感じなくする」、などである)(これらを「アクション」と呼んだ)。さらに、主要手段を分類すると、各アクションに2〜3のサジェスチョン(物質を導入する、場を導入する、など)が見出される。これらのサジェスチョンは、基本的には4種すなわち、「物質を付加/導入する」、「物質を修正する」、「場を付加/導入する」、「場を修正する」であり、それらをさらに詳細化できる。適用事例も示している。-- このようにして、アルトシュラーの76の発明標準解は、すっきりと階層化された新しい111の標準解に再編された。古典的TRIZの主要な技法を現代化したものであり、今後この表現を使っていくとよいと私は思う。
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創造的な問題解決・課題達成のための一般的な方法論(CrePS): いろいろな適用事例と技法を「6箱方式」で整理する (中川 徹)
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(2014.11. 7)
2014年秋の3つの学会 (日本TRIZシンポジウム、日本創造学会研究大会、ETRIA TFC (スイス、ローザンヌ))で発表したものです。 「TRIZ/USITをベースにして、6箱方式の枠組みを使うと、多様な諸技法を再編して、この一般的な方法論CrePSを実現できる」というのが、主たるメッセージです。実践中の活動は、つぎの5つです。(1) CrePS の適用事例集を作る (既発表の諸事例を利用できる)。 (2) TRIZ その他のさまざまな技法を理解して、CrePS の枠組みで記述する。(3) 「現実の世界」の種々の活動に CrePS を位置付ける。 (4) CrePS の種々の適用目的を分類し、 各目的に沿った簡潔な CrePS プロセスを提案する。 (5) CrePS のビジョンの普及を図る。
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イノベーションの構造−パラダイム破壊型イノベーションとは何か− (青色発光ダイオードの事例を分析する)(山口栄一)
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(2014.12.10)
今夜(2014年12月10日)、3人の日本人研究者(赤崎勇教授、天野浩教授、中村修二教授)に2014年度ノーベル物理学賞が授与されました。授賞理由は「明るく省エネルギーな白色光を可能にした効率的な青色発光ダイオードの発明」です。-- ここに掲載する山口先生の論文は、2004年に発表されたもので、先生の著書『イノベーション 破壊と共鳴』 (NTT出版刊、2006年)の土台になったものです。ここでは、青色発光ダイオード(LED)のイノベーションのプロセスを調査し、それが、クリステンセンの言う破壊型イノベーション(すなわち、他のニーズ/目的に合わせて性能を意図的に落とす)ではなく、パラダイム破壊型イノベーション(すなわち、基本的な/物理的なパラダイムを破壊/変革するもの)だと論じています。そのようなパラダイムのシフトをどのようにして実現できるのか、またそのような変革を前にして優れた大企業がしばしば失敗するのはどうしてかを議論しています。イノベーションを実現するために非常に示唆に富む論文です。
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TRIZ 論文: 発明原理40のシンボル化(高木芳徳)
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(2015. 1. 8)
TRIZの40の発明原理を覚えやすくするために、(メモの際の利便性も考えて)手描きシンボル化した。これにより、40の発明原理を手軽に援用でき、矛盾マトリクスを連続的に利用したり、日常的にリバースTRIZを行いやすくなった、と著者は言っています。分かりやすく、有効な方法です。
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TRIZ 論文: 発明原理すごろく 〜TRIZ発明シンボル40 on 9画面〜(高木芳徳)
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(2015. 1. 8)
手描き絵文字風にシンボル化したTRIZの40の発明原理を、一層教えやすく、覚えやすくするために、グループ化することを考え、基本的に初めから4個ずつ、最後を調整して9グループにした。グループ名をつけ、9画面に配置し、すごろくのようにたどる経路を作った。「無害化」グループ(原理21〜24)を例にして、その研修のしかた、活用のしかたを示している。-- 非常に分かりやすく有用で、活用のしかたも生き生き説明されています。
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SNマトリックスとTRIZの連携による 顧客ニーズの取り込み 〜7つのソリューションを繋げる機能ベースの展開〜(緒方隆司、藤川一広、土屋浩幸)
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(2015. 1. 18)
自社の技術シーズ(S)をベースに、顧客のニーズ(N)に繋げ、特に顧客にとっての新しい魅力的品質を提示し、潜在ニーズを引き出すような方法を提案しています。 自社技術をどんな目的に使いたいのか、そしてそれを実現するための手段を展開して、「機能」の表現で一貫して記述します。その機能ごとに、機能達成の目標と現状、他社技術のレベルと内容、顧客要求、優先度などを一覧表示します(SNマトリックスと呼ぶ)。この機能による表現とSNマトリックスは、7つのカテゴリの問題解決プロセス(「ソリューション」)に共通して利用できる、といいます。
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高齢者の新しいライフスタイルの提案のために(長谷川公彦、他)
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(2015. 3.27)
知財創造研究分科会が、数年の活動を一段落させて、今後の活動について「いつも気になっていること」というテーマで自由討論した結果生まれた、新しい活動テーマです。テーマの上位目的(ビジョン)として、「高齢者とその関係者が幸せな生活を送る」と設定し、目標(ゴール)として、「高齢者が自分の問題と他人の問題を解決する」としました。さらに具体的には、「定年を迎えた研究者・技術者が生きがいを持った生活を送りたい」という問題意識に対して、「自分のビジョンを実現する目的のために、自分の問題と他人の問題を解決する」という解決策を作り出していこうとしています。そのような「高齢者の新しいライフスタイル」を提案し、そのためのいろいろな考え方を整理し、実現のための環境を整える活動を提案していこうと考えています。TRIZによって「価値創造」を考察して行こうとしているのです。-- 日本社会にとって、また高齢になりつつある多くの技術者にとって、大事なテーマであり、アプローチです。今後の活動に注目ください。
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ビジネス・マネジメント系進化トレンドの適用方法と適用例 (TRIZを日常に持ち込む)(伊沢久隆、吉澤郁雄、他)
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(2015. 3.27)
日本TRIZ協会のB&M分科会では、「ヒット商品・サービス」システムの創出に有効だった、「進化トレンド」の方法をさらに便利にしようとしています。
(1)Darrell Mannの『体系的革新(B&M)』の教科書(和訳まだなし)の「進化トレンド」について、日本語での分かりやすい解説集を作った。
(2) ビジネス・マネジメントでよく用いられている他の技法との関連を明らかにした。野中のSECIモデル、バランススコアカードの4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)、SWOT(強み/弱み/機会/脅威)分析、など。
(3) 進化トレンドの適用実例を作った(「事業再編により使われなくなった技術を使って、新しい技術サービスのビジネスモデルを提案する」問題)。32の進化トレンドで、3C (顧客、自社、競合他社)を検討するのが有効であった。
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創造的な問題解決の方法論:TRIZ とその発展 〜技術革新のための科学的方法〜 (中川 徹)
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(2015. 4.12)
鳥取大学大学院(医学専攻科)での90分の講義スライドです。「発明の方法」、「研究の進め方」、あるいは「問題を創造的に解決するための考える方法」について、きちんと書いています。特別な予備知識は要りません。(1)まず、現在の科学技術が前提にしている考え方(「抽象化の4箱方式」)に限界があること、従来の「創造性の諸技法」が部分部分だけを見て全体を見失っていることを論じています。そして、(2)新しいアプローチとして、旧ソ連で開発されたTRIZ(トリーズ)、(3)それに影響を受けて米国で開発され日本で発展させたUSIT(ユーシット)を説明しています。(4)それらを土台にして、「6箱方式」という考え方が生まれ、それが「創造的な問題解決の一般的な方法論」(略称CrePS(クレプス))を構成したことを述べています。-- 私自身の18年間の理解の進展を、これらの4段階できちんと表現したものです。スライド57枚。
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世界構造の中の方法と粒度についてのノート (高原利生)
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(2015. 4.12)
著者高原さんが追求してきているテーマは、「世界を統一的に捉え、人間の生き方の土台を理解する。そのための論理的な方法を作り上げる」ことです。その論理の土台として、直接・間接に知覚できる「存在」(=「もの」と「観念])とその関係(=「相互関係」=「相互作用」=「運動」)を考え、技術・制度・個人を含む「世界」を記述するやり方を構築していっています。これらを考察・記述するに際して、根源的網羅的思考の方法(通常の「体系的思考」をさらに明確にしたもの)と矛盾の表現(通常の「問題」をさらに明確にしたもの)が必要であるとし、これらを含めて「弁証法」の論理を従来よりももっと拡張して捉えています。 これらの論理から、各人の「認識と行動」の土台になる、「判断のしかた」(考える範囲と解を出す方法)を考え、さらにその土台にある各人の「態度」についても、考察・記述しています。その考察の広さと深さは本当に驚くばかりです。 FIT2013で発表された8頁の論文です。
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USITマニュアル (「6箱方式」による創造的な問題解決の一貫プロセス)(中川 徹)
(2015. 5.25)、
(2015. 6.26)
USITは、米国でEd SIckafusが開発し(1995年)、その後日本でTRIZと再統合しつつ発展させてきた「創造的な問題解決のための簡潔な一貫プロセス」です。現在では、 「創造的な問題解決・課題達成の一般的な方法論 (略称:CrePS)」を実践する、「6箱方式」による簡潔で一般的なプロセスと位置付けられています。
スライド 31枚で、「6箱方式」を基本パラダイムとするUSITのやり方・考え方を説明しています。適用事例(額縁掛けの問題)と説明を組にして、プロセスを追って分かりやすく説明しました。 別ページで掲載しています多数の「USIT適用事例」は、この「USITマニュアル」に対応させて記述しています。
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夢想ヒューリスティックスを用いた潜在意識問題解決 (Ed Sickafus、訳:高原利生・古謝秀明・中川 徹)
(2015.7.29)
Ed Sickafus 博士はUSIT法の開発者ですが、この10年ほど、創造的なアイデアを得るための私たちの頭脳の働きを理解し活用することに焦点を置いてきています。昨年発表の本論文では、意識的な考察と、潜在意識による脳内処理との関係を考察しています。「あ、そうだ!」というアイデアは、すべて潜在意識からもたらされる。発明をするのは意識ではなく、潜在意識の方だ、といいます。そこで、意識から、潜在意識に適切に情報を渡すことが大事であるとし、わざと曖昧にした(概念を広くした)意識的考察により、潜在意識による発想を豊かにしようと提案します。著者はそれを「Hazy Heuristics」と呼びました。Hazyとは、曖昧な、ぼんやりしたという意味です。和訳では、「曖昧」には否定的なニュアンスがあるので避け、「直感」ではあまりにも短時間での処理のイメージがあるので避けて、「夢想」という語を選びました。
われわれが問題解決の方法を学び・使えるようにするために、意識的に「構造化、論理化」した方法を作ってきた。それは人間同士のコミュニケーション、文化の形成と教育のためだ。各個人がそのような方法を一旦十分に習得すれば、自分の中では、もっと潜在意識を活用したこのようなショートカットを使ってよい(使うのがよい)、と薦めています。(古来から言われている、「形に入って、形から離れよ」という達人の境地です。)
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基礎理論論文: 弁証法論理と生き方(ノート) (高原利生)
高原利生さんの最新の三部作です。著者の最新の理解の全体を丁寧に記述したもので、合計55頁の力作を、読みやすさに配慮して三部に分割しました。
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(第一部) 粒度、矛盾、網羅による弁証法論理 (高原利生)
(2015.11.13)
(ありたいことと現実の間の)「差異を解消する」のための基礎理論を目指して、いままで構築してきた基本概念を体系的に記述しています。「もの」だけでなく、「認識できるすべてのもの」を「オブジェクト」と呼びます。一つの「オブジェクト」を定義するには、その範囲(何まで、どこまで、いつまで、どんな面、どんな内部構造/関係まで)を明確にする必要があることを強調して、その「範囲」のことを「粒度」と呼んでいます。オブジェクト間の(時間変化や機能/作用なども含めた)「関係」の記述を(広義に)「矛盾」と呼んでいます。「オブジェクト」と(その間の関係記述としての)「矛盾」は、複雑な入れ子構造を持ちますので、論理的な議論/考察のためには、(根源的な)「網羅思考」が必要だといいます。これらの基本概念を準備したうえで、第二部に進みます。。
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(第二部) 中川徹の6箱方式へのコメント (高原利生)
(2015.11.13)
第二部が「差異解消」の思考法(論理)の中核部の説明です。著者のいう「矛盾の状況確認」は問題を捉えることであり、「事実の矛盾」を明確にすることは、問題のある現在の状況を分析することです。そして「解の矛盾へ変換する」というのは、理想を考え、「解決した結果」を定式化することです。「解の矛盾の解を求める」とは、「解決した結果」を実現するための方法を求めることに相当します。高原さんはこのように独自に論理を積み上げてきたのですが、「気がついたら中川徹の6箱方式と同じことを言っていた」と書いています。中川の「TRIZのエッセンス(英語による50語の表現)」(2001年)と「6箱方式」(2005年)を評価し採り入れています。そしてこのような「差異解消の思考法」の全体が、(拡張した)「弁証法論理」であると、著者は言います。
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(第三部) 弁証法論理の応用展開 (高原利生)
(2015.11.13)
「差異解消の理論」の応用への展開を述べています。「差異解消」の原動力は、個人にあると考え、個人の中の世界観(価値観)、態度、認識のしかた、などを論じ、それらを人の「生き方」として考察しています。技術と制度の考え方、「差異解消」の方法の詳細な論理、そして人間の生き方、などのすべてが一つの枠組みの中で論じられています。驚くばかりの構想を持った新しく大きな「思想」が生まれています。
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創造的な問題解決の一般的な方法論: TRIZ/USIT/CrePS 中川の諸発表(2015年5月〜2016年3月)の解題 (中川 徹)
(2016. 3. 3)
8か月間の諸発表の関連を示したものです。
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6箱方式: 創造的な問題解決のための新しいパラダイム (中川 徹)
(2016. 3. 3)
ICSI 2015での60分の基調講演です。USITを簡単に説明しながら、もっと根本にある「6箱方式」をベースにした、「創造的な問題解決のための一般的な方法論(CrePS)」の考え方を中心に話しています。TRIZを知った1997年以来の私の考察の発展をきちんと位置付けた講演です。スライド47枚。
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USIT適用事例集 と 「6箱方式」 −創造的な問題解決の諸事例を新しいパラダイムで理解する−(中川 徹)
(2016. 5. 8)
TRIZシンポ2015での一般発表です。私の研究の流れ(TRIZ → USIT → CrePS) の意図を話し、現在の理解として、TRIZその他の沢山の創造性技法を統合する「6箱方式」の概念、その全体像「CrePS」、それを簡潔に説明するプロセスとしてのUSITについて話しています。この位置づけで、「USITマニュアル」を作り、それに対応した「USIT適用事例集」を作ったことを説明しました。また、事例として、学部2年生のゼミでの「さまざまな筆記具(技術の発展のしかたを学ぶ)」という、TRIZ用語を使わずに、TRIZのエッセンスを学ぶ例を取り上げました。
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USIT: 6箱方式をパラダイムとする 創造的な問題解決のための簡潔なプロセス −USITマニュアルとUSIT適用事例−(中川 徹)
(2016. 5. 8)
日本創造学会2015での一般発表です。「創造的な問題解決の方法論」の発展を私の観点から整理し、「創造的な問題解決のための一般的方法論(CrePS)」を実践する簡潔な一貫プロセスとして、USITを位置づけています。その上で、この年に私が新しく整備した「USITマニュアル」と「USIT適用事例集」をベースにして、USITプロセスの適用法を詳しく話しています。スライドと予稿集の論文があります。
USIT: A Concise Process for Creative Problem Solving Based on the Paradigm of 'Six-Box Scheme’ -- USIT Manual and USIT Case Studies - (中川 徹)
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(2016. 5.31)
ETRIA TFC 2015 での発表で、上記の日本創造学会での発表論文の英文版。USITの開発の歴史を述べ、USITを、「創造的な問題解決のための一般的方法論(CrePS)」を実践する簡潔な一貫プロセス、と位置づけています。USITマニュアルとUSIT適用事例集をも含めて、現在のUSITをきちんと英文で説明しています。発表スライド
、論文原稿(拡張版)
、論文 (Proceedings と ETRIA Journal、INNOVATOR に掲載)
のセット。
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USIT: 6箱方式をパラダイムとする 創造的な問題解決のための簡潔なプロセス −USITマニュアルとUSIT適用事例− (中川 徹)
(2016. 6.11)
上記の日本創造学会での予稿集の論文を、査読を通じて仕上げ、日本創造学会論文誌第19巻に掲載したものです。この半年余りの、USITとCrePSに関する私の論文のなかで、和文論文としては最も整ったものです。
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出版案内: 創造的な問題解決のための一般的な方法論CrePS: TRIZを越えて: なに?なぜ?いかに?(中川 徹)
(2016. 6.20)
米国でのTRIZ国際会議TRIZCON2016での発表と論文を英文・和文の両方で、また、英語での発表ビデオ(45分)を掲載しています。私がずっと提唱してきています「CrePS (創造的な問題解決の一般的方法論)」について、大局的な観点から、3つの基本的な質問に答えているものです。
(1) 何を?: CrePSは、創造的な問題解決/課題達成に関わる従来の諸方法を統合する一般的な方法論で、技術/非技術の広範な分野に適用するものです。「6箱方式」を新しい基本枠組みにします。
(2) なぜ?: 従来の多数の関連諸方法 (TRIZを含む) は、基本枠組みを持たず、ばらばらで、相互に競合し、社会のニーズに応えられませんでした。そこで、社会のニーズに応えて、さまざまな分野とテーマでの問題解決のための方法をつくり、そのような能力を育て、多くの実地の問題解決を行えるようにします。
(3) どのようにして?: 「6箱方式」とそれを実践する簡潔な一貫プロセス(USIT) をすでに確立しており、その原理と有効性は実証済みです。そこで、既存の諸方法の研究者や実践者と協力して、諸方法の「6箱方式」への位置づけを考え、一つ一つ統合することを試みます。6箱方式では、「現実の世界」と「思考の世界」を区別して考え、「現実の世界」で問題を定義し、「思考の世界」でその問題の解決策を考え出し、「現実の世界」に戻ってその解決策を実現する、というやり方をします。USITは「思考の世界」での活動、すなわち、問題を分析して解決策を考え出す過程をすでにずいぶん一般的に確立しています。そこで今後は、「現実の世界」での問題定義と解決策実現の過程について、従来の諸方法をその適用分野とテーマについて分類・類型化し、全体の枠組みに位置づけていくことが必要です。
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札寄せ用具と図的思考: 札寄せ用具の開発の意図、操作法、使い方、使用実践例、図的思考の有効性(片平 彰裕(第一考舎)、中川 徹 (大阪学院大学))
(2016. 7.31)
片平彰裕が開発した「札寄せ用具」と、それを用いた「札寄せ法」と呼ぶ図的思考法(図的表現を活用して思考を支援する方法)について、片平・中川の両名でまとめたものです。「札寄せ用具」の最新版は片平の第一考舎サイトから無償でダウンロード
できます。
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第1部: 札寄せ用具の開発の意図、操作法、使い方(片平 彰裕)
(2016. 7.31)
「札寄せ用具」は、マイクロソフト社製表計算ソフトウェア Excelのワークシートに図形を描画することを主要機能とした画像作成ソフトウェアであり、描画による思考支援を使用目的としている。多様な描画機能ではなく、簡便で軽快な操作を優先している
操作方法を、簡単な使用例のイラストを使って明快に説明している。「札」(語句や文を書き込んだ四角形)、「枠」(複数の札などを囲むための、表題つきの丸四角形の囲い)、「線/矢線」の作り方と操作のしかた。「セル」(Excelのワークシートの升目で、本来の記述単位)と「札」「枠」との相互変換。その他、Excelの他の図形処理機能の活用法など。またこれらを使う基本的な方法を簡単に図で説明している。
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第2部: 「札寄せ用具」の使用実践例: 片平が行っている札寄せ法 (片平 彰裕)
(2016. 7.31)
「札寄せ用具」が支援するのは、「札」に記入した情報とその間の関係を図的な配置で表して、その配置をさまざまに変化させることで、気づきを得、考えを進める/まとめる方法である。そのような方法は(総称して「札寄せ法」と呼んでいるが)、既にさまざまなやり方で行われており、特別な技法というよりも、基本的なやり方を習得すれば、各人が目的や状況に合わせて自然に工夫し、自分の方法として発展させることができる思考方法である。
片平の一つの使用法は、個人用として、考えの整理や気づきの促進のために使う。その手順を説明し、特に札をいろいろに並べ替えて考える際の複数の観点を説明している。事例として、(社会心理学の)受講時の学習内容の整理メモの図、さらに、「札寄せ法とは何か」について自分の考えを整理するための図を示した。
もう一つの使用法は、会議の場で、発言を記録しつつ表示し、各発言同士の関連が分かるようにして、会議での意思疎通と共通理解の形成を容易にすることである。実施例を4件示しており、それぞれの使用目的を、考えのすり合わせ、原因の抽出、理解の促進、説明文のアイデア出し、として特徴づけている。
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第3部: 「札寄せ用具」の使用実践例: 中川が行っている「見える化」のための札寄せ法(中川 徹)
(2016. 9.29)
問題がある程度はっきりし、(自分または他の人(たち)が書いた)文章/文書があるときに、その論旨を札寄せ法によって一層明確にし、きちんと「見える化」した図を作り、沢山の人たちと理解を共有できるようにする実践法を述べています。最初にその考え方を説明し、ついで、半頁(論文概要など)〜20頁(一つの記事・論文、本の一章など)の文章を「見える化」する具体的なプロセスを書きました。
具体的な実践例は、本ホームページに掲載済みのものから選び、Sickafusの論文要旨、藤田孝典著『下流老人』の5つの章(はじめに、下流化の事例、近未来の下流化のリスク、人々の意識の問題、著者の提言)、吉川洋講演録(財政再建と日本経済)を取り上げました。それぞれの「見える化」の作業のしかた、表現上の工夫、仕上げた図(詳細図)と求められて簡略化した図、などを説明しています。これらが、社会問題のような輻輳したテーマで、特に有効であることを例証しています。
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基礎理論: 世界観、生き方、人類の未来のための根源的網羅思考と一体型矛盾(高原利生)
(2016.10.19)
ここで最も注目されるのは、「矛盾」の概念、特に「一体型矛盾」というものです。その例として挙げているのは: 目的と手段。 認識と行動。 感情と論理。 内容と形式。 単一性と多様性。 集中と展開。 展開と深化。 分析と合成。 思考と学習。 謙虚さと批判。 愛と自由。-- その一つ一つが、非常に大きなテーマです。
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解説: ビジネスとマネジメントのためのTRIZによるブレークスルー思考 (Valeri Souchkov (オランダ); 和訳:中川 徹)
(2016.11.23)
ビジネスとマネジメントの分野での問題解決や将来予測に、TRIZの考え方が有効に使えることを、分かりやすく説明しています。ビジネスマン、一般社会人(そして技術分野の人)への優れた入門記事(20頁)です。
TRIZはもともと技術の分野で、多数の発明が実はより少数の考え方(「発明原理」)で説明でき、技術システムの発展がいくつかの「進化のトレンド」として理解できることを示し、また矛盾を解決する「ブレークスルー思考」の方法を創ってきました。ビジネスやマネジメントの分野で扱う社会システムでも、これらの(発明)原理や進化のトレンドは、少しの違い・調整で同様に使えることが分かってきました。さらに、問題解決のためのブレークスルー思考の方法は分野が違っても基本的に同様に使えるのです。本稿では特に、輻輳したビジネスの問題において問題状況を「根本矛盾分析(RCA+)」で図的に表現し、各矛盾を「プラスの効果 対 マイナスの効果」の対として捉えて、(発明)原理や進化のトレンドを参照して解決する方法が説明されています。また、進化のトレンドを手掛かりにして、将来を予測しつつ、その中に新しいアイデアを創り込んでいく「ロードマッピング」の方法を説明しています。著者たちがRCA+を実用し成功したプロジェクトは1000件以上になったと言います。
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研究ノート: 創造的問題解決の新しいパラダイム「6箱方式」: 既発表論文を6箱方式で表現する (1) 中川 徹による論文18編 (2000−2016) (中川 徹)
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(2016.12.27)
「6箱方式」は創造的問題解決の新しいパラダイムであり、私はそれをTRIZとUSIT研究の中で2004年に見出し、2012年以来もっと一般化した文脈の中で活発に推進してきています。6箱方式を例証する目的で、最近まで私は、何らかの問題を6箱方式に従って解決する「新しい事例」を作ることを試みてきましたが、それはゆっくりとしか進みませんでした。しかしいま、私が気づいたのは、「真剣な知的活動成果のほとんどすべてを、6箱方式で表現できる」ということです。そこで私は、私の既発表論文(英文&和文)から、2000〜2016年の毎年1編(秋の国際/国内学会)を選んで、それぞれスライド1枚の「6箱方式」で記述しました。それらを論文概要と並べて掲載しました。6箱方式は(特許記述の標準書式と同様に)知的活動成果を記述するテンプレートの役割を果しています。「6箱方式」の考え方、「6箱方式」での概要記述のしかた、さらに、私の研究の経緯などを、ご理解いただけるでしょう。
基礎理論論文: 高原利生論文集 (第4集) : 『差異解消の理論 (4) 根源的網羅思考と矛盾モデルによる生き方』 (2016-2018)
(2018. 8.30; 10.10)
高原利生さんが 2016年〜2018年の3年間に発表された(広義の)TRIZ関連の論文11編をすべてまとめて、高原さん自身による解題
を掲載して、各論文 (HTMLページ/PDF版) へのリンクを張ったものです。
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基礎理論論文: 未完成の哲学ノート(2018 年): 「 矛盾モデルと根源的網羅思考による人類の生き方の基本原理についてのノート (高原利生)
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(2018.8.30; 10.10)
現時点での著者の理論体系を懇切に一貫して記述した「研究ノート」です。全体ではA4約80頁という大作で、4部にわけて掲載しています。
(全体概要ページ) 論文概要、構成、おわりに、参考文献
(2018. 8.30; 10.10)
(第一部) 根源的網羅思考(2018年3月)
(2018. 8.30; 10.10)
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人の生き方から、社会・世界の問題に至るまでの大きな複雑な問題を考えていくための、方法や枠組みについて、土台から作っていこうとしています。考えようとしている対象(=「オブジェクト」。ものやこと)について、空間時間範囲、性質、内部構造、働きなど(総合して「粒度」という)の観点で明確にし、現れる「型・タイプ」を明確にすることが、「根源的網羅思考」の基本的なアプローチです。いろいろな問題の考察において、各個人(や社会)の世界観・価値観が無意識のうちにバックにあり、それが潜在意識・態度・感情などとして、論理的な考察に(知らず知らず)大きな影響を与えています。そこで、世界観や価値観までを反省できる思考のしかたを考察しています。
(第二部) 矛盾(2018年3月)
(2018. 8.30; 10.10)
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高原さんは「矛盾」を非常に広い意味で使います。「矛盾」は「項1−関係−項2」というモデルで表され、「項」は上記の「オブジェクト」(とその複合体)です。「関係」には、項1から項2への「変化・変更」を表す場合、項1と項2の「作用・相互作用・対立・両立」などを表す場合があります。普通の言い方では、「項1と項2が対立しているから矛盾がある」といいますが、ここでは、「項1と項2が(一見困難そうだが)両立することが求められている」としてそれを「両立」あるいは「両立矛盾」と呼んでいます。多くの問題・困難は、一度両立させる解が得られても、根本の問題が残っており、両立させる解を永続的に求め続けていく必要があることが分かってきました。そのような問題を特に「一体型矛盾」と呼びます。これら種々の「矛盾」の「型」を考え、その扱い方を理論的に考察しているのです。
(第三部) 対象化(自由)と一体化(謙虚さ、愛)を生んだ世界観と価値
(2018. 8.30)
人の生き方、世界のあり方について、「一体型矛盾」の観点から考察しています。それは、「対象化」(=分析、客観視、個別化、自由、批判など)と「一体化」(=総合、主観取り込み、統合、愛、謙虚さなど)という二つの、いろいろ対立的ではあるが両方とも必要な(「両立」するべき)観点で繰り返し考察し、問題解決・課題達成に進んで行くやり方です。技術分野でも、個々の問題の解決から、その商品や技術全体を見渡して総合的に発展させていく必要があります。人間のあり方の問題、社会の問題、人類の将来に関わる問題には、もっともっと総合的な考察と実行が必要です。「一体型矛盾」のアプローチは、そのために不断の努力が必要であることを、(理論的に基礎づけて)教えてくれています。
(第四部) 人工知能、宇宙論理学、人類の統一理論、ポスト資本主義の準備
(2018. 8.30; 10.10)
著者の考察の展開として将来重要になるだろうテーマ4件を取り上げて論じています。(1) 人が考え、実施していることで、そのやり方を明示・定式化できたことはどんどん人工知能に置き換えられていく、しかし、無意識・潜在意識下で判断・実行している領域は多い、と論じています。(2) 将来、知性を持つ宇宙人と遭遇したとき、彼らはどんな論理の方法を持っているだろうか?人類の論理の方法は、何が地球固有だろうか?まったく思い切った考察です。(3)「人類(文化)の統一理論」というのは、著者の理論的な試み全体のテーマでもあると思います。中川の「「自由」vs「愛」が人類文化の主要矛盾である」という考えも取り上げて論じてくださっています。(4)「ポスト資本主義」というのも、非常に大きな、人類文化の根本での変革を要するようなテーマですから、「その準備」としての考察をしています。
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TRIZ 論文: TRIZはR&D実践におけるパラダイム変化にいかに貢献できるか? (Denis Cavallucci (仏); 和訳:高原利生、古謝秀明、中川 徹)
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(2018.12.12)
日本TRIZシンポジウム2012の基調講演の論文とスライドの一式です。フランスのINSA Strasbourg は、TRIZを主テーマとして正規の修士&博士コースを持つ、世界で数少ない大学です。(古典的)TRIZから出発して、(Nikolai Khomenkoを招いて)OTSMを取り入れ、それから独自に(産業界での大規模実問題を扱えるように)発明的設計方法論(IDM)を構築していっています。TRIZに5つの「限界」がある、と言います。すなわち、(a) 輻輳した現実問題で、問題状況をきちんと調査する方法を与えていない。(b) 輻輳した問題では、多数の矛盾(問題点)があるが、TRIZは直観的に一つを選んでいるようであり、多数を扱う方法や、重要な矛盾に絞り込む方法を示していない。(c) 各矛盾を適切に明らかにする厳密な方法を与えていない。(d) 解決コンセプトを評価し、実施に向けて選択する方法を示していない。(e) TRIZの諸方法や知識体系に一貫性をもたらせる語彙やオントロジー(情報を組織化する構造的フレームワーク)が欠如している。そして、これらの欠陥を克服するのがIDMだと言います。その方法論を体現する独自のソフトウエアSTEPSを構築しています。学ぶことの多い、優れた論文です。
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TRIZ 論文: コンピュータによる創造性(Computational Creativity): 未来の文明への道程 (Valeri Tsourikov; 和訳:中川 徹)
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(2019. 1.10)
著者は1990年代に、Invention Machine社を興して、TRIZの知識ベースと技法を組み込んだソフトウエアTechOptimizer
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を創り上げ、米・欧・日本においてTRIZの爆発的の普及に貢献した人です。人工知能(AI)が著者の本領であり、自然言語の意味解析を開発して、膨大な特許情報・科学技術情報をソフト中に蓄積し活用することを実用化しました。またその頃著者は、「発明を支援するソフト」という概念を創り、プロトタイプに実装してみせました
が、時代が早すぎたようで、2001年にIM社を退社し、その後ずっと表舞台から姿を消しました。 2014年のMATRIZの国際会議での基調講演が、本ページのスライドです。「人工知能が確実に人間の脳を超えていく、それは必然であり、もうすぐはるかに超えるだろう。(よく言われている)実務的・定式化可能な仕事だけでなく、(多くの人がまだずっと残るだろうと言っている)発明のような創造的な仕事でも、人間を越える人工知能の方法が出来てきている。この20年間の研究開発で、私はそのプロトタイプを既に作った」と著者は言います。AIの時代を先取りしてきた著者の衝撃的な講演です。
(5) TRIZ関連適用・推進事例
適用事例
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パナソニック コミュニケーションズにおける TRIZ手法導入情況と商品開発への活用事例: 梱包サイズを半減化した新型電子黒板の開発 (山口和也, 永瀬徳美)
(2003.11.27)
2003年9月の、MRIシステムズ主催第4回日本IMユーザグループミーティングでの発表事例。例示している事例は、電子黒板の構造と梱包サイズに関するもので、従来の商品は1.5m×1m×0.33mで営業用のバンに積めなかった。この梱包体積を半分にし、バンに積めるようにした。この商品開発にTRIZを全面的に使い、製品の機能分析、梱包作業のプロセス分析、技術的矛盾の解決、ARIZの適用などを有効に使っている。この記事には、発表後の活発な質疑の記録があり、PCC社における非常に積極的なTRIZ推進の状況と熱意が分かる。開発プロセス革新グループ長の山口氏が主導し、全社技術者約2500人のうちの500人にTRIZ教育を行い、TRIZが使える人は150人、山口氏の直接の配下の15人には毎日TRIZ指導・実践をやらせている。2001年からTRIZの導入を始め、2002年度には50テーマで実践した。このように全社的にトップダウンでTRIZ推進をしているのは、日本で初めてのケースであるという。
JR 東日本: 将来の新幹線車両トイレ空間の開発 (TRIZ+VE) (井上敬治, 松野政夫, 浜本裕一, 田中修司)
(2004. 1.28)
2003年11月の第36回VE全国大会での、JR東日本 研究開発センターからの発表である。新幹線のトイレを新しく開発するに際して、VE(バリューエンジニアリング)の技法とTRIZ-DEの技法を統合して使った。はじめに女性だけの座談会で女性客の声を明らかに捉えた。ついで、TRIZ-DEで将来ビジョンを作る。短時間で革新的なアイデアを創っている。-- この開発デザインはJR東日本の新幹線の一部の車両ですでに実用されている。
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USIT適用事例: 忘れもの予防・防止システム: USIT 2日間トレーニングセミナーの成果報告 (中川 徹)
(2006. 2. 1)
公募制でのUSIT2日間トレーニングセミナーの実際の事例を詳細に記録して公開したもの。セミナーでつくった模造紙上のポストイットカード記録をデジカメで撮り、それに並行して詳細な説明を書いている。セミナー参加者に記録として送付する報告書のテンプレートを使っている。『TRIZホームページ』に掲載の後、正式の英語論文にして、米国のTRIZCON2006で発表した。テーマそのものは、時間過程を含む問題であることが特徴。
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溶接レス・パイプ構造体を実現するジョイント構造 (横内 稔)
(2006.11.29)
2006年8月〜9月の第2回TRIZシンポジウムで、従業員65名の(株)タカノの若い社長が発表したもの。長野県の小企業で「何か新しい自社製品を開発したい」というフリーディスカッションから、「溶接なしのステンレスパイプ構造体」というアイデアが出た。特許調査と市場調査をして、技術課題を明確にし、この課題に取り組むことにした。TRIZを使って、機能と属性分析を行い、進化のトレンドを参考にして、ジョイント部分の構造のさまざまな案を作り、予備的に評価して「カシメ型ジョイント構造」という案を採用した。さらに検討して、ジョイント構造のヴァリエーションを減らす必要から「サイコロジョイント」という解決案を得、さらに必要部品点数を減らす必要から<あらかじめパイプに6角形の穴をあけてナットを仕込んでおく「タカナット」という案を得た。CAEを使って開発し、十分な強度、容易な組み立て、リサイクル可能などの特性を持った「溶接レスのパイプ構造体」を完成し、半導体製造装置などの市場で公表を得ている。-- 開発プロセスや中間案などが詳細に記述された優れた事例である。
半導体デバイスとその製造時における静電気対策にTRIZを適用する (Teong-San Yeoh、訳:市川旦典、中川 徹)
(2007. 4. 5)
2006年4月のTRIZCON2006で、インテル・マレーシアのTS Yeohが発表したものであり、インテルでのTRIZ推進が初めて公表された。半導体デバイスの製造においては、静電気放電によるデバイスの損傷を避けることが重要である。本発表は、静電気放電を未然に防御するための半導体回路の設計における対策、およびデバイス製造時の対策(空気イオン化装置、搬送用トレイの静電気を散逸させる材料、導電性の袋など)など一般的に適用されているノウハウを整理し、TRIZの40の発明原理で説明・理解している。-- 実地における一つのテーマでの(単純には理論化できない)さまざまなノウハウを整理して、実用に役立てようとする優れたアプローチであると思う (新電元工業の市川さんが進んで和訳・寄稿下さった。感謝)。
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新しい原動機 (ペルナ・モータ) とそのTRIZによる評価 (V. Perna, B.Busov, P. Jirman;訳:齋藤 昌弘 ・中川 徹)
(2007. 8.17)
2006年10月のETRIA TFC2006での、チェコ共和国からの発表で、非常に独創的な新しい「原動機(Motor)」の発明です。 中川の「Personal Report」での紹介、発表スライド(和・英)、発表論文(和英)、および実地実験の写真を本ホームページに掲載しています。発明は、「非線形のネジ(ピッチと径が軸方向に非線形に変化するネジ)を二つ噛み合わせて、(回転に応じて空気の圧縮と膨張を行い)その中間で燃料を連続燃焼させて、軸に回転の動力を生じさせる装置」です。「モータ」というと、「電気で(回転の)機械的動力を得るもの」というのが通常の発想ですが、これは、(内燃機関やガスタービンと同様に)「燃焼による気体の体積膨張によって機械的動力を得る装置」です。内燃機関と異なり、間歇・往復運動でなく、連続の回転運動を作りだします。なお、この「ペルナ・モータ」の開発の前段階として、「ペルナ・プロペラ」(あるいは「ペルナ・スクリュー」)と呼ぶべきものを、既に開発し実証実験をしています。それは、同様構造の非線形ネジを電気の(モータの)力で回転させ、高速の空気流や水流を作り出すものです。モータボートのスクリューとして、実証しました。この「ペルナ・プロペラ」の形態でも非常に広い用途が考えられています。発明をVratislav Pernaが行い、二人のTRIZエキスパートがその意義づけ、方向付けをTRIZの観点から強力にサポートしている論文です。-- 新興の優れた技術をTRIZの観点からサポートするのは大事なことと思います。
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スーパ・イフェクツ (Super Effects): TRIZ(発明問題解決の理論)の相乗効果: 絶縁ワイヤボンディング技術 X-Wire の意義 (G. Ladewig、R. Lyn)
(2007. 9.13)
2007年4月のTRIZCON2007で発表された論文で、カナダのMicrobonds社のRobert Lynの発明を、コンサルタントのGunter LadewigがTRIZの観点から位置づけて報告しているもの。ICチップの入出力をプリント基板の回路に接続するのに、従来用いられてきたワイヤボンディングは(絶縁被覆されていないから)互いに接触しないように平面的に配置していた。チップの微細化に伴い、最近の技術として、エリアアレイフリップチップが導入され、チップの下面にハンダボールをならべ、多層基板で配線をしているが、それは全体として高価な技術である。本論文の発明は、従来の金のボンディングワイヤに薄い絶縁膜を施し、線同士が接触してもよいようにした。従来のワイヤボンディング装置をそのままで使用可能である。これにより、平面上でクロスしてもよいので、自由で高密度の配線が可能となり、エリアアレイフリップチップよりもずっと安価なチップ/基盤回路設計が可能となった。TRIZの進化のトレンドでいうと、「点-->線-->2次元の線/曲線-->3次元の線/曲線-->3次元の複雑な曲線」において、従来の技術が「2次元の線/曲線」の段階を十分に開発しないままで3次元に移行したことを、改めたことになる。-- この論文はボンディングワイヤの絶縁により、半導体デバイスの設計に大きな新しい変革の可能性を見ており、それを「Super Effects」と呼んだ。 -- 注:論文紹介から7年後の現在、この絶縁ワイヤボンディングの技術は必ずしもあまり利用されていないように見える。一旦ある方向に進み始めた産業技術の惰性が非常に大きく、優れた新しい技術であっても「Super Effects」を引き起こすに至らない(すなわち、イノベーションに至らない)例だといえるのかもしれない。(2014. 9.18 中川)
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"TRIZ"の製造系への応用〜プリンター完成工程における慢性不良撲滅の取組み (古賀陽介)
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(2007.12.23)
日本TRIZシンポジウム2007での、パナソニックコミュニケーションズ社からの発表。従来から商品企画や開発設計上の問題解決・課題達成に取り組んでいたTRIZ推進チームが、製造段階の工場における問題解決を依頼され、現場の40人の従業員とともに取り組んだ事例。問題は、カラーレーザプリンタの組み立てにおいて、プリンタの欠陥率が高く、プリントした紙にスポットや筋が現れるものが多かった。TRIZチームは、工場の部門の全員を集め、トラブルの状況を説明した後に、「なぜ欠陥が起こるのか?」について、全員に考えを書かせた。30分で638件のアイデアが出た。TRIZチームがそれを整理し、塵埃が主要な問題であること、またその要因を 4M(作業 (人)(Man)、設備(Machine)、方法 (Method)、材料 (Material)) + 1 (環境(塵埃))で整理した。従業員たちのすべてのアイデアを、これらの要因と関連づけて整理し、多数の対策案を得た。それらを、多数の実施可能な対策として組み上げ、実際に(一斉に)実施した。(清掃時間の複数化、靴の管理、作業帽のしつけ、など様々)。欠陥は大幅に減少したが、まだゼロにはならなかった。TRIZを用いて、さらに解決策を作った(例えば、紫外線を当てて埃を見えやすくする(蛍光を出す)など)。549件の対策を実施し、半年で(埃に関する)トラブルはゼロになった。これは、TQC型の運動とTRIZを結合させた、優れた事例である。
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日立グローバルストレージテクノロジーズにおける開発エンジニアのためのTRIZ推進活動とその実務適用例 (有坂寿洋、津波古和司、鈴木博之)
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(2008. 3. 9)
日本TRIZシンポジウム2007での発表。日立グループでの全社的なTRIZ導入の一環として、この会社(日立GST)では2005年から本格的な導入を始めた。専門とするハードディスクドライブ(HDD)の開発のために、TRIZの矛盾マトリックスの各パラメタとHDDでの諸元(諸性質)との対応づけをした。適用事例を2件説明している。一つは、ディスク上に生じた微小な傷(突起物)を修復する方法で、ディスクを低速回転にして読み取り用スライダーを突起物に「ぶつけて削る」方法。もう一つは、読み取りヘッドの微小振動によるノイズを減らす問題で、新しい発想でアクチュエータに4節リンク構造を導入し、リンク部が動いてもヘッド位置の変位がゼロになる設計とした。ともに固定観念を破る発想を得ている。
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結果(=利益)を出すためのTRIZ導入と実務適用事例 〜QFD→TRIZ→TMによる商品開発プロセスの革新〜 (片桐朝彦、土澤聡明、山内武志)。(紹介: 中川 徹)
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(2009. 4.21)
日本TRIZシンポジウム2008での、(株)コガネイからの発表である。同社は従業員800人の空気圧機器総合メーカー。TRIZに出会った同社は、2005年10月から、QFD、TRIZ、タグチメソッドを一連のものとして導入し、複数のプロジェクトを並行させて、手法の教育とプロジェクトでの実地適用を同期して進めることにした。その3種法の教育と実地適用とを、一人の外部コンサルタントに委ね、一種の運命共同体を作った。これらの教育を受けるチャンスは従業員にできるだけ門戸を広げ、実地適用の段階で積極的な人・プロジェクトが残っていく。第2ステップにあたるTRIZの適用においては、QFDから設計課題にTRIZを適用する7日間コースを6テーマ(計41人)、短期問題解決の3日間コースを4テーマ(計13人)実施し、合同の成果発表会を行った。(==> 続報あり)
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結果(=利益)を出すためのTRIZ導入と実務適用事例(2) 〜QFD→TRIZ→TMの適用で、結果は出たのか?〜 (片桐朝彦、土澤聡明、保坂周一) (紹介: 中川 徹)
(2010. 5. 9)
日本TRIZシンポジウム2009での発表で、前年の続報である。QFD-TRIZ-タグチメソッドの一貫適用プロジェクトのうち最も成功した事例1件を報告している。課題は、同社の主要製品の一つである「高速で開閉させる空気バルブ」において、(世界レベルで)「絶対的な強みを持つもの」を開発することであった。「何を実現すれば絶対的強みであるといえるのか」を、QFDを用いて議論し、明確にした。「大流量で、高速のオン/オフ応答をし、なおかつ消費電力が少なく、耐用年数の長いもの」。それを実現するソレノイド構造とバルブ構造に新しいシステム設計をすることが、TRIZでの課題である。ソレノイドでは、フレームをコの字型からU字型にし、可動子をI型から(短ストローク、無摺動の)平板型にするなどの、大はばな改造を行っている。その後、タグチメソッドと電磁気解析を含むシミュレーションとによって、設計のロバスト化を行った。その結果、応答時間が従来の1/2以下、流量3倍以上、消費電力1/2以下を実現し、画期的な製品として、従来よりもはるかに高度な用途が広く出現した。素晴らしい実地適用事例である。
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オートロックドア方式のマンションで不審者の侵入を防ぐ方法 −身近な社会&技術問題へのTRIZ/USITの適用事例 (中川 徹、藤田 新)
(2007. 9.13)
大阪学院大学情報学部の藤田新君の卒業研究を中川が発展させて記述したもの。マンションの入り口がオートロックのドアになっているけれども、不審者が住人の後について容易に入ることができる(住人がそれを咎めることが難しい)。この問題は、単純な技術の問題でなく、住人の心理の問題、社会ルールの問題のようにも見える。この問題の原因-結果の関係を図示することにより、根本原因は「二つの異なるグループ(個人でもよい)がほぼ同時に入って来た場合の、ドアの前での認証のルールが確立できていないことにある」と理解した。この理解に基づき、(簡潔な、だれでも守れる)ルールを作り、それを保証する技術を提案した。日本TRIZシンポジウムで発表した。人の心理と社会ルールの問題を扱った(簡単だが)貴重な事例。
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折り畳み傘へのUSITの適用([MPUF USIT/TRIZ研究会] 中村公一、山田悦男、瀧本稔、枷場博文、中山憲卓、牧野泰丈、三原祐治)。(紹介: 中川 徹)
(2009. 5. 7)
多企業の技術者たちが自由意思で集まっている研究会のワーキンググループでの成果である。折り畳み傘を、手を濡らさずに簡単に畳める方式を作れないだろうか?USITでのいろいろな考察法を使って考えている。その図表現が魅力の発表である。
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世界初自動両面印刷機開発でのTRIZとUSIT活用 (菅野 比呂志) (紹介: 中川 徹)
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(2009.12.30)
東北リコー(株)での両面印刷機「Satelio DUO 8」の開発におけるTRIZ/USITの活用を、開発者自身が日本TRIZシンポジウム2008で発表したものである。安価な孔版(ガリ版)印刷機では、印刷したインクが紙に吸い取られて乾くようにし、特別な定着工程を持たない、このため、両面印刷を高速で行うと紙面が汚れてうまくいかなかった。高速の自動両面印刷機の夢を持っていた著者は、TRIZの「最少問題」という概念を知ったときに、非常に明確な指針を得た。すなわち、A3版の印刷機を最小限の変更で使い、A4サイズの原稿のおもて面と裏面を半サイクルずらせてA3原稿のように扱う。おもて面を印刷して、紙を「燕返し」のように裏向けて、続けて裏面を印刷する。このとき、「ローラが印字面に触るが、紙面が汚れない」工夫が必要である。これをUSITのParticles法を使って、「ガラスビーズローラ」(マクロには平坦だが、ミクロには凹凸があり、点在する大きい(微小)ビーズで紙を支え、その汚れは小さいので気がつかない)の案を得た。高性能の両面印刷機ができた。また、この後3年間で22件のUSIT適用事例を作ったという。
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振動騒音問題解決の定石へのTRIZ応用試行 - 動力学理論とTRIZ原理の関連付け (石濱正男) (紹介: 中川 徹)
(2009.12.30)
2008年9月の第4回TRIZシンポジウムにおいて、神奈川工科大学の石濱教授が発表した論文である。著者は、(特に自動車の)振動騒音問題の解決方法を模索していて、通常の振動解析の教科書には(解析法だけで)問題解決の記述がなく、機械工学系のハンドブックには(個別製品の技術紹介だけで)一般的な解決法の記述がないという。そこで、TRIZの考え方を応用して、振動制御の定石をTRIZの発明原理で整理することを試みた。それには、振動騒音現象をまず(加振源、伝達系、放射系、完成評価などで)モデル化し、伝達関数による一般化振動騒音問題の記述を踏まえて考える。そして、振動騒音問題に特有の枠組みで「症状]によって問題を分類した。その結果、振動問題/騒音問題、周期性有り/なし、連続的/間欠的現象、周波数一定/不定、などで12の一般的問題の表現を得た。これらに対する、既知のいろいろな解決策を整理して一般的な表現で表し、(1)質量、減衰などのパラメータ設計、(2)自由度の増加、(3)モード形変更、・・(12) 心理音響、などの一般解決策を得た。これらの一般解決策の応用例を示し、応用の指針を記述しているところである。
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地域統合的エネルギー計画とシステム・モデルのフレームワーク作成方法論としてのOTSM-TRIZと クラシカルTRIZの可能性 (Atom Mirakyan, Nikolai Khomenko, Laurent Lelait, Igor Kaikov; 訳: 海野誠) (紹介: 中川 徹)
(2010. 6. 9)
2009年9月の第5回日本TRIZシンポジウムでのドイツからの発表である。地域の統合的エネルギー計画という社会と技術と政治が関わる大きな問題に対して、TRIZ(とその発展)をベースにして、システムとして問題を整理し矛盾を見つけて解決していこうというアプローチ。OTSM-TRIZを最も本格的に適用した事例である。大きなスケールの問題解決の技法と事例として重要。
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実時間における写実的な 3次元顔表情のクローニング (Jung-Bae Kimら、訳: 池田 理)(紹介: 中川 徹)
(2011. 9.19)
2010年9月の第6回日本TRIZシンポジウムでの、韓国サムスン電気からの発表です。著者たちは、ユーザの顔の表情を、実時間処理で、バーチャル世界のアバターの表情としていきいきと投影する、簡便で精密 なソフトウェアを開発しています。その方法は、従来のモーションキャプチャ法とビジョンベースの方法との「良いところ取り」をすることであり、人による違 いはあるが同一人では時間不変のパラメータと同一人でも時間的に多様に変化するパラメータとを適切に分離測定しているものです。ソフトウエア開発にTRIZを有効に用いた事例であり、優れた技術開発事例です。
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TRIZを用いた可変圧縮比エンジンの開発コンセプト (Hong-Wook Leeら、訳: 望月朗、中川 徹)(紹介: 中川 徹)
(2011. 9.19)
2010年9月の第6回日本TRIZシンポジウムでの、韓国Hyundai-Kia Motorのからの発表です。著者らは可変圧縮率(VCR)エンジンの有利性を学んでそれを使いたいと思ったが、既存の方法はもちろん特許の壁で使えない。そこで、トリミング法を使って特許を回避する案を作り、さらに「毒消し」でそのアイデアを強化し、予測される二次的問題をARIZで解決し、また、機能探索を使って解決策をさらに拡張したコンセプトにまでした。TRIZ思考により、解決策コンセプトをさらに深く深く考えて改良した、優れた事例報告である。
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TRIZを適用した『新商品・サービス』システム創出のスキーム 〜「ヒット商品・サービス」をTRIZで解析し、 「新商品・サービス」システムの創出方法を探る〜 (吉澤郁雄、伊沢久隆、菊池史子、森谷康雄、池田理)
(2013.12.23)
2013年9月の第9回日本TRIZシンポジウムでの、日本TRIZ協会ビジネス・経営TRIZ研究分科会からの4年間の活動成果の発表です。ビジネス・経営の分野で、宅配便ビジネスの発展を具体事例として扱い、矛盾を同定して解決するやり方、いろい ろな側面での進化の段階を判断して近い将来でのつぎの発展段階を予測する方法、などを例示・考察しています。非技術の分野でのTRIZの利用法として、よ く学習するとよい事例分析・考察です。スライド50枚にびっしり書かれています。
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開発事例: TRIZ&TM&シミュレーションによるコマの開発 〜全日本製造業コマ大戦への挑戦〜 (片桐朝彦)
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(2015. 3. 7)
コマ大戦というのは、2012年に始められたもので、「直径20mm以下の手回しコマで、重さ、長さ、形、材質など制限なし。1対1の勝負で、より長く土俵上で回っている方が勝ち、2連勝で試合終了」というルールです。著者らは、回すとパカッと3つに開いて回転する「ネコパンチ」と名付けたコマを開発し、第2回全国大会で準優勝したといいます。開発にはまずTRIZを使って、問題を明確化し、問題の矛盾を列挙して、それらを解決するアイデアを出しています。ついで、タグチメソッドで最適なパラメータを求め、さらにシミュレーションで検証しました。楽しく、また素晴らしい開発事例です
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CrePS/USIT体系資料: USIT適用事例集 (「6箱方式」による創造的な問題解決の一貫プロセス)(中川 徹)
(2015. 5.25)
今まで発表してきましたいろいろな適用事例を集めて、「USIT適用事例集」を作りました。一つ一つの事例を「USITマニュアル」
に対応したプロセスで改めて記述し、全体として多様な応用を持った一貫プロセスとしてUSITを理解できるようにしました。なお、さまざまな問題解決技法も、「6箱方式」による枠組み(の一部)で捉えることができますので、USIT以外の方法で作られた事例をも、ここでは「USIT適用事例」として記述しなおしております。ご了承ください。このページは適用事例集の索引ページとし、各適用事例は簡単な一覧表示にしています。
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USIT適用事例集 (中川 徹)
(2015. 5.25)、
(2015. 6.26)
いろいろな適用事例を集めて、「USIT適用事例集」を作りました。一つ一つの事例を「USITマニュアル」
に対応したプロセスで改めて記述し、全体として多様な応用を持った一貫プロセスとしてUSITを理解できるようにしました。事例ごとに独立のHTMLページを作り、スライド4枚(タイトルと出典、概要と意義、目次、「6箱方式」によるまとめ)およびスライド全体のPDFファイルを掲載しました。
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科学のためのTRIZ: 科学機器の進化および科学への応用における発明の方法論 (Andrei A. Seryi (英国))
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(2017.10.17)
オックスフォード大学の John Adams 加速器研究センター所長の Seryi 教授の基調講演のスライドです。高エネルギー物理学のための最先端の科学装置の詳細な図を多く載せており、その背景にある物理学を理解するのは容易でありませんが、著者は議論すべき本質的な点をはっきりとまた(科学一般に関心を持つ人たちに分かるように)平易に示しています。 例えば、将来を予測するには注意が必要、方法論が必要!、さまざまな研究の方向を評価するには、根本的な科学知識の探求目的だけでなく、その有用性についても、コストについても考慮するべきだ、などです。
TRIZの使い方についての著者の洞察もまた大変深いものです。40の発明原理についての説明で、発明原理35「パラメータの変更」について、体積Vや表面積Sなどの単純なパラメータを使う代わりに、その比V/Sを使うとずっと多くの示唆を与えてくれることを示しています。高エネルギー粒子の検出器である、霧箱(Cloud chamber) と泡箱(Bubble chamber)は、TRIZの概念の 「システムと反システム」の例であると説明しています(この概念を使ったら、霧箱の発明から泡箱の発明に40年は必要なかっただろうというのです)。 「スーパーシステムへの移行」というのもまた、大事なTRIZの概念です。新しい方法やツールは、多数の構成要素を組み込んで一つのシステムとして実現されます。そしてそれが有用になるのは、社会的、ビジネス的、技術的などの目的のより大きなシステム(上位システム、すなわちスーパーシステム)の一部として働くときだけです。
「TRIZは科学にとって有用になり得る。インスピレーションを与えるものとして、非常に効果的な諸技法のツールボックスとして、異なる学問分野を結びつける方法として、そして世界を見る新しい見方として。」 −−これがSeryi 教授の結論です。
推進事例
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富士ゼロックスにおけるTRIZ推進活動と代表的適用事例4編 (粕谷 茂, 伊本 善弥)
(2002. 3.28)
2001年9月に三菱総合研究所知識創造事業グループが主催した第2回日本IMユーザグループミーティングで発表されたもの。TRIZの導入の初期において、社内にTRIZ研究グループを作り、従来からの懸案になっていた問題にTRIZを適用して、TRIZの有効性を実証していったもの。適用事例の4件は: A. 稀ガス蛍光ランプの黒化対策にTRIZ手法を応用した事例、B. 光-電気変換用フレキシブル基板の実装トラブル解決事例、 C. 複写機部品のコストダウン事例、 D. 人材開発テーマの施策創出事例。それぞれに問題解決プロセスを具体的に記述しており、参考になる。
日産自動車: TRIZ展開の現状 (平出高久・望月 朗)
(2003.11.27)
2003年 9月の三菱総研主催の第4回日本IMユーザグループ ミーティングでの発表です。同社では、1996年度にTechOptimizerの英語版を導入して一旦沈滞した後, 2000年度から本格的な導入を開始しています。知的財産部の中にパイオニアの核ができ, 三菱総研知識創造研究会への参加, 社内勉強会の組織, セミナーの開催・参加などを通じて, 知的財産部の中でのキーマンを徐々に確実に増やしてきています (2003年度16名)。知的財産部がリードして, 研究所をはじめとした技術開発・生産部門での問題解決や特許相談に活用し, 徐々に全社に浸透しつつあると言います。三菱総研のTOPEソフトツール, 産業能率大のIWBツール, そして中川のUSIT法を並行して導入した経験を持っていることが注目されます(日本の多くの企業が同様であったろうと思われます)。
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TRIZ 実践とは 〜パナソニックコミュニケーションズの活動から (永瀬徳美)
(2005. 2. 7)
2004年9月のMRIシステムズ主催知識創造シンポジウムでの発表である。スライド9枚の中に、TRIZの実践活動の智慧と情熱が伝わってくる。「TRIZを用いてNo.1の商品を戦略的に開発する。複数人のTRIZ選任者でTRIZ論議をしつつ実践する。全社発表会でTRIZの成果を見せる(成果にこだわる)。あらゆる課題に取り組み、自分の実践事例を手に入れる。TRIZの能力を磨き、他手法と連携・統合する。TRIZ普及に対する熱意、リーダシップが求められる。
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実践報告: USIT 2日間実践トレーニングセミナーのやり方(やさしいTRIZの普及のために) (中川 徹)
(2005. 7.20)
中川が行ってきた公募制/企業内のUSITトレーニングセミナーのやり方について、具体的に・詳細に記述している。公募制の場合の権利・義務の関係、問題を設定するときの注意、グループの編成、2日間のプログラム(当初は3日間であったが2日に短縮した)、問題解決の進め方、演習の実際のやり方、企業内の普及のさせ方、など。
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創造能力への回帰 −TRIZの効用を実績で実証した (KJ. Uhrner; 訳 中川 徹)
(2006. 4. 4)
2005年11月の ETRIA TFC2005での、ユニークで重要な発表です。著者が働いているドイツのKACO社は、従業員訳800人、ブラジルのSabo-グループに属し、自動車産業向けを主としたシールの先進メーカです。著者は、同社の30年間の発明 (特許など) 全164件の歴史を、アルトシュラーの「発明のレベル」の判断基準を用いて詳細に分析した。彼は1996年にTRIZを独自に学んで実践を始め、2000 年から他の4人がTRIZ実践に加わった。導入前は、全社で年平均 3件の発明。このうち、彼自身を含め3名が新人時代にレベル4以上の発明をして、それが同社の事業 (自動車用のガスケットとシール) を世界レベルにした。ただ、その後はレベル3以下の発明が継続しただけだった。TRIZ導入以後、発明は年平均9件 (3倍) になり、それらはほとんどすべてレベル3以上で、レベル4以上の発明も続々出てきている。レベル3以上のものはTRIZで矛盾を克服した解決策である。彼自身を含めて、発明の創造力がTRIZの導入により格段に向上したことを、データで実証できた。-- このようにTRIZの効用がデータで明確に実証され、公表されたのは素晴らしいことです。ぜひこの論文を読んでみてください。
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経営にTRIZを如何に活用するべきか? (山口和也) 和文スライド
、(2006.10. 2)
2006年8月31日〜9月2日の日本TRIZ協議会主催第2回TRIZシンポジウムでの特別講演です。パナソニック コミュニケーションズ社の経営品質推進本部副本部長の山口氏が同社での適用・推進の経験を基盤に話しています。企業の日常活動の使命は、(松下の綱領であり、日本経営品質賞(JQA)の言葉でいうと)「顧客の幸せを実現する為の 課題解決活動」です。そして、商品づくりの基本ステップは、つぎのものの繰り返しだといいます。(1) 顧客の声を的確に掴み商品コンセプトを創る、 (2) 技術的課題が何かを明確にし、 (3) 顧客の期待を超える技術的目標を定める、 (4) 技術的目標を解決する為に 技術に裏付けされた基本構想を考える、 (5) 重要技術課題を解決する、 (6) 基本構想を商品一品毎のバラツキが無いように 開発・設計に落とし込む、 (7) 市場でもバラツキが無いように開発・設計する、 (8) 工場でバラツキが無いように生産する 、(9) 販売し顧客の期待に応える。 このうちの (2)〜(8)が技術者の仕事の範囲であり、科学的技法として、(1)-(3)をQFD、(4)-(5)をTRIZ、(6)-(8)を品質工学が支える。「TRIZに自信と誇りを持とう!」と著者は呼びかけている。
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講演スライド: ハイテク企業におけるTRIZの推進と適用〜韓国サムソン電子を指導したTRIZエキスパートが語る〜 (Valery Krasnoslobodtsev,訳:中川 徹)
(2006.11. 1)
2006年 8月に(株)アイデア主催の 「TRIZ特別公開講演」の記録です。著者はロシア・サンクトペテルブルグの出身で、ロボットなど制御工学の専門家。大学助教授、企業技術者、TRIZ専門家/コンサルタントなど、豊富な経験をも つ。特に、2001〜2004年にサムソン電子でTRIZの導入・適用・普及を指導し、顕著な実績を挙げた (2004年より米国TIC (Technical Innovation Center) 社でTRIZコンサルタントとして活躍中です)。サムソンとの守秘義務契約が切れて、サムソンにおけるTRIZ推進のやり方を初めて詳細に発表したもの。講演会は2部構成で、第1部が「マネジメントのために」、第2部が「エンジニアのために」。TRIZをロボット関連の実地プロジェクトに適用して、3〜4ヶ月の間にプロトタイプにまで仕上げて、その実績を示すことがTRIZ普及のための最大の鍵であったといいます。そして、実践的でかつ非常にしっかりした構想をもってサムソン電子でのTRIZの推進・普及を指導し、すばらしい実績を挙げたことが分かります。-- サムソンで仕事をしたロシア(圏)出身のTRIZ専門家は多数(十数名(?)) いますが、本件著者(通称 Kraev氏)が推進・普及に関して最もしっかりした報告をしています。(適用技術面では、他にNikolai Schpakovski 氏も)大いに学ぶべき資料です。
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松下電器 本社R&D部門におけるTRIZ活動 −システム・方式・ソフトウェア技術への適用− (福嶋洋次郎)。(紹介: 中川 徹)
(2009. 3. 8)
2008年9月の日本TRIZ協会主催第4回TRIZシンポジウムでの特別講演で発表されたものです。著者らは2003年にTRIZ1日研修および実地業務プロジェクトにおける少人数チームでのTRIZ適用を開始し、5年間で150件のTRIZ適用プロジェクトを持った。その分野は、ソフトウエア、方式、システム、デバイスなどであり、目的は機能開発、性能向上、高速化、省電力、小型化、コストダウンなどであった。適用プロジェクトは、社内TRIZエキスパートの支援のもとに、プロジェクトの企画と問題定義をして、マネジャの中間レビューを受け、問題分析と解決策作成の後でマネジャのレビューを受ける。これにより、TRIZの活動が常にマネジャたちの評価・承認を受けて進められた。また、実地適用に際して、TRIZ手法に拘泥せず他の手法をも取り込み、TRIZ手法のソフト分野への拡張をつねに意識している。Umakant Mishraの本の和訳原稿の最初の熱心な読者でもあった。-- ITやソフト分野における実践事例として貴重である。
通信機器開発における実践的創造技法の活用(庄司隆浩、古賀陽介) (紹介: 中川 徹)
(2010. 5.30)
2009年9月の第5回日本TRIZシンポジウムでの発表です。パナソニックコミュニケーションズ社は、2001年にTRIZを導入して以来、QFD-TRIZ-田口メソッド (および CAD/CAE) という科学的手法を本格的に取り入れて、全社レベルで実践してきており、恐らく、日本で最もTRIZが普及している企業です。 しかしそれでも、開発プロジェクトの技術者たちには、TRIZを中心とした科学的手法をそのままの形で実践していく時間がない、というので敬遠されがちで す。そこで、必要に応じて適用の規模を調整できる(「スケーラブル」) ようにし、もっと「見える化」し、簡単化して、分かりやすく適用することが必要である、と認識して、筆者たちは新しいやり方を作りました。それは、もはや、TRIZが表てに顔をだして いません。TRIZはバックにあってしっかりと全体を支えています。企業技術者が、TRIZを「本当に消化して」実践していくようにした、一つの形態がこ こにできてきています。-- 重要な発展であると思います。
TRIZ普及リーダをサポートする会議ツールの開発 〜 9windows(新製品アイデア会議用)ボード 〜 (石井力重) (紹介: 中川 徹)
(2010. 9.30)
2009年9月の第5回日本TRIZシンポジウムでの発表です。著者は、仙台市で「宮城TRIZ研究会」という有志のグループで活動し、TRIZをベースとした創造的な技術開発、製品開発の方法を地元の諸企業、とくに中小企業にまで普及させることを目指しています。そのための使いやすい技法を開発し、それを支える簡便なツールを開発しようとしています。公募での研修を行い、毎回簡単な技法を説明・演習する。ただ、そのようにしてTRIZを習得した人たちが、自分の会社などで新製品開発のミーティングなどにTRIZ技法を試みようとするとやはり難しい。そこで、そのような場でよりやさしく使えるように、技法をサポートするツールをいろいろ作った。最も要望が大きかったのが、新製品開発のアイデア会議で使う9画面法のツールであったという。そのツールは「9画面法の白地図」のような簡便で楽しいものになった。柔軟な発想が楽しい技法開発です。
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講演スライド: 教育とTRIZ:新しい展望のために (中川 徹) (日本TRIZシンポ2010)
(2010.12.30)
2010年9月の第6回日本TRIZシンポジウムでのテーマ講演です。日本でのTRIZは、まず技術者への普及を進めてきたが、今後、大学やそれ以下の教育分野への普及を強化していくことが必要・有効であろう。TRIZ協会内に「教育とTRIZ」研究分科会を発足させたのを機に、いろいろな事例を紹介しつつ、今後の方向を考えている。(1)大学および大学院レベルでは、TRIZの知識や技法を教えるだけでなく、創造的な問題解決、技術や製品開発の全体プロセス、複雑大規模な問題を考察する力などを養うことが必要である。また、それぞれの専攻分野での教育と組み合わせて実力を養成する必要がある。TRIZ自身の研究推進も望まれる。(2)中等・初等教育などでは、TRIZの創造的な考え方を取り入れることが主眼であり、生徒たちの興味や成熟度に合わせて、教える内容と教え方を調整す る必要がある。興味を持たせることが特に大事であり、そのための題材やテーマの選び方に関しても工夫を要する。ロシアなどで小学生向けのクラス が開発、試行されているので、参考にしていきたい。教育とTRIZに関しては、TRIZ以外で経験を持つ人たちと連携を取り、学んでいくべきことが多い。
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マネジャの為のTRIZ〜科学的手法を活用したアプローチとマネジメント〜 (山口和也) (英訳: 小西慶久; 紹介: 中川 徹)
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(2010.12.30)
日本TRIZシンポジウム2010でのテーマ講演である。パナソニックコミュニケーション社で、科学的手法によるプロセス革新を主導した山口氏(定年退職後、MOST合同会社を興す)の力強い講演。その標語は、「科学的手法(QFD,TRIZ,品質工学他) とは儲ける道具であり! 経営そのものであり! マネジメントそのものである!」。著者は、実務者、マネジャ及び会社上層幹部迄を含んだ人々が、企業の組織的活動に欠くべからずものとしてTRIZを認知し、TRIZを使っていく環境を企業の中に作る必要があると説く。そして、これらの手法の思想や要点を順次述べて、手法間の連携を説明している (残念ながらこの短い文では紹介しきれない)。マネジャのためのTRIZ、ぶじねすのためのTRIZとして、力強く、深い洞察を持つ公園である。
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TRIZをマインド分野に応用した実践的アプローチ 〜TRIZマインド研修の確立に向けて〜(山畳秀人、花岡幸枝)
(2011. 9.25)
人間関係、心理関係の分野に、TRIZを導入して、研修に使っている活動の報告。自分の心の中の矛盾を理解し、それをTRIZの40の発明原理を参考にしながら解決していく。マインドカウンセリングや自己啓発に持ちいようとしている。非技術分野でのユニークで優れた実践である。
産業系新聞記事のリバースTRIZによる社内活動高揚の取り組み 〜多様な技術分野の研究開発者に対して具体的にTRIZを解説〜(伊沢久隆、永瀬徳美、国友秀世)
(2011. 9.25)
2010年9月の第6回日本TRIZシンポジウムでのソニー(株)からの発表です。社内でのTRIZの推進のために、産業系の新聞の、技術やビジネスに関する最新記事を活用するとよいことを、著者たちは見つけた。それらは話題性に富んでいて、入りいろな専門分野の技術者にも共通して興味をもってもらい、理解してもらうことができる。著者らはそのような記事 をTRIZの観点からレビュー、分析し、その結果を定期的に社内ホームページや研修セミナーで紹介・配付した。これにより、TRIZ推進を活性化することができたという。-- 具体例があるとよいが、まだ公表されていない。-- これと同様のことを一般の新聞のコラムを使って毎週実施したのが、イランのMahmoud Karimiたちの活動である。一人でするのは大きな負担であるが、数人のグループが緊密に議論・協力しながらやれば、きっとできるだろうと思う。(2014.9.19 中川)
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創造的な問題解決の方法論TRIZ/USIT: 研究・教育・普及活動のまとめ (中川 徹)
(2012. 3.13)
(2012. 3.23)
私が大阪学院大学の情報学部を定年退職するときに、14年間の活動(大学での研究と教育、および大学外での研究と普及の活動)をまとめて、『大阪学院大学 人文自然論叢』に掲載した報告・論文。「創造的な問題解決の方法論」というのが一貫したテーマであり、研究と教育と社会普及の活動を一体として行うことができたのは、実に幸せなことであり、大学はじめ沢山の人たちに感謝しています。
若い人たちに TRIZを広めるにはどうすればよいのか?(中川 徹)
(2012.12. 5)
2012年9月の第8回日本TRIZシンポジウムでのテーマ講演セッションの導入部です。日本TRIZ協会では、TRIZをもっともっと若い人たちに伝え、普及させることが重要と考えて います。そのためにはいろいろなアプローチがあります。(a) 時代の雰囲気に挑戦する、(b) 若い人の素養に適した提示をする、(c) TRIZを分かりやすくする、(d) 「知識」よりも「演習」させる、(e) 対象分野を広げる、などです。この導入部では、これらのアプローチの意義を簡単にまとめています。
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グローバル企業でTRIZを確立する (Pauline Marsh、 Karen Gadd)
(2013. 5.29; 8. 4)
2012年10月のETRIA TFC 2012 での発表論文です。英国の防衛産業の大企業 BAE Systems 社での14年間にわたるTRIZの普及活動を、初めて、そして詳細に公表したものです。驚くことには、TRIZの普及が1998年からきわめてスムーズに、広範で安定して継続発展していたということです。BAE Systems の側は、適切な技法と適切な講師(コンサルタント)を選び、確立ずみの研修体制の中に取り入れて、全社的に必要とする人がだれでも研修を受けられるようにしています。特に、初期にきちんとしたワークショップを自ら参加して行い、要所要所でその技法と研修の実際の成果をチェックしています。一方コンサルタントのOxford Creativityは、実践的な問題解決のワークショップを行っており、5日間コースであるが、1日コース×5として取っても良いように設計しています。問題についての当初のアイデアをブレインストーミングで出して、それらの良い点、悪い点をみんなで議論してから、「BAD Solution」と呼んで横において、TRIZでのずっと良い解決策を求めようとします。ワークショップのセッションは、楽しく熱狂的だといいます。 TRIZの個々の技法は単純で直截的だ、それは考えることを刺激するものだ、と繰り返し述べています。技術部門のマネジャたちを説得するために努力し、初期 に困難な問題解決にチャレンジすることが最も有効だといいます。--ウィットに富んだ挿絵があり、実績に基づいた本稿は、実に示唆に富んでいます。
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今、改めて『使えないTRIZはない』 〜ソリューションの中核手法として〜(笠井 肇)
(2013.12. 9)
日本TRIZシンポジウム2013で、(株)アイデアから発表されたもの。著者自身がコンサルタントとして担当したTRIZ関連プロジェクトがこの10年間で119件になると言い、それらを分析して提案している。プロジェクトの目的(課題のタイプ)をつぎの6種に分け、それぞれに適用するとよいプロセス(適切な方法や知識ベースの選択)を記述している。すなわち、(件数が多かった順に)問題解決、性能向上、新方式の発掘、コストダウン、小型・軽量化、商品企画である。問題・課題の定義と分析からアイデアだしまでの段階がこれらのタイプによって異なるという。実践に基づき、いくつもの優れた成果を挙げた実績を持つ提案であり、貴重。
「TRIZ-リーン」でなく、「リーン-TRIZ」を (C.M. Thurnes, F. Zeihsel)
(2014. 5.31)
2013年10月のETRIA TFC 2013 での発表論文です。リーン(”Lean"、リーン工学)とは、トヨタ生産・経営方式のことで、(日本でも)世界でも注目され普及してきています。リーンとTRIZとは同様な目的を持っているのに、リーンの人たちはTRIZを(たとえ知っていても)使おうとしない。どうすればよいのか?著者らは最初、、「TRIZの諸原理 (発明原理や理想性など) を、リーンの諸概念や諸事例を使って具体化して説明する」という、「TRIZ-リーン」のアプローチを提案・実践した。しかし、リーン実践者たちはその意義を認めず、「TRIZなしで、リーンで十分」と判断した。著者らはついで、「リーンの体制の中で、 リーンの盲点・弱点をTRIZで補強する」という、「リーン-TRIZ」のアプローチを見出し、実験した。具体的には、「リーンで「必要な無駄」として解 決が後回しにされている問題を、TRIZの「矛盾」として捉え、TRIZで矛盾を解決する」、「リーンでの製品開発プロセス中に、TRIZのいくつかの方法を適用する」ことであった。これらは、リーンでの「イベント」などの際に、TRIZセッション/ワークショップとして行うと効果的である。このアプロー チはリーン実践者たちにもその有効性が評価されたという。TRIZとリーンの両方の専門家たちの議論と実践から得られた成果です。
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TRIZ 論文: ユビキタスのためのTRIZ マーケティング - いつでも、どこでも、誰でも、TRIZ を利用できるように -(粕谷茂)
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(2015. 2.10)
TRIZユーザの顕在的/潜在的なニーズに応えるための、さまざまな試行・技法・ツールなど10事例を発表しています。40の発明原理のスマホ版(1画面/原理)、IT/ソフト分野のための40の発明原理(スマホ版)、他の諸技法をTRIZの技法と関連づけ/意味づけて捉える(オズボーンのチェックリスト、NM法、ホンダのワイガヤ、目的展開、QCストーリなど)などです。TRIZは高価なものではない、いつでも、どこでも、だれでも使えるようにと、発表者が努力しています。スライド(画像)とその説明が並行した分かりやすい記事になっています。
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社会変革の一般的構造 (安平哲太郎)
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(2015. 2.10)
TRIZの本質は「矛盾を解決することによって理想性に向かうように変革する」指向です。TRIZは技術分野からスタートし、ソフト分野、人間関係やビジネス・社会の分野にも展開してきています。2010年に発表されたこの論文は、歴史的な「社会変革」を「社会の矛盾を解決する/した過程」として捉え、その過程を非常に一般的・概念的に明確にしようとしています。論文末尾の図に、全体過程の一般化した表現と、明治維新の過程を例示しており、明快で多くの示唆に富みます。(注:著者自身はTRIZに関与していませんが、大事な論文と思い、掲載しました。)
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実践の場でどのように初心者をTRIZへ導くか(久永 滋)
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(2015. 3.27)
デンソーでは、10年前からTRIZを導入し、「実践主義」でいままでに250件のテーマに適用してきました。ほとんどが初心者のチームをTRIZ推進者がリードするに当たって、初心者のニーズと指向にマッチしたアプローチとツールを採用しないと、うまくいかないことが多いことを経験しました。そこで、従来事例250件を整理して、初心者の3つのニーズ(多くのアイデアがほしい、決定打を出したい、根本から見直したい) と、2つの指向(制約の外へ、制約の中で)を分類しました。各カテゴリで、しばしば使う TRIZの方法でうまくいったものと、うまくいかなかったものを、初心者の指向から考察・整理し、これらの3×2の場合での推奨する方法をまとめていいます。-- 深い考察を持った発表です。著者は最後に、「TRIZ実践の成功は、技術的成果だけでなく技術者の満足度も深く関係する。それには、コンサルティングよりコーチングが効果的」と言っています。
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TRIZ適用拡大のための一法 〜TRIZが使いにくい商品への適用のために〜(井坂義治)
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(2015. 3.27)
基本的な要求が変わらないので、同じ商品がずっと何十年も提供されている分野があります。農林業などの作業機械のための、「汎用エンジン」がその好例です。では、そこにはTRIZを適用する余地がないのでしょうか? 著者は、ターゲットユーザ (この例では、作業機メーカのエンジン選定責任者)を納得させられる「売り文句」を見出すことを薦めます。そのために、いろいろな発想法を使って、「売り文句」になる機能・特徴を考え、その後で、それを実現する方法をTRIZを使って創り出すのです。これをTRIZの問題解決の「テーマ決定」段階と位置付けています。 -- 分かりやすい、優れた発表です。
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TRIZフォーラム: 読者の声: 「札寄せ」しながら考える(1) 〜新幹線焼身自殺 [放火] 事件を例に (片平彰裕、中川 徹; 長谷川陽一、日野克重、高山直彦)
(2015. 7. 7; 7. 8; 7.19)
片平彰裕さんの図で考えるツール「札寄せ用具」
は便利なものです。いろいろな図を作って、例示するとよいと思ってきました。このたび、片平さんが「札寄せ用具」の改良版(2.0.6版)を公表され、「認知心理学の授業ノートの図」を例示されました。さらに、6月30日に起こった「新幹線焼身自殺 放火事件」について、片平さんが中川の簡単なメモを図示し、また、各種の報道を取り入れて作った図ができました。ショッキングな事件であり、現在の日本社会の問題が根底にあり、多面的に考えるべきことと思っております。-- 寄稿を募り、高山直彦さんから同事件の考察図式例をいただきましたので、追加掲載しています。
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「札寄せ」しながら考える (2) 〜 (短い)文章全体を「札寄せ」で図示(見える化)する (中川 徹、片平彰裕)
(2015. 7. 29)
「札寄せ」
しながら考え、考えを図示する(見える化する)ことを、実際に試みました。今回、「比較的短い文について、自動的に札寄せの札にし、それを札寄せ法で分かりやすく表現する」方法を作り、その事例を作ってみせることを始めました。中川の提案に応じて、(その提案メールを題材にして) 片平が文章から札への変換および札寄せによる図示をしました。それらの記録をHTMLで説明し、Excelファイル
を掲載していますので、逐次トレースできます。最初の手紙文と 後の図式を比較すると、作成者の返答・応答を書き加え整理するにつれて、論点が明確になっていくことがよくわかります。
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「札寄せ」しながら考える(3) - Sickafusの「潜在意識問題解決」の論文を理解する(片平彰裕、中川 徹)
(2015. 8.25; 9.17)
(2015. 9.17)
最近のSickafus博士の論文(和訳版)の全体を、片平さんが「札寄せ」で図示したもの、および、同論文の「概要」だけを中川が「札寄せ」で図示したものを掲載しています。特に、概要のようなコンパクトな文章の場合には、文単位よりも少し細かい論理単位でラベル化して、論理関係を図示することが適切でした。図解の途中経過をありのままに記録しています。Sickafus博士の論文の概要が、図によってずっと明確になりました。図解作業の例として、お読みください。
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社会問題: 社会の貧困の問題にTRIZ/CrePSでアプローチする: 人々の議論の根底に、人類文化の主要矛盾「自由vs. 愛」を見出した (中川 徹)
(2016. 9. 9)
日本TRIZシンポジウム2016での発表です。 (1) TRIZ/CrePSを社会問題に適用することを試み、日本社会の貧困(特に高齢者の貧困)をテーマに選びました。(2) 藤田孝典著『下流老人』をテキストにし、札寄せツールを使って問題を「見える化」しました。(3)また、同書に対する多数(82件)のカストマーレビューを検討し、国民の中の「勝ち負け」と「助け合い」に関する社会意識に未解決の問題があることを認識しました。(4)それを突き詰めて、「自由」(自分で判断し、行動して、「生きる」こと)と「愛」(子を愛し、家族を愛し、隣人を愛して、「助け、守る」こと)とは、人類文化の主要原理でありながら、それらが対立し、「自由」 vs.「愛」が、人類文化を貫く主要矛盾であることを認識しました。(5) 人類文化はこの主要矛盾を解決することを試みてきましたが、その矛盾はいまなおあらゆるところに存在し、新たに生まれ、ますます解決が困難になっている、と認識し、困難にさせている理由4項目を認識しました。(6) 今後これらの困難課題ごとに、主要矛盾のメカニズムを理解し、その解決の方向を考察していきたいと考えています。-- TRIZの矛盾の概念と、CrePSの問題解決プロセスが、本研究をガイドしています。
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「レポートの作り方・書き方」研修セミナーを指導して (中川 徹)
(2016.11.28)
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和歌山県看護協会の認定看護管理者制度ファーストレベルコース(全体で150時間)の一部として行った研修です。50人の看護職の人たちに2日間(計12時間)の研修を指導しました。講義テキストは、「レポートの作り方・書き方 −内容の準備、構成、そして文章の心得−」
(2010.10.10)と、「創造的な問題解決の考え方」のスライド
です。グループ演習では、まず、学生レポート
を使って、文章表現を推敲する演習をしました。次に、受講者が提出した事前レポート「所属する組織の現状と課題」を使い、5編ずつ、3回にわたって(計15編)演習しました。レポートを読み取り、グループで議論しながら、文章表現の検討、段落など構成のしかたの検討、問題の捉え方と解決への方向付けの検討、そして最後には、レポートの著者になり代わって問題提起とその解決のための(模擬)所内プレゼンテーションをしました。年1回で7年の蓄積があり、講義と演習が好評をいただきました。
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解説: 「自由」vs「愛」: 人類文化を貫く未解決の「主要矛盾」(中川 徹)
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(2017. 1.13)
自己紹介から始めて、私の最近20年ばかりの研究の経過を説明し、昨年来明確になった標記の大問題を分かりやすく説明しました。理学部の化学を出て、後に情報分野に移った私が、「創造的問題解決の方法」(すなわち、研究開発の方法)を理解し、発展させてきた内容をまず紹介しています。そこで明確にした「6箱方式」という方法を、新しく社会分野の問題に適用しようとして、日本社会の貧困の問題を取り上げました。貧困の問題に対する人々の議論対立の根底には、「自由」の主張と「愛」の主張の対立があることに気がつきました。そして、「自由」vs「愛」は、実はもっともっと大きな、人類文化を貫く未解決の根本矛盾なのだ、と認識したのです。そして私はここに、「自由」vs「愛」という矛盾について、その骨格の理解を仮説として示しました。
この、「自由」vs「愛」という矛盾(対立)がある、という考え自体は、難しいことではありません。身近のことでも、社会のこと、国際政治のことでも、皆さんはすぐに例を挙げることができるでしょう。ただ、私たちはいままで(世界中で)「「自由」と「愛」は両方大事です。だから、両立させなさい。両立するはずのことです。」 とだけ教えられてきました。「両者に本質的な対立が内在する。それが人類文化に内在する根本の矛盾なのだ」とは誰も明確に言わなかったのです。この矛盾をきちんと理解することが、矛盾を解決して両立を図る基本のやりかたなのだ、というのが本稿の根底にある理解であり、技術分野でTRIZが実証してきたことです。
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TRIZ推進事例: TRIZを中小企業に広げるための長期戦略:ベルガモでの経験を分析する(Davide Russo, Daniele Regazzoni, Caterina Rizzi;中川 徹訳)
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(2017. 2.14)
イタリア北部のベルガモ大学のTRIZ研究グループが、修士課程を中心にTRIZ教育を行うとともに、ベルガモの商工会議所と連携して、地域にイノベーション支援の活動を行い、TRIZをも普及させていきました。長期的な戦略と積み上げによって、中小企業を中心とした地域に、知的財産とイノベーションの活動を普及・発展させていった、貴重な報告です。大企業主導のモデルとは異なる、新しい「ベルガモ モデル」です。
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TRIZ推進事例: 中国におけるTRIZ の開発と産業界への普及活動 (Runhua Tan (中国)、中川 徹訳)
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(2017.11. 5)
中国でのTRIZの研究と普及が、急速に、格段に発展していることは驚くばかりです。河北工業大学(天津市)の「技術革新方法とツールのための国家工学研究センター」は、Tan教授が指導し、約80人のFaculty メンバー、約20人の博士課程学生、そして約80人の修士課程学生が在籍して(訂正:2017.11. 7)、活動している、といいます。中国には、この他にも沢山のTRIZ研究拠点があるようです。
「TRIZを中核にして、イノベーションのための諸技法を統合した体系」を作り、C-TRIZ(中国版TRIZ) と呼んでいます。概要が紹介されています。
MEOTM(多数技術者向けのトレーニングモデル)と呼ぶ、企業への普及活動が最も注目されます。近年の中国の旺盛な企業活動・経済発展をバックにして、(国と地方の)政府、諸企業、そして技術者たち自身に、イノベーションのための方法を習得する強い動機があることが、本論文から明確に伝わってきます。数日の研修ではなく、半年〜1年継続の教育と演習(主に週末を利用)です。一つまたは複数の企業を選定し、参加技術者を選定して、訓練をします。参加者は各自、自分の仕事に関連した「発明的問題」を持ち込み、期間中にそれを解決して、最終の発表と口頭試問をパスして初めて、資格認証を得ます。この訓練プロセスにセンターだけでなく、企業のマネジャたちが加わっていることも大きな特徴です。「2013〜2016年に40のトレーニングクラスを実施し、721企業の技術者たち合計3173人を訓練し、そのうちの1471人が資格認定を受けた」と報告しています。そのやり方は、(なかなか真似ができませんが)参考にするべきことが多くあります。
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論文: 人類文化の主要矛盾「自由 vs 愛」を考察する (2) 個人における「自由 vs 愛」の矛盾・葛藤と「倫理」 (D: 拡張論文)(中川 徹)
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(2018. 6.25; 8.14)
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昨秋の日本創造学会での発表論文を拡張したもの(執筆: 2018. 2.27) で、6.節考察を大幅に追加しています。 節見出しは: 6.1 創造的問題解決の方法論(TRIZ/CrePS) の寄与、 6.2 問題と事例検証、文献検証と、基本仮説の設定・検証、 6.3 基本仮説の構造と意義、 6.4 人類文化における「倫理」の共通基盤の可能性、 6.5 第1原理「自由」の意義と影響:革新性と保守性、 6.6 第2原理「愛」の意義と影響・限界:革新性と保守性、 6.7 第0原理「倫理」の社会的な役割、 6.8 人類文化の主要矛盾「自由 vs 愛」の解決を困難にしている要因。(全文を英訳掲載しています)
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論文: 「自由」vs「愛」と「倫理」: 人類文化の主要矛盾とその解決の方向 (中川 徹)
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(2018. 8.14;11.11)
ICCI2018 (9月、大阪市) での発表論文の一部和訳版 (概要、7.考察、8.結論)です。この半年ばかりかけて学んだ倫理学の諸理論との対比・検討結果を、考察の節に書きました。いくつもの論点を明確にでき、私の基本仮説の新規性・妥当性・有効性について、さらに確信を深めました。考察の節見出しは:7.1 「倫理」の指令の真の根源は何か?、7.2 倫理の原理/規則の性格、7.3 現代倫理学、特に功利主義、に関するコメント、7.4 シジウィックの「実践理性の二元性」に代わる「自由」vs「愛」の矛盾、7.5 ロールズの『正義論』についての考察、7.6 自由、平等、博愛、 7.7 本研究における「善」と「幸福」の概念。本研究の第3年度の主論文と考えています。 (2018. 8.14)
ICCI2018の終了後に、英文論文の全文
と発表スライド
を掲載しました。また、和文ページには、発表スライドの和訳版
を追加掲載しました。スライドの方が(論文の文章よりも)要点を明確・簡潔に書く必要があり、分かりやすいものと思います。(2018.11.11)
(6) TRIZ教材、講義ノート
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発明的創造の心理学 (G.S. アルトシュラー, R.B. シャピロ; 1956年) (訳: 黒澤愼輔)
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(2006. 3. 6)
TRIZの創始者 G.S. アルトシュラーの処女論文であり、友人の R.S. シャピロと共著で、1956年に当 時のソ連の学術誌『心理学の諸問題』に発表されたものの、和訳です。英語では部分訳しか発表されていませんでしたが、ロシア語の原文がアルトシュラー基金のサイトに掲載され、産業能率大学の黒澤愼輔氏が直接に全文を和訳氏そのサイトに掲載されたのを、許可を得て本サイトに再掲しています。 要点は: (a) 発明的な創造の心理過程を論ずるにあたって、「ひらめき」などの内実が不明の用語を避ける。(b) 技術の発展が、そのシステムに内在する「技術的な矛盾」に直面して足踏みする。この矛盾の壁を越えることが、発明的創造である。(c) 発明的創造は、一般に以下の3段階で行なわれる。 (1) 分析段階: 問題の選択、問題を生じる主たる特性の明確化、本質の矛盾の明確化、矛盾の直接の原因を確定 (2) 操作段階: 典型的な解決策を (自然界と諸技術から) 学ぶ、変化を導入して新しい解決策を探索する (システム内で、環境中で、隣接システムで) (3) 合成段階: システムを機能的に有意に変化させる、システムの使用法を機能的に有意に変化させる、解決策コンセプトを他の技術的問題に適用する可能性を検討する、開発した発明を評価する。 (d) これら3段階は典型として描いたものであり、実地に適用・検証される必要がある。 (e) 「発明的創造の心理学」の目標はあくまで「実用」にあり、発明を創造する科学的方法を樹立することにある。 -- ぜひ全文を読んでみてください。
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eBook: USIT の概要 (E. Sickafus, 訳: 川面恵司・越水重臣・中川 徹)
(2004.10.18)
USIT法の開発者 Ed Sickafus 博士が USIT法の概要を簡潔に述べた約45ページの資料です(中川の要請に応じて2001年に執筆され、2003年2月に同博士のサイトで無償公開されました)。USIT法の教科書〈1997年刊、488頁)の技法の部分を(新しく)簡略にまとめたもので、本ホームページに和訳を無償公開しました。このeBookで著者が最初につぎのように述べています。「USITに接する技術者たちは、みんな専門知識をもち、特許も書いた経験を持っている人たちだ。その人たちに、新しい非常套的な観点を与え、統合的な構造化した思考法を提供することが USITの役割である。企業の実地での問題解決は、革新的な質の高さと時間的な速さ (能率) こそが命である。」USITの原開発者の考え方を学ぶことができる優れた資料です。(USITの適用事例は、教科書問題「額縁掛けの問題」、同博士のNews Letterのミニ講義などを参照ください。)
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USIT ニュースレターとミニ講義 (Ed Sickafus; 訳: 古謝秀明、中川 徹)
(掲載: 2004. 1. 8 - 7.13);
(第2次; 2013. 1.30- 4. 6)
USITの開発者 Ed Sickafus 博士が発信したニュースレターで、2003年11月〜2009年 3月に断続的に発行され(最盛期は2006年5月までで、ほぼ毎週) 79号までになっています。毎回3〜4ページのPDFでした。その記事の中心は、「USITミニ講義」で、具体的な問題を取り上げ10〜15回にわたってUSITによる問題解決のしかたを連載していくものでした。1号〜10号を2004年の和訳掲載し、ずっと中断して、11〜28号の和訳を2013年に掲載しました。Sickafus博士のダイナミックな考え方がよくわかります。なお、発行当時に中川が何回か質問をして、Sickafus 博士が応答している部分などが参考になります。-- 29号以後も和訳掲載するとよいのですが、できていません。
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イラスト教材: 階層化TRIZアルゴリズム (Larry Ball, 訳: 高原利生・中川 徹) (詳細版)
(詳細版開始: 2007. 1. 7; 最新: 2007. 7.22)(完)
著者Larry Ball は、米国Honeywell社の技術者ですが、1992年以来TRIZを独自に学び、TRIZの社内教材を作成してきました。その教材を2005年5月から『TRIZ Journal』に連載・公表しました。図をふんだんに使い、独自の優れた論理構成のプロセスになっています。2006〜2007年に、高原利生氏と中川で和訳し、本ホームページに連載しました。-- これを主体にして、『階層化TRIZアルゴリズム - 初心者から上級者までの図で学ぶ教材』として、2014年6月にクレプス研究所から出版しました。
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OTSM-TRIZ 入門セミナー: 強力な思考の一般理論 (OTSM): 発展の経緯、理論的背景、諸技法、および活用分野 (Nikolai Khomenko)
(2011. 9.19)
2010年9月8日に著者Nikolai Khomenko氏が、一日セミナーをしてくれた時の教材スライドの一式です。同氏は翌年3月に逝去されましたので、同氏の最後の貴重な詳細資料となりました。正味6時間の講義です。
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チュートリアル: USIT(統合的構造化発明思考法): 6箱方式の簡潔なプロセス (中川 徹)
(2016. 3. 3)
英語での3時間の講演です。「USITマニュアル」
と「USIT適用事例集(5件)」
とを使って、USITを初めての人たちに、丁寧に説明したものです。英文スライド126枚。
(7) TRIZ/CrePS 方法論資料
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TRIZ と USIT の 解決策生成法 の相互索引 (親ページ)
(2003. 4. 3 (その後一旦掲載停止)、再掲載:2012.12.22)
TRIZの諸解法(解決策生成法)とUSITの諸解法(USITオペレータ)との間で、双方向の索引を作ったものです。TRIZの側には、「40の発明原理」(Yuri Salamatov の教科書による)、「76の発明標準解」(Yuri Salamatovの教科書、およびDarrell Mannの教科書)、「技術システムの進化のトレンド」(Darrell Mann の教科書による)、およびSickafus の「21のヒューリスティックス」(Ed Sickafus のUSIT教科書による)を置いています。USITの側は新しく作ったUSITオペレータの32のサブオペレータです。TRIZ==>USITの索引が5種あります。その逆(USIT==>TRIZ)は上記のUSITオペレータの説明(本格版と拡張版)をご覧ください。(TRIZの諸解法について、上記の教科書を引用しましたが、もともとの開発者はG.アルトシュラー先生です。)
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創造的な問題解決・課題達成の一般的な方法論 (CrePS): 体系的な資料 (技術分野用)
CrePS (技術分野用)体系の資料 親ページ(編集:中川徹)
(2013.10.20)
「創造的な問題解決・課題達成の一般的な方法論 (CrePS)」は、中川が提唱しているもので、TRIZだけでなくいろいろな問題解決の技法を、吸収して明確な枠組みを持った方法論としてくみ上げようとしているものです。その骨子には、(USITで見いだされた)「6箱方式」を採用しています。この「体系の資料」では、CrePSとして必要な項目を階層的に分類・構成し、今まで知られているいろいろな方法を、どのような情報をベースにしてどのような新しい情報を獲得しようとしているのかを記述します。当面はExcel文書の形で記述し、階層的な記述を、追加蓄積できるようにしています。骨子を中川が作り、具体的な方法の記述は多数の研究者の皆さんに協力いただけるとよいと考えております。
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CrePS/USIT体系資料: USIT プロセスの全体資料 (索引) (「6箱方式」による創造的な問題解決の一貫プロセス) (中川 徹)
(2015. 5.25)、
(2015. 6.26)
USITは、米国でEd SIckafusが開発し(1995年)、その後日本でTRIZと再統合しつつ発展させてきた「創造的な問題解決のための簡潔な一貫プロセス」です。現在では、 「創造的な問題解決・課題達成の一般的な方法論 (略称:CrePS)」を実践する、「6箱方式」による簡潔で一般的なプロセスと位置付けられています。
本ページは、USITプロセスの全体的な資料をまとめた索引で、USIT マニュアル、USITオペレータ体系、USIT適用事例集、USIT主要参考文献から構成しています。
(8) TRIZフォーラム(通信、意見、討論、など)
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ゲンリッヒ・サウロビッチ・アルトシュラー先生の思い出 (Phan Dung、訳:中川 徹)
(2001. 5. 8)
2001年3月のTRIZCON2001の著者の基調講演の付属資料として配布されたものを、和訳・掲載しました。著者Dr. Phan Dungは、ベトナムからソ連のバクーに留学していて、大学4年生の1971年にアルトシュラーの新しい研究所「Public Institute of Inventive Creativity (PIIC、発明創造性公共研究所)」を知り、そこで4年間学びます。TRIZの創始者アルトシュラーに師事し, 身近に学んだことを生き生きと描いています。主要な項目: アルトシュラー先生との出会い、PIICのカリキュラム、教育者としての先生、卒業論文で受けた指導、ベトナムへの帰国、レニングラードへの再留学、その後の先生との交流、アルトシュラー先生の生涯、先生の事績の意義。-- 日本の私たちには謎に包まれていた, アルトシュラーとその学生たちの実像が彷彿としてきて、アルトシューラーの情熱と人間性に感動を覚えずにはいられません。-- 実に貴重な資料です。
問題提起: TRIZのいままでの旅程とこれからの道 (S. Saleem Arshad、、訳:中川 徹)
(2010. 5. 9)
(米国で活動した後)オーストラリア在住のS.S. Arshad氏からの寄稿です。著者は、「イノベーションの必要がますます強調される中で、産業界・技術界での技術革新の本流でTRIZが成功しているという事例が欠如している」ことを問題提起している。考えられる理由として、(A) 産業界での成功事例をTRIZで後付けしてあたかもTRIZが寄与したかのように説明している、(B) 古い賞味期限が過ぎた事例を繰り返し使っている、(C) 論文や発表でプロセスや解決策の詳細を示さず一般的な議論で済ませている、(D) TRIZの知識体系が解決策合成の段階で弱く不完全である、という4つを挙げている。そして、これらを克服するための方向づけを、11の観点で提案している。とくに、TRIZがイノベーション科学(/工学)としてはまだ不完全であることを認め、特に合成段階での方法を開発すること、異なる考えにオープンであること、を主張している。-- 大事な問題提起であると考え、中川は著者と掲載前にも意見交換をし、また、編集後記に所見を書いた。-- この後、Ellen Dombから詳細なコメントがあり、別ページに掲載した。
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論文: 日本における科学者の責任論の議論の系譜とその課題: 省察に注目した解決策の考察(大河雅奈)
(2013. 8. 4)
著者は、北陸先端科学技術大学院大学の博士課程後期3年。原発事故の後で、科学者の責任、特に社会的責任の関する日本の文献200件以上を調査して、その議論の展開を整理した。これらの多くの議論が、散発的であり、積み上がっていっていないことを指摘している。科学者自身の「省察」(深く顧みて考えること)がやはり一番大事であると述べている。知識共創フォーラムでの発表論文。
読者の声 (意見と応答): 問題解決よりも、問題定義と解決策実施が研究の焦点(Darrell Mann)/ 問題解決のための考える方法の確立が重要な土台(中川 徹)
(2013.12.23)
中川のCrePSの研究アプローチに対して、2013年10月にDarrell Mannから表題のようなコメントをもらい、中川が応答したものです。中川は、「6箱方式」での理解から、Mannが言うのは「現実の世界」での方法に関連しており、「思考の世界」での方法の確立が一般的な方法論の確立には必要であると述べました。読者の声のページに、英文および和訳で掲載しました。
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フォーラム: 地震予知研究の紹介: 電磁気学的な現象を手掛かりとする地震の短期(直前)予知の研究についての紹介: 吉岡匠教授(北海道科学大学)の研究を中心にして (責任編集: 中川 徹)
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(2015. 3. 7)
本ホームページに、「地震予知研究」について今後継続的に紹介するフォーラムを始めます。その趣旨は:
(a) 地震の短期(直前)予知は、甚大な被害(特に人的被害)を軽減するために、渇望されていることです。
(b) 従来の地震学(と政府)は短期予知を不可能と考え、研究を回避していますが、それは、力学的な側面(変位、力、振動など)を主要な鍵と考えているからです。それなら、別の種類の信号を鍵にすればよい、電磁気学的な信号が一般的に優れている、とTRIZは教えます。
(c) 地震の電磁気学的な面は、研究されてきていますがまだまだ未知で、「眉唾もの」と批判されることがあります。しかし、新しい現象の発見、新しい現象を検出・観測する方法の発明、新しい現象のメカニズムの解明、新しい現象から有意味な情報を抽出し活用する方法の発明、などはすべて、相互に刺激しあって開発でき進歩するものです。各側面の研究開発を行うべきだと考えます。
(d) 昨年「日本地震予知学会」が設立され、短期予知研究、特に電磁気学的な面からの研究を推進しようとしています。
(e) 特に私は、吉岡匠教授の「発電機のオンライン監視システムが地震の前兆現象をキャッチしている」という研究を知り、まだあまり知られていませんが、有望・重要と判断しました。これを広く紹介して、その検証と開発の推進に寄与したいと考えました。
(f) フォーラムのこの親ページには、参照するとよい文献の紹介、掲載記事の索引、質問と討論の索引などを掲載していきます。
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フォーラム: 地震予知研究論文: 発電設備における異常予兆の早期発見についての最新状況報告 (地震直前(30分)の異常現象を検知)(吉岡 匠、河合洋明)
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(2015. 3. 7)
著者らは火力や原子力などの発電所で、発電機の運転状況をモニターし、運転・保守に役立てるためのソフトウエアを開発しています。その運転データを可視化することによって、地震の影響が明瞭に観測されたというのです。毎分のデータで、地震の横揺れによって発電機が瞬間的に飛び跳ね、地震後は(地震動ではなく)発電機の軸の納まりのずれのために無効電流が見られる。それ以外に、横揺れの約30分前から、データに異常が顕われ「発電機が唸っている」。その原因は、地震動ではなく、何らかの電磁気学的な要因と考えられる、といいます。3.11の東日本大震災の約1年前に発表されており、地震予知の可能性を明確に述べています。
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フォーラム: 学術界における「創造的な研究の方法」とは? 「創造的な問題解決の一般的方法論(CrePS)」は寄与しうるのか?(問題提起: 某先生、応答:中川 徹)
(2016. 7.31)
最先端の創造的な学術研究において、その一般的なかつ汎用的な研究方法、「創造的な研究を行う方法」があるのか?が問題です。学術界で沢山の研究が行われ、創造性技法やTRIZなどとは関係なく、多くの成果を挙げている。しかしそこでは、「創造的な研究を行う方法」といったものの共通理解は知られていない、といい、CrePSが果たして意味があるのか?と問われています。
--- 学術界にTRIZなどがほとんど浸透していないことは残念なことです。ただ、学術界が「創造的な研究を行う方法」の一般的な理解を作れていないというのは、不思議なことです。学術界で何が必要かと考えると、6つの視野があります。(a) 世界の諸研究分野、研究テーマの大きな将来の方向を考える 。 (b) 一つの研究分野で、どのような研究テーマを選択するべきかを考える。 (c) ある研究テーマで、何を本当に解明するべきか、解決するべきかを考える。 (d) ある研究テーマで、解明・解決を困難にしているのが何かを考え、それを打開することを考える。 (e) ある研究テーマの個別の課題において、研究や実験の方法、実験装置の設計などのやり方を考える。 (f) さらに細部の問題・課題において、それを個別に解決する。 CrePSの6箱方式は、この(d)(e)(f)に適した表現になっており、(a)(b)(c)でも少し表現を変えて対応できると、私は考えます。今後議論するべき、大事な大きなテーマです。
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最終更新日 : 2020. 7.15 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp
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中川 徹 (Toru Nakagawa) (大阪学院大学 名誉教授)。 E-mail: nakagawa@ogu.ac.jp