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編集ノート (中川 徹、2011年 9月25日)
本稿は、第6回日本TRIZシンポジウム (2010年9月9-11日) において、オーラル発表されたものです。この発表は参加者による投票により、「私にとってもっとも良かった発表」の一つとして表彰を受け、その発表スライドはすでに日本TRIZ協会の公式サイトに公開掲載されています。
このたび、このTRIZシンポジウムの発表のうちのほぼ半数を精選して、本ホームページに和・英で個別ページを作り、著者の了解を得て発表スライドを本サイトに収録して、より広く読んでいただけるようにいたしました。また、昨年11月〜本年4月に順次掲載しました中川の「Personal Report of Japan TRIZ Symposium 2010」(英文) から関係紹介記事を抽出して英文ページに掲載いたします。
本ページはつぎのものを掲載しております。
和文ページ (このページです) 英文ページ 拡張概要のHTML 版
同 PDF版概要のHTML版
同 PDF 版-- 中川による紹介 ("Personal Report" より) (英文) 著者たちは、社内でのTRIZの推進のために、産業系の新聞の、技術やビジネスに関する最新記事を活用するとよいことを見つけた。著者らはそのような記事をTRIZの観点からレビュー、分析し、その結果を定期的に社内ホームページや研修セミナーで紹介・配付して、TRIZ推進を活性化することができた。
[1] 拡張概要
産業系新聞記事のリバースTRIZによる社内活動高揚の取り組み
〜多様な技術分野の研究開発者に対して具体的にTRIZを解説〜
伊沢 久隆、 永瀬 徳美、 国友 秀世
(ソニー株式会社)
日本TRIZ協会主催 第6回日本TRIZシンポジウム、オーラル発表、
2010年9月 9-11日、神奈川工科大学、神奈川県厚木市
概要
TRIZによる思考方法は、商品や技術の改善、改良に留まらず、知見が不十分な研究開発段階での問題解決に対しても有効であることは言うまでもない。しかしながら、TRIZに対する知識や活用方法を知らしめることなしには、研究開発者は自らの専門分野の知見の深耕による従来の解決に傾注してしまう。
研究開発者に解り易く、かつ、共感を覚えるような事例を伴う解説はやはり必要であるが、彼らの専門分野は、個々には狭い反面、部門レベルでは広範囲で多岐にわたっており、魅力的なTRIZの解説を提供することに対して何らかの工夫が求められた。そこで、身近でかつ最新の情報である産業系新聞から、研究開発部門の当該技術関連の開発記事を抽出してリバースTRIZを行い、研究開発者に具体的な解説を提供する取り組みを始めた。
これまでの実施の状況と、継続的リバースTRIZで得られた多少の知見について紹介する。内容説明
1.取り組みの背景
現在、研究開発段階のテーマに対して、TRIZの思考方法を核として問題・課題の深耕から施策の立案、開発成果の特許発明化活動などに取り組んでいる。
研究開発者に効率の良いアイデア創出活動を促し開発スピードを向上させつつ、研究開発者の満足感を獲得することに苦慮しつつも工夫を凝らしている。
現場実践を活動の中心においており、研究開発者にTRIZの使い方や効能を解り易く、かつ、共感を覚えるような具体的事例を伴う解説が求められるが、従来からのTRIZ支援ソフトウエアやTRIZ関連書籍の事例では汎用性は高いもののダイレクトに関連する技術でない研究開発者からみると概念的で抽象的に見えて実感が湧きにくく意図が伝わらないことも多い。
併せて、研究開発者の担当テーマは、材料からデバイス、システム、ソフトウエアと範囲も広く、要素技術分野も多岐にわたっており、TRIZを推進する担当者側に解説や事例が不十分で、打ち手が必要であった。
2.産業系新聞記事の活用
社内のTRIZ推進担当者で取り組みが可能で、かつ、研究開発者に解り易く、より具体的な事例で解説することを鑑み、産業系新聞に記載の開発事例を活用してみた。
産業系新聞記事を題材にするメリットは多い。
- 毎日身近にあり、情報入手が容易かつ情報が新鮮
- 記事掲載にあたって、技術開発のウラが取れている
- 従来との相違点、ビフォー&アフターの解説も多い
- 図表を使いつつもコア技術を端的に解説
- 従来課題、工夫のポイント、効能をセットで記述
などなど、リバースTRIZに有用な情報が多く提供されている。
また、多様な要素技術分野にマッチした事例解説をする上では、ある程度長期にわたって継続的に記事を収集することで着々と揃えられてくる。
3.産業系新聞記事のリバースTRIZ
抽出した記事内容に対してリバースTRIZを行い、解説用資料化とナレッジDB化に取り組んでいる。
具体的には、記事のビフォー&アフターの内容から
@ 抽出記事を40の発明原理に分類・蓄積
A 技術進化パターンの類推と分類・蓄積
B 解決のプロセスをTRIZ思考方法で解説化
C 要素技術分野にマッチした資料の提供に取り組み、現場実践場面や社内の研修、展示会での紹介に活用している。
4.継続活動から得られた知見
継続的に記事のリバースTRIZに取り組んだ結果、広範囲の技術分野に対する具体事例が揃ってきたことに加えて、発明原理毎の事例の数量的比較、多く登場する技術進化パターンもできつつある。
また、さらには、業界や技術分野を超えた開発の中に共通する進化パターンなどを見出すこともできつつあり、詳しく分析するために特許調査を行って解決のプロセスの考察も試行している。
この取り組みは、研究開発者向け解説の作成を目的にしているが、TRIZ推進者としての継続的スキル強化に非常に有効であることを実感している。
[2] 発表スライド:
発表スライド 和文 (24 スライド、PDF 1.8 MB) (本サイト内) (公開、変更禁止、コピー禁止、印刷許可)
発表スライド 英文 (24 スライド、PDF 1.5 MB) (本サイト内) (公開、変更禁止、コピー禁止、印刷許可)
[3] 中川による紹介 (英文):
Personal Report of Japan TRIZ Symposium 2010,
Part E. Promotion of TRIZ in Industries
中川 徹 (大阪学院大学)、2011年 3月 8日 (掲載: 2011. 3.21)==> 伊沢論文 英文ページ内 (英文)
紹介要点:
社内でのTRIZの推進のために、産業系の新聞の、技術やビジネスに関する最新記事を活用するとよいことを、著者たちは見つけた。著者らはそのような記事をTRIZの観点からレビュー、分析し、その結果を定期的に社内ホームページや研修セミナーで紹介・配付して、TRIZ推進を活性化することができた。
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最終更新日 : 2011. 9.25 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp