研究ノート/提言
モノづくりを強くする「開発・設計プロセス工学技術」について
 − その定義・スコープと工学部での教育の必要性 −
 林 利弘 ((株)日立製作所) 
初出: 平成15年大学電気系教官会議パネル討論第3分科会 
  2003年 7月24日, 秋田ビューホテル
 [掲載: 2004. 3. 3.]     著者の許可を得て掲載。
For going back to English pages, press  buttons.


編集ノート (中川  徹, 2004年 2月29日)

本稿の著者 林 利弘氏は, 日立製作所モノづくり技術事業部の主管技師長であり, 日立グループの全社運動 HiSPEED21およびHiSPEED/Nextを統括・推進してきています。同運動 では, 「開発・設計エンジニアリング技術」としてQFD, TRIZ, タグチメソッドを推進し, ディジタルエンジニアリング技術として 3次元CAD/CAEや電気・電子系のCAD/CAEを推進しています。TRIZの社内推進運動としては, 最も早い時期から全社的に取り組み, 継続的に活動が広がっている点で, 大変注目されます。

本稿が発表された「大学電気系教官会議」というのは, 全国の国公私立の大学の電気系の学科の連携組織で, 各大学の学科から代表者が出席して討議する場であるとのことです。その中の一つの分科会でのパネル討論の資料ですが, 大いに注目されたものとのことです。

ここで提唱されているのは, 技術・製品開発において, 特定の分野 (機械とか, 電子とかの) にとらわれない, もっと全体的で横断的な観点からの技術が重要であり, それをもっと体系的・組織的に研究・教育・普及させていくべきだということです。

私は昨年11月に本稿を読ませていただき, その大きなスケールでの議論に大いに共感いたしました。TRIZが今後, 産業界・技術界だけでなく, 学界・教育界に認知されるようにするには, このようなスケールと方向で考え, 少しずつでも活動していくことが必要だと思いました。

このような観点から本稿の掲載を林さんにお願いし、快諾をいただきました。掲載を許可いただいた, 著者および所属機関に感謝いたします。

著者:  林 利弘 氏  ((株) 日立製作所  モノづくり技術事業部  主管技師長)  Email:  t-hayashi@mono.hitachi.co.jp
所属機関:  (株) 日立製作所    (東京都文京区)  Webサイト   http://www.hitachi.co.jp/
なお, このような提唱は, 数年前から多数の学会に跨がった運動として提唱されてきたものであるとのことです。特に, 計測自動制御学会が中心となって, 文部科学省振興調整費科学技術政策提言プログラム「横断型科学技術の役割とその推進」が2002年9月から活動しています(http://www.transdisci.jp/)。そして,  2003年4月には, 「横断型基幹科学技術研究団体連合」 (略称: 「横幹連合」) が設立されました (http://www.trafst.jp/)。その主旨は「文理にまたがる30の学会が, 自然科学とならぶ技術の基礎である「基幹科学」の発展と振興をめざして大同団結したもので, 限りなくタテに細分化されつつある科学技術の現実の姿に対して, 「横」の軸の重要性を訴えそれを強化するためのさまざまな活動を行う」と表現されています。

さらに, この「横幹連合」の一つの活動として, 「開発・設計プロセス工学技術調査研究委員会」 (略称: 「横幹開プロ委」) が設立されました。林利弘さんが主査, 藤本英雄教授 (名古屋工業大学大学院) が幹事で, 産業界と学界からの約20人で構成され, 中川も委員に委嘱されました。去る2月6日に第1回の会合があったところです。本稿で提唱されているような「開発・設計プロセス工学技術」といったものをより明確にしていくために, 意見交換を行っていく計画です。
 




 
 

モノづくりを強くする「開発・設計プロセス工学技術」について
− その定義・スコープと工学部での教育の必要性 −

林 利弘 ((株)日立製作所) 

 

発表本文 [ここをクリック下さい] 

 A4  6ページ。  (PDF 42KB) 

 

 
総合目次  新着情報 TRIZ紹介 参考文献・関連文献 リンク集 ニュース・活動 ソフトツール 論文・技術報告集 教材・講義ノート・関連分野解説 フォーラム Generla Index 
ホームページ 新着情報 TRIZ紹介 参考文献・関連文献 リンク集 ニュース・活動 ソフトツール 論文・技術報告集 教材・講義ノート・関連分野解説 フォーラム Home Page

最終更新日 : 2004. 3. 3.   連絡先: 中川 徹  nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp