USIT 適用事例 | |
USIT適用事例: 忘れものを予防・防止するシステムの考案 |
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USIT 2日間トレーニングセミナーの成果報告 |
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中川 徹 (大阪学院大学) |
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英訳論文発表: TRIZCON2006 (2006年 4月30日〜5月2日、ミルウォーキー) | |
[掲載:2006. 2. 1] [追記、英語論文掲載: 2006. 6.21] |
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編集ノート (中川徹、2006年 1月28日)
ここに掲載しますのは、表記のように、USITの2日間トレーニングセミナーにおいて得られた成果です。非常に例外的な発表形態ですが、セミナーで参加者が出したさまざまなアイデアや考えを、まったく修正なしで、全記録をデジカメで記録し、そのまま掲載するとともに、それに並行して詳細な説明の記述をしています。この記録は、セミナー後2日間で書き上げて、セミナー参加者に事例報告として送付したものです。デジカメで撮影した記録の明瞭さを保つために、PDFファイルで掲載します。
中川が講師をしているUSIT トレーニングセミナーのやり方は、昨年 7月に掲載しました記事で、一般論として詳細に説明しました。その特徴は、参加者が持ち込んだ「実問題」を取り上げて、USITのプロセスに従って問題解決を図ることです。参加者全員で誓約書に署名し、セミナーの全成果が問題提案者に帰属すること、提案者以外の参加者は技術内容を含めて社内報告ができるが、2年間は社外への守秘義務を負うこと、2年後は誰でも公表可能なこと、などを規定しています。本件は、参加者からの実問題の持ち込みが不足したため、講師の中川自身が提案したものです。セミナー終了後に、セミナー参加者の所属企業などでの技術開発の可能性を検討していただきましたが、特にその意志がないとのことで、今回のように早期に公表することにいたしました。(また、TRIZCON2006でも発表の予定です。)
ここに発表しますのは、「USIT トレーニングの事例報告テンプレート」という書式で記述したものです。それは、トレーニングでの問題解決のプロセスを忠実に記録・報告することを目的としています。このプロセスを反映して、目次はつぎのようです。
1. セミナーの概要
2. 提案した問題
3. 問題定義段階 (第1セッション)
4. 問題分析段階 (現在のシステムと空間・時間特性の分析) (第2セッション)
5. 問題分析段階 (理想のシステムの分析) (第3セッション)
6. 解決策生成段階 (その1) (アイデアの吐き出し) (第4セッション)
7. 解決策生成段階 (その2) (アイデアの構造化) (第5セッション)
8. 解決策生成段階 (その3) (解決策コンセプトの補強) (第6セッション)
9. まとめと感想また、この事例報告の特徴は、問題解決の各過程を説明するにあたって、つぎの5種の記述内容を (項を分けて) 明確に書き分けていることです。(提案者と講師の一人二役という変則的な点がありますが、書式は基本のものです。)
(a) USITが指示する問題解決の段階・過程の項目とその概要
(b) セミナー時に記述・作成したものの記録 (整理・補筆は全くしていない) --- 図版で示す。
(c) セミナー時におけるグループ内の検討・討論の過程, 進め方の方針などで, 記録(b)に十分表現できていないことの補筆,
(d) セミナー内での発表・討論におけるコメントや方向づけなど。
(e) セミナー終了後の感想, コメント, 発展, および講師コメントなど。さらに、この適用事例には、そのテーマの特徴から生れたつぎのような意義があります。
(1) 本テーマは、広い範囲の必要性 (需要) を手がかりにして、「新しい技術システム (あるいは商品) を企画・構想していく問題」である。(現システムの問題点の解決という、狭い意味の問題解決ではない。) そのようなテーマで、USITを素直に適用でき、かつ強力であることを示すことができた。
(2) 本テーマは、時間的変化が主要な鍵になる問題、「プロセス」の考察が必要になる問題である。それに対するUSITの適用のしかたも例示できている。
(3) 本テーマは、「ハードウェアとソフトウェアの両方を含んだシステム」という特徴ももつ。USITは (あるいはTRIZでも) そのような問題に対してもまったく素直に適用できている。
(4) 上記の(1) に対応して、一つ一つのアイデアが核になった複数の解決策というよりも、いくつものアイデアを取り入れて構成する一つの (あるいは一部に代替案を含む) 全体的な解決策の提案が必要である。そのための解決策生成段階のやり方を例示できている。
以上のように、本件はまったく「なま」の形でのUSIT適用事例報告です。セミナー参加者以外にはその意味が分かりにくいような記述や提案が一部にあるかと思いますが、細部にこだわらずにUSITの全体的な流れをご理解下さい。
本セミナーに参加され、本テーマでの問題解決を実行くださった5人のグループメンバーの方に厚く感謝いたします。ここにお名前を記述できないのが残念ですが。また、この公募制のUSITトレーニングセミナーを主催していただいた IDEA社、特にいろいろな組織活動・PR活動をしていただいている川合裕二氏に感謝します。
USIT適用事例: 忘れものを予防・防止するシステムの考案
USIT 2日間トレーニングセミナーの成果報告 (2005年9月28-29日、東京、公募制)
中川 徹 (大阪学院大学)
追記: 編集ノート (中川徹、2006年 6月20日)
本稿を (ほとんどこのままの形で) 英訳して、下記のように、TRIZCON2006で発表しました。"A System for Preventing from Our Leaving Things Behind -- A Case in 2-Day USIT Training Seminar --"
by Toru Nakagawa (Osaka Gakuin University, Japan)
Presented at TRIZCON2006: The 8th Annual Conference of the Altshuller Institute for TRIZ Studies, Held on April 30 - May 2, 2006, at Milwaukee, Wisconsin, USA何人かの人たち (Darrell Mann、Valery Krasnoslovodtsev、他) に好評でした。
やはり日本での進展、特に自分で書いたものを、積極的に英語で発表していくことが大事だと思っています。本当は、昨年7月に書いた「USITトレーニングセミナーのやり方」、そしていま毎月連載している『インターラボ』誌でのTRIZ紹介を、英文で発表していくとよいと思っているのですが、到底手が回りません。こんどの「TRIZシンポジウム」では、すべての日本語発表 (ポスター発表を除く) を、日本語と英語のスラドを並行投影する計画ですから、日本でのTRIZの進展を海外に知ってもらうよい機会になるものと思っています。
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最終更新日 : 2006. 6.21 連絡先: 中川 徹 nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp