TRIZ論文: TRIZ シンポジウム 2010 テーマ講演 | |
教育とTRIZ: 新しい展望のために | |
中川徹 (大阪学院大学) | |
日本TRIZ協会主催 第6回日本TRIZシンポジウム、テーマ講演、 2010年9月 9-11日、神奈川工科大学、神奈川県厚木市 |
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同 紹介: 中川 徹 (大阪学院大学) 2010年12月25日 (英文) | |
掲載:2010.12.30 ; 更新: 2010. 9.25 |
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編集ノート (中川 徹、2010年12月25日)
本稿は、第6回日本TRIZシンポジウム (2010年9月9-11日) に、テーマ講演 (すなわち、招待講演) の一つとして発表したものです。このたび、中川の「Personal Report of Japan TRIZ Symposium 2010」 の一部として、その紹介を英文で書き、本ホームページに掲載しようとしています。
それに並行して、本稿に対するアクセスを容易にし、また記録としてきちんと収録するすることを目的として、本ページを作成しました。和文ページには、拡張概要のHTML 版、発表スライドのPDF版 を掲載します。(Personal Reportでの紹介は、すぐには和訳できません。) 英文ページには、概要のHTML版、発表スライドのPDF版、およびPersonal Report での紹介 (HTML版) へのリンクを掲載します。[なお、日本TRIZ協会の公式サイトには、2010年12月 1日に、発表スライドのPDFが和文と英文の両方で掲載されています。]
英文ページに Personal Report の抜粋を再掲載しました。(2011. 9.25)
[1] 拡張概要
教育とTRIZ: 新しい展望のために
中川 徹 (大阪学院大学)
概要
創造的な問題解決の方法論であるTRIZは、日本では従来、技術分野を中心に、技術者を主対象として普及させてきているが、もっと大学およびそれ以下の教育分野での取り組みを強化することが必要で、かつ有効であろう。この趣旨から日本TRIZ協会では新たに「教育とTRIZ」研究分科会を発足させた。そこで、筆者および国内外のいろいろな活動例を紹介しつつ、問題を考察し、今後の展望を考えたい。
第一の面は、大学および大学院レベルでのTRIZベースの教育と研究である。TRIZの知識や技法を教えるだけでなく、創造的な問題解決、技術や製品開発の全体プロセス、複雑大規模な問題を考察する力などを養うことが必要である。また、それぞれの専攻分野での教育と組み合わせて実力を養成する必要がある。TRIZ自身の研究推進も望まれる。
第二の面は、中等・初等教育などに、TRIZの創造的な考え方を取り入れることである。この場合には、生徒たちの興味や成熟度に合わせて、教える内容と教え方を調整する必要がある。ここでは、興味を持たせることが特に大事であり、そのための題材やテーマの選び方に関しても工夫を要する。ロシアなどで小学生向けのクラスが開発、試行されているので、参考にしていきたい。教育とTRIZに関しては、TRIZ以外で経験を持つ人たちと連携を取り、学んでいくべきことが多い。
内容説明
A. 大学・大学院レベルでの教育とTRIZ
TRIZの創造的な問題解決のための思考方法、科学技術の広範な情報を整理した知識ベースとその活用法などを、基本的な素養として大学レベルで教えることは、理工系だけでなく広範な分野の学生に有益であると考える。筆者自身、また、国内、海外の例を挙げながら、大学レベルでのTRIZの教育を考察する。以下の課題と方法があるといえる。
- 通常 1学期1コマでは、90分×15回 (=22.5時間)。何コマ使うか(例 1/2、1、2 など) で、扱える内容が随分異なる。また、カリキュラム内の位置づけに依存。
- TRIZ自身の内容も膨大だから、必要に応じて、そのエッセンスだけを講義し、習得させる必要がある。
- 講義の他に、ゼミ演習、個人テーマ演習、研究プロジェクトなどの形態を適切に選択し、組み合わせる。
- TRIZ以外の創造性技法などと関連させて教える。
- 製品・技術開発のプロセス全体の中で、諸方法(QDF、設計工学、品質工学、CAD/CAEなど) と合わせて教える。
- 身近な問題を取り上げ、問題解決の一部始終を実施させ、新しい解決策の提案をさせる。
- 専門分野での技術/研究プロジェクト (例えば、修士論文のテーマ) の中で、実地に問題解決を指導する。
- 修士レベル、博士レベルの研究として、TRIZの分析法、解決策合成法、知識ベースの拡充、ソフトツールの開発、企業での適用への参加と分析などの研究を行なう。
- なお、これらの教育の前提として、大学初年次の導入教育で、『7つの習慣ティーンズ』などを用いた主体性確立の教育が、生活習慣と精神的自立のために重要であるとの知見もある。
B. 高校、中学校、小学校、と社会啓蒙教育
高校以下、幼児期までにおいて、どのように創造的な考え方を教えるかは、大きな課題である。子どもの成長に合わせて、感受性、興味・関心、観察能力、科学的な考え方、科学技術の基礎知識、論理的思考能力、問題解決の能力などを、順次適切に育てていく必要がある。
大学の2年次前期に、「釘/筆記具のいろいろとその進化」というテーマで、釘の形態、働き、使い分け、技術発展について考えさせる共同演習を指導した経験がある。このような観察と考察を中心とした取り上げ方であれば、高校生〜小学生にも十分興味を持たせて考えさせていくことができる。
ロシアの小学生向けのTRIZベースの教育では、創造的な空想力を指導している例もある。教材の作成・選定が大事である。Khomenko の仕事も参考になる。
日本のTRIZコミュニティは、高校以下の生徒への教育に関しては、非常に経験が乏しい。そのような分野で先行している人々 (学校の先生たち、教育関係の研究者など) や組織と連携を図ることが大事である。
[2] 発表スライド:
発表スライド 和文 (43 スライド、PDF 540 KB) (公開、変更禁止、コピー許可、印刷許可)
発表スライド 英文 (43 スライド、PDF 437 KB) (公開、変更禁止、コピー許可、印刷許可)
[3] 中川による紹介 (英文):
Personal Report of Japan TRIZ Symposium 2010,
Part F. Usage of TRIZ in Education and in Academia
中川 徹 (大阪学院大学)、2010年12月25日より抜粋
==> 英文ページ
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最終更新日 : 2011. 9.25 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp