TRIZフォーラム: 
若い人たちに TRIZを広めるにはどうすればよいのか?
-- TRIZによる問題解決の教育と演習の経験 --

コーディネータ: 中川 徹 (大阪学院大学 名誉教授)

日本TRIZシンポジウム、テーマ講演導入、
2012年 9月6日、早稲田大学 (東京)

掲載: 2012年 12月 5日
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編集ノート (中川 徹、2012年11月30日)

本稿は、9月のTRIZシンポジウムにおけるテーマ講演のセッションにおいて、コーディネータとしてテーマの導入をしたものです。複数のアプローチを概観していますが、その詳細については述べていません (後続の諸発表に委ねています)。

シンポジウムに際して提出した、拡張概要(和文)スライド(和文) (PDF) を掲載します。英文ページには概要とスライドを掲載しました。


     若い人たちに TRIZを広めるにはどうすればよいのか?
         -- TRIZによる問題解決の教育と演習の経験 --

コーディネータ: 中川 徹 (大阪学院大学)

第8回 日本TRIZシンポジウム 2012、 テーマ講演 C セッションへの導入

概要

日本TRIZ協会ではいま、TRIZをもっともっと若い人たちに伝え、普及させることが重要と考えています。そのためにはいろいろなアプローチがあります。(a) 時代の雰囲気に挑戦する、(b) 若い人の素養に適した提示をする、(c) TRIZを分かりやすくする、(d) 「知識」よりも「演習」させる、(e) 対象分野を広げる、など。本シンポジウムの中でこれらのいろいろなアプローチが議論されています。特に、このテーマ講演のセッションでは、大学、大学院、企業(新入社員) などでの事例を紹介してもらい、討論します。特に、単なる講義/講演でない、演習と実地の問題解決を主としたやり方を議論します。

内容説明

日本TRIZ協会ではいま、TRIZをもっともっと若い人たちに伝え、普及させることが重要と考えています。1990年代の後半に日本にTRIZが伝わったとき、強い関心を示したのは当時50歳前後であった団塊の世代でありました。その人たちが日本のTRIZをリードしてきたのですが、現在は65歳前後になり、大部分の人たちが現役を退きつつあります。もっと若い世代にTRIZを普及させることが従来からの課題ですが、必ずしもうまく行っていません。

そこで、今回のTRIZシンポジウムに際して、「若い人向けのTRIZ」あるいは「若々しいTRIZ」を一つの重要な側面として取り上げることにしました。

「なぜ、若い人たちへのTRIZ普及が順調に進まないのか?」をよく考える必要があります。

(a) 時代背景の違いというのが一つの見方です。若いときに高度成長を担った団塊の世代と、この20年間の閉塞的な時代にいる現在の若い世代との、精神状態、気持ちの持ち方の違いです。これは大きな要因でしょうが、この論理からは新しい力がなかなか湧いてきません。

(b) ベテラン技術者と若い人とでは、持っている経験が違い、技術的素養が違い、視野が違うから、これらに劣っている若い人たちには、TRIZのようなスケールの大きい汎用的で抽象的な思考を受け入れる素養が少ないのだというのが、もう一つの見方です。しかし、若い人たちには柔軟性があり、新しい領域や分野に進む力があり、感受性がありますから、適切に導入すれば、理解されるはずではないか、と考えられます。それなら、どのように動機づけ、どのように提示すればよいのか、が考えるべきことです。若手技術者、大学院生、学部生で提示するべきしかたが違うでしょう。

(c) TRIZの体系が膨大で複雑すぎるのが問題なのだ、という見方もあります。そこで、TRIZを「簡単にする」、「分かりやすく統合し直す」「親しみやすくする」などのアプローチがいろいろと試みられています。このアプローチの対象者は、若い人に限りません、熟練の高度な技術者から、若手技術者、院生・学生、そして高校生から小学生まで広げることができるでしょう。

(d) TRIZのような技法を、「知識」として講義・授業・話・本などだけで伝えようとするのがよくないのだという見方もあります。実際に技法を適用して、自分で考える、仲間と議論する、「演習する」という形態も試みられており、成果を出しています。

(e) TRIZの対象を「技術分野」としていることが普及を狭めているのだ、という見方もあります。ビジネスや社会の分野に拡張することも一つですが、もっと大元で「創造的な問題解決/課題達成の考え方」として伝えるとよい、と考えられます。このような考え方をすると、院生・学生よりももっと若く、高校生、中学生、小学生、幼児に対して、それぞれに適した教え方/伝え方を見出すことができます。

以上のようないろいろなアプローチがあり、本シンポジウムの中でもいろいろに取り上げられています。

まずこのセッションでは、学生、院生、若手技術者に対する教育で、講義よりも演習に重点を置いた例をいくつか紹介してもらい、議論します。

他に、つぎのものに注目下さい。
       特別講演 弓野憲一:「創造性を教育する」、
       特別講演 Dr. Jeongho Shin: 「楽しく学ぶTRIZ」
       グループ討論: 「教育とTRIZ」
       まとめの討論: 「若々しいTRIZのために」

 

 

   スライド (11枚) PDF (172 KB)

 

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最終更新日 : 2012.12. 5     連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp