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編集ノート (中川 徹、2023年 6月 4日)
この『TRIZホームページ』のテーマとしては例外的ですが、2011年の東日本大震災(地震・津波・原発事故)以後に、震災および今後の防災(特に地震予知研究)に関する特別ページを掲載してきております。今回で第3次の親ページの作成であり、地震予知研究と防災に関する記事を順次掲載していくつもりです。
編集ノート (中川 徹、2023年12月11日)
「地震予知研究と防災(減災)」の重要性を再認識し、このテーマを『TRIZホームページ』の一つの重要なプロジェクトとして位置づけ直すことにしました。それに伴い『TRIZホームページ』のトップページの直下に新しいフォルダーjEQPを作り、このページをそこの主ページとして据えました 。
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地震関連フォーラム 従来のページの索引
震災と地震予知研究に関わる、今までのページの索引を作っておきます。
(II) 電磁気学的な現象を手掛かりとする地震の短期(直前)予知の研究についての紹介 (中川 徹) (2015.3.7 - 3.17)
参考文献・サイト: 吉岡匠氏の地震予知研究関連の記事・文献、日本地震予知学会 と 関連研究者による研究・活動など、 地震学・地震予測など より広い範囲の研究・活動・資料など、 [D] 質問・批判・議論・参考その他 (2015. 3. 17)
その後の経過と本ページ作成の趣旨 (2023. 6. 4)
さて、2015年3月に始めました上記(II)のページがこの8年間中断したままになっていること、そして今、震災に関する第III次の親ページを始めようとしていることについて、少し説明しておかなければなりません。
2015年3月の段階では、その3年前に知った北海道科学大学の吉岡匠客員教授の年賀メールで『日本地震予知学会』が発足したことを知り、同学会に入ったところでした。その後、毎年クリスマス前後に開催される同学会の学術講演会(2日間)に出席し、いろいろな研究発表を聴き、多くの方と面識ができました。吉岡先生の研究資料を上記のように本ホームページに掲載しましたが、その後(電力会社等からの生データが入手できなくなったため)研究が立ち消えになったのは残念なことでした。他に発表される多数の方法のうち、どれが本当に確実性・信頼性・将来性などがあるのかを、判断することは容易でありません。非専門の私が安易な紹介やレビューを書くべきではありませんし、特定の発表資料を本ホームページに再掲載させていただくこともできずに、8年間が経ちました。
昨年末の学術講演会で、私は一つの研究の有望性を感じ、「ぜひ支援していきたい」と思いました。そして、地震予知の研究基盤をもっと強化する必要があると思っています。
それと同時に、私は2週間前に、泊次郎著『日本の地震予知研究130年史』(2015)を知り、この10日間で読み上げ、感激しました。Amazonサイトに書評を寄稿したところです。8年前の力作を今まで知らなかったことを反省しています。そこで、本サイトでは、地震予知に関するもう一つの力作、力武常治著『地震予知―発展と展望』(2001)の私の書評(Amazon,2015. 5)とを掲載することから始めることにしました。読者の皆さまから、いろいろな情報・意見・感想・寄稿などをいただき、有意義なページにしていきたいと願っております。
本ページの索引 (中川 徹、2023年 6月 4日; 最終更新: 2024. 1. 4)
(1) 書評 (中川 徹、Amazonサイト、2015. 4.20) 『TRIZホームページ』 掲載 (2023. 6. 6)
『地震予知―発展と展望 』 力武常治著、 日本専門図書出版 (2001. 1. 1)、617頁
2000年までの地震予知研究の集大成。専門書でありながら、読みやすく、親しみやすい、素晴らしい本。
(2) 書評 (中川 徹、Amazonサイト、2023. 6. 2) 『TRIZホームページ』 掲載 (2023. 6. 6)
『日本の地震予知研究130年史: 明治期から東日本大震災まで 』 泊次郎著、 東京大学出版会 (2015. 5.27)、 686頁
地震の研究者、防災・行政の関係者はもちろん、震災を軽減したいと願うすべての国民のための、素晴らしい力作です
(3) (一般社団法人)日本地震予知学会 を紹介するページ (編集:中川 徹) (2023.12.10; 最終更新日: )
日本地震予知学会のホームページへのリンク https://www.eqpsj.jp/index.html およびその主要ページヘのリンクを常設しています。
また、その主要な活動(学術講演会、シンポジウムなど)、主要な記事などを随時紹介する予定です。2023年学術講演会: 2023年12月22-23日、電気通信大学&オンライン (2023.12.11)
(4) 地震予知研究の発展方向を考える (中川 徹、日本地震予知学会2023年度学術講演会 発表、2023.12.22) (2023.12.11; 12.25)
発表予稿の要旨、および発表予定スライドのタイトルページを掲載しました。予稿の全文とスライド全件は、学会発表後に掲載の予定です。 --- 地震予知学会は学術的・学際的かつ実用的な立場を守りつつ、非会員の方の講演会の聴講や学会入会を歓迎しております。(2023.12.11)
発表資料の全体を掲載しました。(2023.12.25)。 発表論文 (HTML; PDF(学会予稿集)(6頁)); 発表スライド (HTML; PDF; PDF(4スライド/頁)); 発表ビデオ(前日のリハーサルの録画):MP4(15分56秒、48.5 MB) )。
非専門の研究者の目から見た、私の認識の全体像を提示しています。論文要旨は以下のようです。
近年の地震学は、プレートテクトニクス理論を土台にして、地震計のネットワークによる地震動解析と測地衛星による地殻移動測定などを使い、地震の長期/中期の確率論的予測を可能にしてきたが、短期/直前予知は不可能として忌避している。
しかし、「地震の減災のために、短期/直前予知をぜひ可能にしたい」というのが、国民の願いであり、われわれ日本地震予知学会の目標である。本編はその目標実現の方法論を考察する。
基本は「前兆現象を捉える」こと。第一の方針は、(理論先行でなく)観測実験を基にして実証する「実験科学」のアプローチであり、第二の方針は、(力学的現象よりも)電磁気学的現象に注目する。
特に、「地中電場の変動現象」で顕著な実測データが得られた [筒井稔(2022)] ことに注目し、「複数サイトで同時観測し、これが前兆現象の一つであることを実証するプロジェクト」を提案する。2024年
eEQP: 英文ページを掲載: 地震予知研究と防災(減災): 索引ページ (編集:中川 徹) (2024. 2.18) (2023.12.12)
「地震予知研究と防災(減災)」(EQP) のテーマの関して、和文ページに対応する形で、英文ページを作りました。ただし、このテーマに関しては、和文ページに力を注ぎ、英文ページは簡単な紹介の英訳に留めざるを得ない状況です(多忙のため)。
EQP: 書評:吉田彰顕著『地震前兆やいかに〜電波による複眼観測〜』 サイバー出版センター(2016) (中川 徹、Amazonサイトに投稿・掲載 2024.1. 4) (Amazon ) (2024. 1. 4)
素晴らしい研究実践、詳細で明快な実データの提示、感動的な教育実践。 -- しかし、本書よりも直接的な他の観測方法で地震前兆予知の光明が見え始めている。
本書の研究のねらいは、「見通し外からのFM放送電波が、電離層によって反射されて到達する場合があることを利用して、地震が電離層に与える影響を観測し、特に地震の前に現れる特徴的な現象(前兆現象)を見出し、地震の短期/直前予知の方法を創りたい」と要約できる。
NTT横須賀研究所と広島市立大学の20年余の研究で、(受信)観測点を計18か所設置し、各地の見通し外FM放送局からの電波を常時受信するシステムを構築して、運用・解析している。観測系の(人工起源と自然起源の)ノイズを極力減らし、それでも避けられないノイズを識別・除外するためのノウハウの創出に、特に尽力しており、銀河中心からの微弱な信号まで確実に識別できている。
そして、次の3つの地震について、詳細な観測データとその解釈を示している。 2004年新潟県中越地震(M6.8)、2007年能登半島地震(M6.7)、東北地方太平洋沖地震(Mw 9.0)。そして著者の結論は、 「地震動の到達と共に広帯域の電磁ノイズがしばしば観測された。しかし、電離層擾乱など、地震に関連した前兆現象は検知できなかった。」と。
p. 201の著者の感慨が興味深い。「地震は地下で起きる現象です。私が取り組んできた、地表・地上・電離層との関係から地震電磁現象を観ようとする方法は、やはり間接的手法と言わざるを得ません。物事の本質に迫るには、何よりも対象を直接観ることが肝要です。その意味で、地震に関しては、地下を直接観ることがよい結果につながると思います。」
(クリックして、拡大)-- 私 (中川) は、地震の専門家ではありませんが、2015年に日本地震予知学会に入会し、その学会発表をずっと聴いてきました。約8年間は地震の前兆現象を捉える確たる方法が分からず、暗中模索の感がありましたが、2022年12月末および昨年末の学会で、光明が見えたと感じました。GEONETデータを使い地域ごとの地殻の歪の時間変化を観測する方法、地中深くの垂直直流電場を連続観測する方法、連続GNSSシステムで観測されている電離圏全電子数(TEC)の変化を分析する方法、などです。これらの方法は、まだ事後分析で地震の前兆事例を確認・蓄積している段階です。本当に地震との相関関係を実証し、広範な観測システム網を構築し、地震を確実に予知できる技術体系を創るには今後20年とか30年とか掛かるでしょう。
本書の研究実践は素晴らしい、研究成果(実データ)の提示も素晴らしく明快ですし、巻末の教育実践も感動的です。それらを吸収して、導かれ、さらに乗り越えて行くことができれば、と思います。
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最終更新日 : 2024. 2.18 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp