TRIZ活動

To Do List for TRIZ

 

        (協力下さるボランティアの方を求めています)
    中 川  徹  (大阪学院大学)
    最終更新日 :   2009年 3月 2日;   追記: 2013. 4.17 
 For going back to the English page, press: 

注 (2013. 4.17 中川 徹):  本ページの更新が 4年間できていませんでした。現在の新しい状況に合わせて整理するために、4年前のページを「旧ページ」として別に扱うことにいたします。 なお、関連ページはつぎのようです。

最新ページ (2013年4月以降)
2013年3月以前のページ (2009年3月最終更新)
2007年5月以前のページ

はじめに  (中川  徹, 2004. 5.13)

  本サイト『TRIZホームページ』は, TRIZの推進のための情報公開と交流の場としていままで活動してきております。個人で始めたものですが, 皆様のご協力とご支援を得て, 日本でも世界でも随分と読んで活用いただいていることをありがたいと思っております。ただ, 読者が多くなるに従い, するべきこと/するとよいことが増えてきて, いろいろなことが手が回らなくなってきております。

  そこで, このページにいくつかの懸案事項を書き出して, 読者の皆様でご協力いただける方を求めたいと考えました。ここに書きます項目には, リンク集の作成など比較的やさしい項目もありますが, 解説執筆や翻訳など高い専門性をお願いする項目もあります。ボランティアとしてご協力いただける場合には, 小生まで電子メールでご連絡下さいますと幸いです。

(追記: 中川 徹 2008. 2. 8)

新しく昨年のTRIZCON2007から3論文、昨年のETRIA TFC2007 から10論文を掲載しました。バックログが長くなる一方で、もったいない話です。海外の素晴らしい論文・適用事例がここにリストされており、多数の日本の読者に読まれることを待っております。
このたび、TRIZCON および ETRIA TFC の了解をいただき、日本語訳ができていない段階でも英語論文を掲載させていただくことになりました。2005年のものから古い順に英語ページを作っていく予定です。英文をお読みになって、やはり和訳が有益だと思われましたら、ぜひ和訳ボランティアになっていただきたく、お願いいたします。

なお、この機会に、海外からの著者の論文・解説・著作などで本ホームページに英文まかは和文で掲載されているものすべてのリストを英文で作成し、一覧できるページを作りました「List of TRIZ Selected Papers Written by Overseas Authors and Contributed to "TRIZ Home Page in Japan" since 1998」。索引としてもご利用ください。本ホームページの役割を「公共サイト」と考えておりますが、詳しくは2007年11月1日の記事をご覧下さい。


 (1) 本『TRIZホームページ』でのサービス機能に関わるもの

「TRIZ関連ソフトウェアツール」のページの更新と充実

ソフトウェアツールに関する客観的な情報の提供

 (2)  解説記事などの執筆に関わるもの

TRIZ関連のソフトウェアツール (個別のソフトでもよい) の紹介・しくみ・使い方・適用法などの解説記事

本ホームページの趣旨を理解いただき, 商業的でない解説をお願いします。

 (3) 海外の重要論文などの和訳紹介

すでに原著者などから和訳および掲載の許可を得ているものに以下のものがあります。  

ETRIA TFC 2008 (オランダ) 精選論文 6編 [ETRIA TFC 2008 学会参加報告 (2009. 3. 2 ) を参照] (掲載: 2009. 3. 2)

Darrell Mann (英国)、"Smart Materials Solve Contradictions: Connecting The Right Materials Solution To The Right Market Need":

「賢い材料 (Smart Materials)」とは、外界からのなんらかの刺激(例えば、圧力、熱、電圧、光など) の変化に対して、なんらかの性質 (例えば、形、色、透明性、電圧など) が (非線形的に) 異なった応答をする物質/材料のことである。この非線形な応答 (すなわち、極端な変化) が、矛盾問題を解決する可能性をもつ。著者はこのような材料 (あるいは現象) の一覧表を作って、その利用のしかたを述べている。これら材料の応用分野の開拓が大きな課題になる。まずニッチでの応用を開発して、本命の応用に進むのだという。

Gaetano Cascini (イタリア) ら、"Networks of Trends: Systematic Definition of Evolutionary Scenarios":

技術システムの進化の予測のための方法を作っている。設計工学などの学術的ベースの上に、TRIZでの進化の考え方をプラスしていくことを目指す。Pahl & Beitz の EMS (Energy-Materials-Signal) モデルを用いて対象システムを階層的に表現し、その最下層にTRIZの物質-場モデルなどを位置づけ問題解決を考察する。特許分析の結果と、TRIZの進化トレンドとを、この階層的なシステム表現に適用して考察する。この方法は再現性があると著者たちは主張している。

Philip Samuel ら (米国)、"A Taxonomy of Inventive Principles for Robust Design Concepts":

製品開発において、QFD - TRIZ - タグチメソッド (ロバスト設計) をこの順に連携させて用いることが、永年推奨されてきた。本論文の価値は、解決策の評価法としてのタグチメソッドの前に、より明確な「ロバスト設計のための指針」を確立したことである。(TRIZの研究法を使い) ロバスト設計を謳っている特許200件を集め、その設計の指針を抽出し、それをタグチメソッドの枠組みで表現した。パラメタ・ダイアグラムの4つの要素(すなわち、入力信号、制御因子、ノイズ因子、出力応答) のそれぞれに対する、ロバスト設計のための戦略的指針 (計19項目) を明確にした。

Gunther Schuhら (ドイツ)、 "How to Prevent Product Piracy using a new TRIZ-based Methodology":

アーヘン工科大学が複数企業との共同研究の結果をまとめて発表したもの。偽製品の問題は一部のブランド品だけでなく、さまざまな製品に信用問題やトラブルを生じる。偽製品の販売を防止したり、摘発したりするのとは別に、偽製品の製造を防止/抑止する方法を研究した。ゲーム理論とTRIZを用いて考察し、指針を示した。研究結果だけでなく、研究方法も興味深い。ETRIA  TFCから最優秀論文賞が与えられた。

Ellen Domb (米国)、"Teaching TRIZ to Beginners": 

TRIZの初心者研修で最も人気があり、実績があるEllen Dombが、教育心理や教育法の新しい考え方をTRIZ教育に取り入れることを提唱している。その方法の教科書は、Ruth Colvin Clark : "Developing Technical Training, 3rd Edition" (2008)。教えるべき対象項目は、その性格から一般に、「事実、概念、手順(Procedure)、プロセス (Process、あるいは、しくみ)、原理」という5種がある。これらに応じて、教える方法が違う、するべきこととその順番があるという。Domb はその考え方を導入して、TRIZの基本な考え方の教育法を再検討しようとしている。--大事な考え方であり、この原典を含めて学習するとよいと思う。

Darrell Mann ら(英国)、"Creating A Meta/Mega/Micro Market Trend Hierarchy: Trying To Understand Populations Better Than Populations Understand Themselves":

本発表は、「イノベーションがどうしてそれほど難しいのか?」という疑問をモチーフにしている。技術システムの予測よりも、市場の予測の方がもっと難しいからだと考えている。Mann らは良く知られている最新米国特許の継続的な分析・研究と同時に、ビジネス書や経済・社会関係の情報についても大規模な分析・研究を永年続けているという。それらをバックにして彼らは1000余の市場変化のトレンド (キーワード) を抽出してきた。彼らは具体的な一つの製品に関わる市場動向なら、丸2日のワークショップで約50のトレンドを扱い、方向性を見出せるようになったという。本発表は、それをもっと一般化して、1000余のトレンドについて、それらの関係を全体的に考えようとするものである。これら1000余のトレンドを整理する方法の一つとして、時間(特に消費者の世代的特徴)、空間 (地域など)、インタフェース (相互関係、価値観など) での分類を論じている。大きなスケールの研究プロジェクトである。

ETRIA TFC 2007 (フランクフルト) 精選論文 10編 [ETRIA TFC 2007 学会参加報告 (2008. 2. 8) を参照] (掲載: 2008. 2. 8)

Ellen Domb ら (米国) [25] "The Complete Technical System Generates Problem Definitions":

TRIZの初心者たちがその最初の適用試行で躓かないように、やさしい導入と適用のしかたを工夫したもの。

Valery Souchkov ら(オランダ) [43] "Selecting Contradictions for Managing Problem Complexity":

問題の分析で原因結果の関係をRCA+ダイアグラムで記述する。(+)の結果と(-)の結果を導く要因として、矛盾の事象(+-)が表現される。この矛盾が複雑に絡み合ったときに、問題を解決していくための指針を一般的な形で記述した。

Dmitry Kucharavy ら(フランス) [12] "Application of S-Shaped Curves":

S-カーブ分析について、いろいろな文献を参照しつつ、学術的・客観的にその基礎を明らかにしようとしている。定量性/定性性、データ収集、信頼性、予測可能性など、随分デリケートな問題がある。

Pavel Jirman ら(チェコ) [30] "Development of the Technological System Tool as a Basis of TRIZ":

9画面法で将来システムを予測するときに、システムの中心部にある「ツール (作用するもの)」の進化トレンドを考えるとよいという。具体例として板ガラスの製法を論じ、旭硝子社の「Aqua-Float法」こそが次世代の製法であるという。

Markus Deimel (ドイツ) [7] "Relationships between TRIZ and Classical Design Mehodology":

この論文は、従来の設計方法論とTRIZとが対立するものではないといい、設計方法論の中にTRIZの諸ツールを取り込んで組み上げている。また自動車のヘッドランプの問題を例にしてそのやり方を示している。

Marina Ksenofontova ら (ロシア) [34]: "Innovative Improvement of Consumer Products":

米国のGEN3 Partners のやり方。ユーザの「Main Parameters of Values (MPV)」 をまず明らかにし、それを実現するための「Technical Parameters」を解明する。QFDと同様な問題意識であるが、より技術の本質を考えようとしているといえる。

Peter Schweizer (スイス) [42] "No Need for Methods?":        [完了:  森久 光雄 氏 訳。掲載:  ]

Robert Adunka (ジーメンス、ドイツ) [18] "Lessons Learned in the Introduction of TRIZ at Siemens A&D":

ジーメンスの主要な事業部門の一つ(Automation and Drive) で、2005年秋から'Strategic Task Group' を作り積極的なTRIZの導入を始めた。そのやり方は、隔週開催の「Invention On Demand Workshops」。STGが人と予算を持ち、ワークショップで実地の問題解決を図る。問題解決型、革新指向型、特許創成型の3種で、1年間の実績は各10件、7件、8件の合計25件、244人が参加。問題に合わせていろいろな技法をSTG が試みている (TechOptimizerを活用)。

Juergen Jantschgi ら (オーストリア) [29] "Joint Application of TRIZ in Groups of Several Companies in Austria:

Approach & Case Studies of Cross-Company Workshops":  レオベン大学の産学共同センターが仲介して行った 2つの形態の報告。第一はSUPPORT法 (TRIZ と Sustainable Engineering) の 5日間トレーニングワークショップで、さまざまな企業の技術者の共同作業。第二は、二つの異業種中小企業間の相互交流1日共同TRIZワークショップ。試みとして面白い。第一の形態は、中川は公募制USITトレーニングで1999年以来行っており、権利義務関係もより明確になっている。

Bert Miecznik ら (ドイツ) [39] "TRIZ for Reverse Market Research":

この論文も、自分たちの製品の中の得意なもの、独自の新しいものをベースにして、それを活かす可能性のあるユニークな市場を特許データベースを鍵にして見つけようとする。事例として、FITBONEという、(病気や障害などのために) 短い骨を徐々に長くする治療具を、活用する例を示している。ポイントはその発明の強みをTRIZ発明原理で表現し、さらにその原理と結びつく語句を探し、それらのキーワードで特許データベースを検索するのである。この例では、「望遠鏡式 or 入れ子」 AND 「可変 or 適応」 AND 「電気的 or 無線」で検索している。有用であると思う。

TRIZCON2007 精選論文 3編  (和訳許可取得 2007. 6.15) (掲載: 2008. 2. 8) [TRIZCON2007 学会参加報告 (2007. 7. 3) を参照]

Gunter Ladewig ら(PRIMA Performance、カナダ): 「被覆ワイヤによるワイヤボンディング法の革新」 (「Microbonds」)。

現在半導体チップを基板に接続するには、チップ周縁に相互に接触しないようにワイヤボンディングを行っている。あるいは、ハンダボールを並べた、Area Array Flip Chip 法がある。TRIZの進化のトレンドでいえば、「点 → 直線・曲線→ 2次元の直線・曲線 → 3次元の直線・曲線」のトレンドにおいて、2次元での展開を十分しないまま、3次元に進もうとしているといえる。ワイヤを厚さ1ミクロンで絶縁し、高い密度で、接触可能で、自由な配線のワイヤボンディング法を確立した(2次元の曲線に対応)。従来のワイヤボンディング装置で使える。この開発にTRIZの原理が指針となり、多数の矛盾を解決して技術を作った。この技術は、近い将来、半導体技術分野全体に非常に大きな連鎖的効果 (Super Effects) をもたらすと考えられている。-- TRIZが導いたすばらしい技術開発事例である。
-- 完了: 市川 旦典 (新電元工業株式会社)中川 徹 訳、(2007. 9.13掲載)   --

Shinhoo Choi ら (LS Cable、韓国): 電解法による銅フォイルの製造過程での技術改良。

チタンドラムの研磨・洗浄においてドラムの端が磨耗する問題の分析と解決。TRIZによる分析と解決の事例を丁寧に述べていて、分かりやすい。

Tzu-Chang Chen (Taiwan Textile Research Inst.、台湾): 特許および特許ポートフォリオの分析・評価方法。

機能性繊維 (電気ヒータ内蔵繊維) を例にして、特許 (群) の分析・評価法を述べる。通常の知財分野での分析法に加えて、TRIZでの機能分析、トリミング法などを駆使し、体系的に特許のアイデアを知ると共に、代替アイデアを網羅することにより、特許を強化したり破ったりすることができる。実績に基づいた地道でしっかりした優れた研究発表である。

CREAX社: Function Database   (掲載: 2007. 5. 6)

ベルギーのCREAX社が作って、そのWebサイトで無償公開している「Function Database」の全件。これは、Darrell Mann 著 (中川監訳) 『体系的技術革新』の第15章中の「表15.1機能のデータベース」に記述されている物理的効果の全件を一つ一つ説明したもの。説明が簡潔で分かりやすい。いろいろな分野に跨がっているので、数人で分担して翻訳すると、有用なものになると思われる。

Ed Sickafus:  (USIT News Letter No. 69) "Heuristic Innovation and Its Development"        (掲載: 2007. 5. 6)

USITの開発者 Sickafus博士の最近の新しい理論"Heuristic Innovation" を開発するにいたった内面の過程を記述した記事。2007年3月19日配信のもの。昨年の日本のTRIZシンポジウムでの基調講演をさらに発展させたもの。なかなか難解な文章だが、注目すべきドキュメントである。
[(2008. 2.1、中川): 古謝さん、川面さんの和訳原稿を半年以上前に受け取っていますが、中川が推敲できていません。もう少しお待ち下さい。] [完了、掲載、 2008. 3.30  古謝・川面・中川]

ETRIA TFC2006 精選論文 7編 (掲載: 2007. 5. 5) [ETRIA TFC 2006 学会参加報告 (2007. 1. 7) を参照]

[Keynote] Aleksey PinyayevThe Evolution of Altshuller's Principles
[48] 同: "Functional Clues"

TRIZの諸原理を統一的にまとめる/理解する試みが歴史的にいろいろ行われてきた。それをアルトシュラーの「40の発明原理」とその発展としてまとめている。これらの原理は「多く、精緻であるほどよい」、しかし、実際の使いやすさからいうと「少なくて簡単であるほどよい」。この矛盾をTRIZがどのように扱ってきたかを考察している。中川のレビューも参照されたい。

[19] Stephen C-Y. Lu:  Scientific Foundations of TRIZ for Innovative Engineering Design

基調講演。設計工学の立場から現在の諸理論 (公理的設計など) をレビューして、TRIZの位置づけを明確にしようとしたもの。2006年のETRIA国際会議の大きな方向づけを代表する論文。

[21] Geert Tanghe:  High Speed Train Concept

応用事例の面での基調講演。ドイツでの高速鉄道用車両の設計コンペで採用されたもの。客車の乗降口をどのよに設計するとよいのか、いろいろな基本方式を検討して、新しいアイデアを出している。論文は6頁の制約があり分かりにくいが、スライドを入手しており、うまく両方を使って訳出するとよい。

[44] Jan R. Weitzenbock et al.:  Using TRIZ to Develop New Corrosion Protection Concepts in Shipbuilding -- A Case Study

Darrell Mann が指導したワークショップの成果事例。やり方が分かりやすく、筋道立って詳しく記述されている。船体の腐食防止の諸方法についての問題解決事例。

[46] Vratislav Perna, Bohuslav Busov, and Pavel Jirman:  New Motor and TRIZ Evaluation

"「非線形のネジ」 2本を使ったスクリュー"といわれて、分かる人はいないでしょう。「非線形のネジ」というのは、ネジのピッチが軸方向に変化していくものです。2本を組合せて、フードの中で回すことにことにより、(船の)スクリューができます。また、このスクリューの変形で、内部にガスバーナーのようなものを組み込むと、それがまったく新しい方式の「モータ」になる、それはガソリンエンジンやタービンを置き換えてしまう新しい技術なのだといいます。非常にユニークな発明であり、それをTRIZの観点から評価し、考察した論文です。TRIZCONや ETRIA TFCでいままでに話された中で、もっともユニークなものと思います。論文、スライドの他に、アニメのCDを貰っています。自動車関係の方で翻訳していただける方を求めます。
[完了: 齋藤昌弘 (ヤンマー)・中川 徹訳、2007. 8.17 掲載済み]

[36] Filip Verhaeghe:  TRIZ Predicts Major Shift in Information Technology

現在のIT技術 (情報通信技術) の大きな動向が、「On Premise」のソフトウェア/システム/ビジネスから、「On Demand」のソフトウェア/システム/ビジネスへの転換であると論じる。前者は、ソフトなどを買って、自分の所でPCを使い、処理をしようとするもの。後者は、プロバイダの所にあソフトやハードを使い、データ (あるいは指示だけ) を送って処理をしようとするもの。Googleが後者の代表であり、さらに多くのビジネスが発展しているのだという。これらの流れをTRIZの諸原理を通じて説明している。興味深い論文である。
[完了: 石野慈雨 (大阪学院大学学生)・中川 徹訳、2007. 7. 3. 掲載済み]

[23] Valeri Souchkov et al.:  TRIZ in Business: Application of RCA+ to Identify and Solve Conflicts Related to Business Problems

ビジネス分野にTRIZを適用する方法について論じている。とくに、根本原因分析のやり方とその適用法を述べていて、随分適用範囲が広い。前回の論文からの発展。

TRIZCON2006 精選論文 3編中 残り 1編 (掲載: 2006. 7.18; 更新 2007. 5. 5) [TRIZCON2006学会参加報告 (2006. 6.20) を参照]

[1] Darrell Mann: "Unleashing the Voice of the Product and the Voice of the Process"

「顧客の声」を聞けとはよくいわれるが、その実その声は一面でしかない。製品の声、プロセスの声 (製造方法)、配送の声 (流通方法)、システムの声 (制御) などと合わせて聞いて、初めて本当にすべての声を聴くことになる。それらの声を聴く方法を例示している。

ETRIA TFC2005 精選論文 9編中 残り 6編 (掲載: 2006. 1.13、更新 2007. 5. 5) [ETRIA TFC 2005 学会参加報告 (2006. 1.13) を参照]

[A2] Larry Smith:  Growing TRIZ in the 21st Century

基調講演。TRIZが持ついくつかの問題の克服が必要であること。謙虚で大事な提案。

[A3] Simon Litvin:  TRIZ Readings -- Altshuller's Tradition Continuation

基調講演。TRIZ Masterたち20人が行なったワークショップの紹介。TRIZの今後の発展の方向について真剣な議論をしている。昨年のVictor Fey の「Don't Touch TRIZ!」でなくなったことが、最も重要。

[37] Markus Wellensiek et al. :  Technology Intelligence: Defining the Potential of Emerging Technologies

新興の技術が、従来の技術に比べて、将来的にどれだけのよくなる可能性があるかを、きちんと、ある程度定量的に予測しようとする方法。燃料電池とリチュウムイオン電池との比較で、方法を例示している。

[39] Peter Schweizer et al. : CAI-Based Innovation Management at ALVEO AG

Goldfire Innovatorを用いて、TRIZと特許分析とを組み合わせたアプローチを分かりやすく述べている。

[41] Valeri Souchkov:  Root Conflict Analysis (RCA+): Structuring and Visualization of Contradictions

根本原因分析あるいは根本矛盾分析の図式的な方法。非常に分かりやすく、問題のメカニズムと原因の解明、技術的矛盾と物理的矛盾の同時記述などができる。フェリー「エストニア号事故」についての分析とアイデア創出の事例を載せている。

[42] Lorenz Meierhofer:  Applied Methodical Innovation Management in the Expert Group "Crea(c)tor"

オーストリアTRIZセンターで、TRIZのエキスパート達が自分たちで問題解決ワークショップを行い、それを問題解決ビジネスとして作り上げた考え方を述べる。TRIZの中級〜上級者のトレーニング法としても面白い。

TRIZCON2005 精選論文 7編中 残り 6編 ( 掲載: 2005. 6.28; 更新: 2007. 5. 5) [TRIZCON2005学会参加報告 (2005. 6.16) を参照]

Len Kaplan: "Three Main Flops of TRIZ -- And How to Avoid Them"

TRIZの「強み」と思っていることが、意外にもTRIZの普及を阻害していると述べる。TRIZが肩肘張らずに西側企業の文化にとけ込むべきことを述べ る。

Steven Ungvari: "Lean/TRIZ:  Eliminating Waste in Product Development through Innovation"

トヨタ生産方式の思想を欧米が取り入れた「Lean Engineering」と、TRIZとを融合させて、その考え方を分かりやすく説明する。設計・製造における主要な矛盾が、「Good  Ilities」(顧客/企業にとっての価値ある性質) と 「Evil Ings」 (主として製造・保守などの過程で必要になるプロセス、とその根本原因の性質) との対立にあるという

Darrell Mann, Juergen Jantschgi: "Case  Studies in TRIZ: Renewable Energy Systems"

風力発電とリサイクルの問題を例にして、ヨーロッパでの平易なTRIZの応用のアプローチを述べている。

Isak Bukhman and Stephen Brown:  "The TRIZ Give Way to the Wind, and Give the Wind Away:  A Repeatable Process for Improving Sustainable Wind Energy Generation"

風力発電機の改良を例として、VEとTRIZを統合した問題解決の事例を示す。IM社の発表。

Simon Litvin: "Objective Criteria of WOW Effect in Consulting"

TRIZのコンサルティングを成功させるには、顧客に「凄い、すばらしい」と思わせないといけない。そのための4種のアプローチを、具体的な適用事例で説 明する。この4事例が楽しい。

Jon Wm. Ezickson: "Deploying Innovation and Inventive Thinking in Organizations -- Applying TRIZ to Non-technical Fields of Business"

TRIZが製造業の企業に進出している場合にも、営業・財務・人事などの非技術部門や経営トップへの浸透ができていない。これをすることが、TRIZの本 当の企業進出になるとして、具体的なアプローチを述べている。

その他

         Larry Ball: "Hierarchical TRIZ Algorithms" (『階層化TRIZアルゴリズム』)

TRIZの考え方の全体を、独自のやり方で消化しなおして10ステップとし、初心者用の手引き、および経験者用の詳細な解説をつくり、非常に多数の図解を 用いて示したもの。すぐれたTRIZ教材。2005年5月よりTRIZ Journalにて連載中。全編先行入手済み。
--- ** 完了: 高原利生・中川 徹 訳、導入部・簡略版和訳完了 (2006. 6. 9)、詳細版和訳完了 (2007. 7.22)。全編を本ホームページに掲載中 正式CD-ROM版を(株)創造開発イニシアチブより販売中 --

この前身は、"Breakthrough Thinking"。第1版TRIZ Journal 2002年3月掲載、第1版解説部分の和訳 (中川訳) を掲載済み (2003. 3. 5)。第2版 TRIZ Journal 2004年1月に書評掲載。

          Natalia Rubina :  "Course of Creative Imagination Development (CID) based on TRIZ:  Methodical GuideBooks and Childre Workbooks for Three Grades"

小学校の1年生〜3年生のための「TRIZに基づいた創造性教育」の教科書と指導書の全セット。『TRIZ Home Page in Japan』 に英文で2001年〜2002年に掲載したもの  

            Ellen Domb and "Jack" Jacklich: "Applying TRIZ to Endodontic Tool Design"

ETRIACON2003 論文。歯科手術器具の発明への応用。それまでの発明家がTRIZをすうーっと取り入れているそのセンスが楽しい。 [概要紹介:  ETRIA報告参照 ]
TRIZ Journal:  http://www.triz-journal.com/archives/2003/12/b/02.pdf

 

 (4) 海外の著書の翻訳出版

著書の翻訳もいろいろな契約のもとに進めています。
Darrell Mann (CREAX社 & IFR社) の教科書のシリーズなど。

  Umakant Mishra 著: "TRIZ Principles for Information Technology" (英文ドラフト版、TIC (米国))

IT/ソフト分野の技術の技術要素を網羅して、TRIZ発明原理で分類し・整理したもの。技術項目1000件、特許100件、注目技術100件を収録している。
-- 現在、翻訳プロジェクトが活動中、協力者を求む。詳細は、Mishra 「IT & TRIZ」翻訳プロジェクトの案内ページを参照。仮題名: 『ITとソフトウェアにおける問題解決アイデア集 −TRIZの発明原理で分類整理』 (2008. 2. 1) --

 (5) 日本語の記事の英文への翻訳

これはやはり日本語の記事 (例えば企業実践事例など) の原著者にお願いしたいことです。
あるいは英語での論文化を原著者にお願いしたいと思っております。


完了したもの (2008. 2. 9 以降)               [注: このページの整理が未完です。(2009. 3. 2)]

「TRIZリンク集」 のページの更新

日本国内でのTRIZリンク集の更新
海外のTRIZリンク集の更新

「TRIZ参考文献・関連文献」  のページの 更新

TRIZ関連の教科書・関連図書の一覧, 目次の一覧 などの整備

Peter Schweizer (スイス) [42] "No Need for Methods?":        [森久 光雄 氏 訳。掲載:  ]

7年間のTRIZコンサルティングの経験から、企業の人たちがTRIZをなかなか受け入れないことを、彼らの心理の面から考察している。欧州や米国で繰り返し、「嘆いて」きたことをもう一度興味深く話した。しかし、中川は、「TRIZ自身を少し適応させ、もっと分かりやすく、かつ適用しやすくすればよい、実際にそれはすでにできている」と考える。日本や韓国は、この欧米の嘆きの段階を克服していると思う。

 

**** 以前に掲載したもの  (完了したもの、未完了のバックログで本ページから削除したもの) (2007. 5. 5) ***

 
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最終更新日 : 2008. 3. 2.    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp