TRIZフォーラム: IT & TRIZ
Mishra 「IT & TRIZ」 翻訳プロジェクト 案内 (1)
Umakant Mishra 著 『ITとソフトウェアにおける問題解決アイデア集 −TRIZの発明原理で分類整理』 (仮題)
堀田政利 (創造開発イニシアチブ)・中川 徹(大阪学院大学)
掲載:2007.12.19;  追加・更新: 2008. 1.7;  1.29; 2. 8; 9. 7

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最新情報:  プロジェクト案内(2) (2008. 9. 7) 

和訳初稿が全編完成(2008. 7末)、第2稿に推敲中。原著の改訂版(2008.5-6)、改訂最終版到着(2008.8)。TRIZシンポジウムにて和訳暫定見本版(創造開発イニシアチブ) を展示します。(掲載: 2008. 9. 7)

編集ノート (中川徹、2007年12月18日)

このページは、去る8月17日に紹介しました Umakant Mishara の著書 "TRIZ Principles for Information Technology" を、日本語に翻訳出版しようというプロジェクトをご案内するページです。

この翻訳プロジェクトは、つぎのメンバで構成しました。

堀田 政利 (創造開発イニシアチブ) [責任者]、
中川 徹 (大阪学院大学) [監訳者]、
小西慶久 ((元) 三菱総研) [翻訳者]、
庄内 亨 (日立中研) [翻訳者]、
前田卓雄 (匠システムアーキテクツ) [翻訳者]、
宗 雅彦 (サイテック) [翻訳者]

11月末に著者と正式に契約し、英文原稿のファイルを入手して、翻訳作業を開始したところです。本書を出版して貰える出版社を探した上で、できれば2008年末までには翻訳出版したいと考えております。

本書は、IT/ソフト分野の人たち (専門家だけでなく、この分野に興味を持つ多くのユーザの人たち) に読んでもらうとよい本です (TRIZの予備知識はいりません)。そのような人たちに理解いただけるように、本書の魅力を伝えていきたいと考えています。どうぞお知り合いの人たちにもご紹介下さい。

英文ページをつくり、著者とTICの許可を得て、本ページ資料を原著英文でも表示しています。 [2008. 3. 9、中川 徹]

 

TRIZシンポジウム2008 (琵琶湖) で、暫定見本版を展示・回覧します。

序文、目次、序論、1章 分割、4章 非対称性、15章 ダイナミック性、17章 もう一つの次元、21章 高速実行、著者・訳者紹介という、部分構成です。本文和訳は第2稿です。

表紙は後藤一雄さんのデザイン。ぜひ手に取ってご覧下さい。

IT関係のよい出版社を求めています。

最新情報は別頁(プロジェクト案内(2)) を参照下さい。(2008. 9. 7)

 

本ページの構成 (随時追加予定)

[0] 「紹介: Umakant Mishra 著 『IT技術のためのTRIZ発明原理』(ドラフト版) について」 (中川 徹) (掲載: 2007. 8.17)

[1]  「日本語版のための序文」 (原稿) (中川 徹、 2007年12月15日)   [HTML & PDF]    (掲載: 2007.12.19)

[2]  「目次  兼  ITとソフトウェアのための40の発明原理」   (和訳)    [HTML & PDF]   (追加掲載: 2008. 1. 7)

[3]  「序論」 (Mishra による)  (和訳) (小西慶久・中川 徹、2008年1月27日)  [PDF ]  (追加掲載: 2008. 1.29)

[4]  「4章 非対称」 (英和対訳版) [PDF ] (和文版)  [PDF   (追加掲載: 2008. 2. 8)

本ページの先頭 [0]原書の概要紹介 [1] 日本語版の序文 目次 兼 40発明原理 序論 4章 英和 4章 和文 プロジェクト案内(2) 英文ページ

 


[1]  「日本語版のための序文」 (原稿) (中川 徹、 2007年12月15日)  [PDF]    (掲載: 2007.12.19)

Mishra著 『ITとソフトウェアにおける問題解決アイデア集
− TRIZの発明原理で分類整理』  (仮題)

  本書は広い意味のIT (情報通信技術) 分野で開発されてきた、さまざまな技術の要素を、革新的であったものから改善的なものまで収集網羅し、それらを分類整理して、その中のエッセンスを学びやすくしたものです。このようなエッセンスを学んで身につけると、皆さんが現在扱っているものを改善し、新しいものを開発し、さらに技術革新のための考え方を創り上げるのにきっと役立ちます。このアイデア集を手元において、ときどき読んでみると、あなた自身の問題解決のための新しい発想がどんどんと沸いてくることを実感されることでしょう。

   ここで扱っている分野は、ハードウェアとソフトウェアだけでなく、プログラミング、データ処理、ストレージと管理、ネットワークと電気通信、インターネット技術、プロジェクト管理、プロセスと品質の管理、なども含んでいます。この序文ではIT/ソフト分野と略記します。これらの分野で、いま世界中で激しい開発競争が行われており、急激に発展していることは皆さんがよく知っておられることです。

   ところが、IT/ソフト技術の大きな部分は、物理の世界 (ハードウェア) ではなく、情報の世界 (ソフトウェア) です。情報の世界は、自然法則が支配する物理の世界とは異なり、その多くが人間が作ってきた約束事から構成されています (文字も、言語も、インタネットの技術も約束事です)。人間がいろいろと試行し、多くの人が受け入れたものだけが定着するわけですが、何がなぜよいのかは必ずしもはっきりしません。情報科学がその原理を明らかにしようと努めているわけですが、情報量の理論、計算量の理論、情報隠蔽の原理、などいくつかのものが知られていますが、それだけでは実際の開発の指針になりません。このため、いろいろな改善や開発が、明瞭な指針がなくて試行錯誤と経験と世の中の大勢に従って行われているといってもよいでしょう。

   広範な領域で膨大な試行錯誤が行われ、世界中で優れたものが蓄積されてきているとき、それらを見渡して何らかの指針を得るための方法は、ボトムアップに整理・分類して、エッセンスを考えることです。この方法は「帰納」と呼ばれ、自然科学全体を生み出してきました。さらに世界中の特許を対象として、発明のアイデアのエッセンスをボトムアップに分類・整理した研究があります。旧ソ連でアルトシュラーらが行ったもので、TRIZ (トリーズ、「発明問題解決の理論」)として、冷戦終了後に西側世界にも知られるようになりました。そこでは、当初数十万、現在3百万にも及ぶ特許の分析から、帰納的に「40の発明原理」を抽出しました。

   本書ができたきっかけは、2000年〜2004年にCREAX社 (ベルギー) がインドに研究所を創り、1985年以降の米国特許の全件をTRIZの観点から分析したことです。この大規模な研究はDarrell Mann のTRIZ教科書『体系的技術革新』(和訳: 創造開発イニシアチブ刊) を生み出しました。このとき、本書の著者Umakant Mishraは、分析システムの構築運営を担当するとともに、IT/ソフト分野の特許の分析も担当したのです。IT/ソフト分野のすべての特許を調べ、その優れたものが、TRIZの発明原理 (および進化のトレンドなど) のどれを使ったといえるかを記録していきました。本書は、その膨大な記録を発明原理ごとにまとめ直し、観点が似た技術をグループ化して、簡潔な説明を加えたことによって生み出されたのです。

   アルトシュラーが1960〜70年代初めに「40の発明原理」を体系づけたときには、機械・電気・化学などの分野の特許が主体であり、ITもソフトウェアもまだまだ未成熟でした。ところが、CREAX社の分析で分かったのは、IT/ソフト分野の特許 (その他の文献、ノウハウなど) も、そのアイデアのエッセンスは、40の発明原理を少し調整するだけできちんと納まることでした。本書の40の発明原理は、IT/ソフト分野に適したように微調整した表現になっています。(例えば、原理37の「熱膨張」を「拡大/縮小」と呼び換え、原理38の「強い酸化剤の利用」を「強化/質の向上」と呼び換えています。)

   本書の面白さを知り、その意義を理解するには、(序論を跳ばしてもかまいませんから) 1章〜40章の任意の章を読んでみて下さい。発明原理の一つの名前が書いてあり、その意味の解説があり、それを使ったときに期待できる効果、そして適用するとよい場合を具体的に列挙しています。その後ろには、沢山のIT/ソフト技術の事例がグループごとにまとめられて並び、簡単にエッセンスが説明されています。これらの技術は、IT/ソフト分野で働いている人なら、実際にさわりあるいは話に聞いて知っているものがほとんどです。専門家でなくても、インターネットやパソコンに興味を持っているユーザならかなりの部分をご存じでしょう。個々の事例は、それを実現する技術的詳細を書いているのでなく、技術の目的やねらいを論じているのですから、専門でなくても大抵理解できます。それらの個々の技術、場合によってはちょっとした改良のアイデアが、実は発明原理で裏打ちできるのだ、と本書は説明しているのです。

   読んでみれば、「IT/ソフトの技術を列挙して、発明原理というもので整理しただけで、当たり前のことではないか」と思われる読者が多いことと思います。ところが、このような整理をしたのは、本書が初めてだろうと思います。IT/ソフトの分野で、技術項目を並べた事典、専門領域ごとにその根底にある原理を考え理論を組み立てている教科書は多くありますが、専門領域の垣根を越えて通ずる原理、そして実際に使われているさまざまな技術の基礎を成す原理をまとめたのは本書が初めてです。

   さらに、IT/ソフト分野ではTRIZに関連した正式出版は本書が最初なのです。TRIZが日本に紹介されて10年余になり、TRIZ関連のシンポジウムやWebサイトでは、ようやく最近IT/ソフト分野へのTRIZの適用が報告されるようになりました。しかし、IT/ソフト分野専門の学会や雑誌などではまだまったくといってよいほど紹介されていません。IT/ソフト分野でTRIZが使えることを実証し、普及させていくのはこれからの仕事です。

   ですから、本書を読んで、「IT/ソフト分野のほとんどすべての技術のエッセンスを、TRIZの発明原理というもので表現できる」と理解された方は、最先端の領域でものすごく大きな一歩を踏み出されたのです。発明原理を使った非常に多くの事例を本書で学び、事例の奥にあるエッセンスを繰り返し学んで身につけると、大変大きな力になります。IT/ソフトの分野の非専門のさまざまな技術の事例が、これから自分で考えるときの助けになります。そこで、つぎのステップは、「自分の問題の解決に、発明原理の考え方を参考にする」ことです。これは、「身につけた考え方を適用/応用する」いつものやり方です。

   適用/応用するための簡便な方法は、本書を一通り読んで学んだ後に、折にふれて本書をぱらぱらと拾い読みすることです。自分が直面している問題が頭の中にある状況で本書を拾い読みしますと、本書の発明原理や諸事例の刺激により、新しいアイデアがふつふつと沸いてくることと思います。発明原理の一覧表 (目次がその役割をしている) やカード形式のものを使うとさらに便利かもしれません。

   もう一歩進めると、「本書で身につけた発明原理の考え方を、IT/ソフト分野の問題解決に適用/応用するには、どのようなプロセスを踏むとよいか?」という問題がつぎに出てきます。これは現在はまだ十分に説明できていない研究課題です。他の技術分野での問題解決には、TRIZやそれをやさしく統合したUSIT (ユーシット、「統合的構造化発明思考法」) による方法が開発されていますので、それを適用すればよいと考えられます。それらの多くは、将来の発展(進化)の方向を考える方法、困難な問題、矛盾を含む問題を解決する方法などです。ただ、IT/ソフト分野の典型的な開発・改善のプロセスに、TRIZやUSITをどのように組み込むとよいのかは、まだまだこれからの研究課題なのです。

  なお、本書の英文原稿は、Technical Innovation Center Inc. (TIC) (米国) から、レビュー用に仮出版されました (2007年4月)。原題は"TRIZ Principles for Information Technology" です。この表題および序論から明らかなように、著者は読者として、TRIZを学び、TRIZをIT/ソフト分野に拡張して行こうと考える人たちを主に想定しています。しかし、この日本語版は、新しい表題とこの序文が示しますように、IT/ソフト分野の人たち (そのほとんどはまだTRIZについて何も知らない人たち) を主たる読者と考えています。本書を読めば、IT/ソフトの技術を整理して理解しながら、自然にTRIZの発明原理が分かると考えるからです。このように読者対象を大きくシフトして考えていますが、本体部分はまったく変更の必要を感じませんでした。TRIZに関しては、著者の序論と、巻末に追加したTRIZの参考情報が役に立つでしょう。

   本書の英文原稿の存在を知ってから1年半、いまようやく著者との正式契約を結び、翻訳作業を開始したところです。(株)創造開発イニシアチブの堀田政利が責任者となり、大阪学院大学の中川徹が監訳者をし、TRIZ専門の小西慶久とIT/ソフト専門の庄内亨、前田卓雄、宗雅彦が翻訳者として加わって、翻訳を進めます。まだ出版社は決まっていませんが、2008年末までには出版できるようにしたいと考えております。どうぞご期待・ご支援下さい。

2007年12月15日
中川 徹 (大阪学院大学)


[2] 目次  兼  「ITとソフトウェアのためのTRIZの40の発明原理」 (和訳)

                                       2008. 1. 6  Mishra 「IT & TRIZ」翻訳プロジェクト  (中川 徹)   

注: 前の番号は、章番号、兼 TRIZの発明原理番号。
     後ろの番号は、原著のページ番号
     後ろの ○印: 発明原理名称の修正、サブ原理の追加 (IT/ソフトへの適合のため)
               △印: サブ原理レベルの言い換え (IT/ソフトへの適合のため)

目次

日本語版のための序文 [中川]

序論 6

1. 分割 10    
     1.1 システムやオブジェクトを分離した独立な部分や区分に分割する
     1.2 一緒にしたり、ばらばらにしたりが容易なようにシステムを作る
     1.3 断片化や分割の程度を増す

2. 分離 21
     2.1 オブジェクトの望ましくない部分や機能を取り除く
     2.2 望ましくない性質や機能について、その原因や担体を取り除く △

3. 局所的性質 30
     3.1 オブジェクトやシステムあるいは環境の構造を、均一から不均一へと変化させる
     3.2 オブジェクトやシステムが複数の機能を持っているなら、オブジェクトの特定部分を変化させて、その対応する機能を効率よく実現させる
     3.3 オブジェクトやシステムが複数の機能を持っているなら、オブジェクトやシステムの特定部分を変化させて、特定の局所的な条件に適するようにする

4. 非対称 41
     4.1 オブジェクトやシステムが対称であるなら、非対称にするか、線対称を破る
     4.2 オブジェクトがすでに非対称であるなら、非対称の程度を増す
     4.3 オブジェクトやシステムの形状を変えて、外部の非対称に適合させる

5. 併合 49
     5.1. 空間的に併合する: 同一あるいは関連するオブジェクトや操作を物理的に結合あるいは併合し、空間的に一緒に働くようにする
     5.2 時間的に併合する: オブジェクトや操作や機能を結合あるいは併合し、それらが時間的に連続的または並列的に振る舞うようにする
     5.3. 空間的にも時間にも併合する: オブジェクトや機能を結合あるいは併合して、空間的にも時間的にも一緒に振る舞うようにする

6. 汎用性 59
     6.1 複数の機能を実行する新しいオブジェクトあるいはシステムを作り、それによって、既存の複数のシステムの必要性を無くす

7. 入れ子 67
     7.1 一つのオブジェクトあるいはシステムを、別のものの内部に入れる
     7.2. 一つのオブジェクトあるいはシステムが、別のものの適当な穴を通り抜けられるようにする
     7.3. 入れ子の階層の数を増す、あるいは、積み上げ式やカスケード式の配置を用いる ○

8. 釣り合い 77
     8.1 オブジェクトやシステムの重さが問題を生ずる場合、揚力を与える何かと組み合わせる
     8.2 オブジェクトやシステムの重さが問題を生ずる場合、環境と相互作用させて揚力を得るようにする

9. 先取り反作用 85
     9.1 一つの作用がストレスや有害な効果を生ずる場合、反対の作用と事前の [反対方向の] ストレスを導入して、有害な効果を制御する

10. 先取り作用 93
     10.1. 有効な作用を、必要とされる前に(完全にあるいは部分的に)実行する
     10.2 オブジェクトを事前に配置して、それらが最も便利な時と所で作用を起こすようにする

11. 事前保護 101
     11.1 緊急用のバックアップを導入して、オブジェクトの信頼性で潜在的に低いものを補償する

12. 等ポテンシャル 110
     12.1 オブジェクトやシステムを上げるあるいは下げる必要があるなら、オブジェクトの環境を再設計して、バランスを導入し、その [上げ/下げの] 必要を無くさせる

13. 逆発想 116
     13.1 反対あるいは逆の作用を使って、問題を解決する
     13.2 可動オブジェクトを固定し、固定オブジェクトを可動にする
     13.3 オブジェクトやシステム、あるいはプロセスを、「逆さ」にする

14. 曲面 125
     14.1 直線的な部分を曲ったものに変え、平らな表面を球面に変える
     14.2 ローラ、ボール、螺旋、およびドームを使う
     14.3 直線運動を円運動に変える

15. ダイナミック性 132
     15.1 オブジェクトやシステムが固いあるいは柔軟性を欠いているなら、それを可動にし、あるいは柔軟にする
     15.2 オブジェクトやシステムを部分に分割して、それらが互いに相対的に動くことができるようにする
     15.3 オブジェクトやシステムを(その機能性を変えることにより)適応的にして、さまざままな動作条件下で最適な性能を達成するようにする 

16. 部分的な作用または過剰な作用 141
     16.1 作用を精密に行うことや結果を精密に達成することが不可能なら、「少し少ない」か「少し多い」作用や結果を達成することを試みる
     16.2 一つの作用が非常に重要で、その作用を部分的に行うと問題を生じるなら、より多くあるいは過剰に行う方がよい
     16.3 一つの作用が困難または高価であり、かつ将来容易に実行できるなら、より少なくあるいは部分的に行う方がよい

17. もう一つの次元 151
     17.1 オブジェクトが直線上あるいは平面上を動いているなら、その線や面を外れて動くことを検討する
     17.2 与えられたオブジェクトあるいはシステムの「別の側面」を用いる
     17.3 与えられたオブジェクトあるいはシステムの「別の向き」や「別の配置」を用いる
     17.4 別の方法を用いる ○

18. 振動 162
     18.1 オブジェクトを振動させる
     18.2 振動の振動数を増すあるいは変化させる
     18.3 オブジェクトやシステムの共振振動数を活用する

19. 周期的作用 168
     19.1 連続的作用を周期的作用あるいはパルス的作用で置き換える
     19.2 作用がすでに周期的であるなら、振動数を変えて外部条件に適合させる
     19.3 [複数] 作用間のギャップを使って、他の有用な作用を実行する

20. 有用作用の継続 175
     20.1 オブジェクトあるいはシステムのすべての部分を、連続的に最大能率で機能させる

21. 高速実行 (急ぎ) 179
     21.1 作用を非常に速いスピードで行い、有害な副作用をなくす
     21.2 望ましくないステップを飛ばして、速度を増す △

22. 災い転じて福となす  187
     22.1 有害なオブジェクトや作用を使って、有益な効果を提供する

23. フィードバック 191
     23.1 フィードバックを導入して、プロセスや作用を改善する
     23.2 フィードバックをすでに使っているなら、それを動作条件の変動に適応できるようにする

24. 仲介 200
     24.1 二つのオブジェクトやシステムや作用の間に、仲介を導入する
     24.2 [仲介する] 機能を終えた後は消える(あるいは容易に除去できる)ような、一時的な仲介を導入する

25. セルフサービス 209
     25.1 オブジェクトやシステムに、(インストール、構成、修復、保守、その他すべての操作を実行することにより) 自分自身に奉仕するができるようにする △
     25.2 廃棄物や未利用リソースを活用する

26. コピー   219
     26.1 簡単で安価なコピーを利用し、入手困難あるいは高価、複雑、危険、脆弱なオブジェクトとシステムの代わりにする △
     26.2 オブジェクトやアクションを、光学コピーや、赤外線や紫外線コピーで置き換える
     26.3 オブジェクトやシステム、あるいは機能の、仮想コピーやシミュレーションを用いる ○

27. 高価な長寿命より安価な短寿命 227
     27.1 高価なオブジェクトやシステムを置き換えて、多数の安価で短寿命なオブジェクトにする

28. メカニズムの代替/もう一つの知覚  233
     28.1 機械的手段を置き換え、感覚的手段 (視覚 (光学),聴覚 (音響),味覚,触覚、あるいは嗅覚)またはその他の手段(磁気的,電磁気的,熱的などの)を用いる
     28.2 内部のメカニズムや構造、フォーマット、コードを変える ○

29. 空気圧と水圧の利用 242
     29.1 固体の部分やシステムの代わりに、気体および液体を用いる

30. 柔軟な殻と薄膜 245
     30.1 柔軟な殻と薄い膜を、固形の構造の代りに組み込む
     30.2 柔軟な殻と薄い膜を利用して、オブジェクトやシステムを環境から切り離す

31. 穴 (多孔質) 254
     31.1 オブジェクトを多孔質にする、あるいは多孔質の要素を加える
     31.2 オブジェクトがすでに多孔質であるなら、何か有用なものをその孔に入れる

32. 色の変化  261
     32.1 オブジェクトやその部分または外部環境の色を変えて、そのオブジェクトの可視性を変化させる
     32.2 オブジェクトやその周囲の透明性を変える

33. 均質性 (互換性) 268 △
     33.1 相互作用をしているオブジェクトを、同じ材料(あるいは性質が一致する材料)で作る

34. 排除と再生 274
     34.1 オブジェクトやシステムの要素で、機能をすでに完了したものを排除する
     34.2 オブジェクトやシステムの部分で、使い切ったものや消耗品を、動作中に修復する

35. パラメータの変更 280
     35.1 オブジェクトやシステムのパラメータを変更する

36. 変換と移行 289 [← 相変化] ○
     36.1 古い非互換のデータやファイル、フォーマット、テクノロジ [ハードウェア技術] を変換して、新しい互換性のあるデータやファイル、フォーマット、テクノロジにする ○
     36.2 古い非互換のデータやフォーマット、テクノロジから移行して、互換性のあるデータやフォーマット、テクノロジを使う ○

37. 拡大/縮小 295 [← 熱膨張] ○
     37.1 オブジェクトやその構成要素を拡大 (または縮小)して、有用な効果を達成する △

38. 強化/質の向上 300 [← 強い酸化剤] ○
     38.1 オブジェクトやシステムを置き換えて、更新されたあるいはより進んだオブジェクトやシステムにする   △
     38.2 特徴や機能を加えて、オブジェクトやシステムを改善する   ○

39. 平静 (不活性雰囲気) 306 [← 不活性雰囲気] △
     39.1 通常の環境を置き換えて、不活性な環境にする
     39.2 オブジェクトやシステムに、中性の部分あるいは不活性な要素を加える

40. 複合 311 [← 複合材料] △
     40.1 複合材料 (複数材料) を、均一な材料の代わりに用いる

IT (情報通信技術) 関連用語の索引 317
付録1 発明原理の間の関係 341
付録2 掲載特許100件のリスト 344
付録3 掲載事例研究100件のリスト 350
付録4 TRIZ用語辞書 356

目次 兼 ITとソフトウェアのためのTRIZの40の発明原理  PDF (5頁、200 KB) ここをクリック

 


[3] 序論  (Umakant Mishra、2006年8月)  (和訳)

                  2008. 1.27  Mishra 「IT & TRIZ」翻訳プロジェクト  (小西慶久・中川 徹)     (掲載: 2008. 1.29) 

序論の小見出しのリスト

TRIZの歴史

TRIZのアプローチ

TRIZ技法とその適用

発明原理

ITにおける発明原理

発明原理に関するいくつかの事実

本書の意図

本書の構成

本書の対象読者

 

序論 (和訳) PDF  (4頁、158 KB)      

 


[4] 本文サンプル:  第4章  非対称   (対訳版 + 和文版)

第4章 Asymmetry (非対称)  (英和対訳版、原稿)  PDF         英文

第4章 非対称 (和訳版、原稿) PDF

[注: お断り:  これらは翻訳原稿であり、今後さらに推敲する予定のものです。    
                  自動書式設定のために一部に意図していない現象もあります。]

4章 非対称

説明
期待される効果
適用するとよい場合

4.1 オブジェクトまたはシステムが対称的なら、それを非対称にする、あるいは線対称を破る。

特殊文字
非対称なマウスポインタ
コンピュータハードウェアにおける非対称性
非対称圧縮
プラグとコネクタ

4.2 オブジェクトがすでに非対称であれば、非対称の程度を増大させよ。

構文の強調表示
非対称なユーザインタフェース

4.3 オブジェクトやシステムの形状を変えて、外部の非対称性に適合させる。

人間工学的なコンピュータデバイス
非対称型データ転送
非対称なスキルと経験

事例 10. インタラクティブな画像誘導手術(IIGS) [システム] の多重処理の非対称性
事例 11. プリティ・グッド・プライバシ(PGP) [公開鍵暗号化方式] の非対称型暗号化
事例 12. Cinepakの非対称型の映像圧縮
事例 13. 非対称デジタル加入者回線(ADSL)

 

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最終更新日 : 2008. 9. 7.     連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp