講義ノート: 創造的問題解決の方法論(11)
 解決策の生成法 (1)  知識ベースの活用
  創造的問題解決の方法論
− 大阪学院大学情報学部 2年次「科学情報方法論」講義ノート (第11回講義)
  中川  徹 (大阪学院大学) , 2001年 12月20日
   [掲載: 2002. 6.20]   [ 注: 固定ピッチのフォントで読んで下さい]
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講義「科学情報方法論」(情報学部2年次)  第11回  講義資料
                                                       2001年12月20日   中川  徹

  解決策の生成法 (1)  知識ベースの活用
 

目標:  問題解決で「解決策の生成」には, 科学技術の知識を使いやすい「モデル」 (手本) とす
       ることが有効である。TRIZを中心として, 開発されてきた種々の「モデル」を学ぶ。
 
 
前回: 問題の分析(3)  空間と時間の特性; 理想解からイメージする

目標:   問題の「空間」と「時間」の特性・特徴を明確にする。
        また, 目指すべき「理想解」を意識することの重要性を認識し, 
          「理想解」を手掛かりに問題解決する方法を学ぶ。

要点:  「空間」の特性をつかむには, 必要なもののみを取り出して記述すること。
       「時間」の特性をつかむには, 時間軸を目に見えるようにする。

       問題の状況に対して, 「理想」の状況が分かれば, 問題解決はずっとやさしくなる。

       「技術システムは理想性の向上に向かって進化 (発展) する」: TRIZの基本認識。
           「理想性」 = 「主有用機能」 / (「質量」 + 「サイズ」 + 「エネルギー」)

       理想をまずイメージして技術問題を解決する具体的手法 (USITのParticles法): 
         現状をスケッチし, ついで「理想」の状況をイメージしてスケッチする。 
         任意の性質を持ち, 任意の行動ができる魔法の物質/場 「Particles」を想定する。
         してほしい行動と持つべき性質を考え, 順次詳細化していく。


 

1.  はじめに

  本講義は, 「問題解決のための方法論」を主題として話してきている。

     情報の収集 (第3回, 第4回)
     問題を見つけて絞り込む (第5回)
     「発想」とは何だろう (第6回),
     「システム」とは (第7回)
     問題の分析(1): 問題 (困ること)の「原因」をつきとめる  (第8回)
     問題の分析(2): 技術システムの機能と属性の分析  (第9回)
     問題の分析(3): 空間と時間の特性; 理想解からイメージする  (第10回)

  これらのすべてで, 自分の問題を明確にし, いろいろな観点から分析することができた。
    これらは, 「問題解決」のプロセス全体の2/3 程度に相当するだろう。

    われわれの頭の中には, 自分の問題のいろいろな面のモデルができており,
      問題を解決するための頭の中の準備がかなり良く整ってきている。
        「ひらめき」を確実に獲得するための, 直前の段階まできている。

  そこで, 今回から, 問題の「解決策を生成する方法」について考えよう。

    これらの「解決策生成法」が,
        「発明のノウハウ」などとして紹介・宣伝されることも多いが,
            これらだけでは, 単なる「ノウハウ」に終わる部分的なものである。

    いまから述べる種々の「解決策生成法」は,
      いままでの問題分析の積み重ねをベースにして体系的に適用することにより,
          創造的な解決策を複数かつ確実に生成できる方法論である。

    「解決策生成法」が与える種々の情報 (やり方) をヒント (手掛かり) として,
        われわれ自身が容易に新しい解決策を思いつくことができる。
         .... → そのうちの大きなものを, われわれは後日「ひらめき」というだろう。

  「解決策を生成する方法」にもいろいろなレベルのものがある。
      今回は, その第1レベルとして, 「知識ベースを活用する」諸方法を述べる。

 

2.  問題解決の基本モデル

  自分が直面している具体的な問題を解決する (解決策を生成する) ために,
    われわれはいろいろに考え, それを積み重ねて, 実際の解決策に到達する。

      自分の問題  → .. → ..→ ..... .         ........→ 自分の解決策

  このとき, われわれがどんなに「独自に考えた」のだと言っても,
    われわれの頭の中では, いままでに得た知識・事例・方法をいろいろ使っている。
        (前回までに話したいろいろな「問題分析法」も その一部である。)

    いままでの知識・事例・方法が具体的に当てはまるのは, やさしい問題であり,
      難しい問題, 新しい問題では, なかなか当てはまるものがない。

      そうなると, われわれは, 当てはまるものをできるだけ広く探すと同時に,
                   より抽象的な, より高度な知識・事例・方法を探す必要がある。

    このような意味でわれわれが探して, 使っているものは, いろいろな言葉で呼ばれる。
        手本, 例題, 教科書問題, 参考例, ひな型, 事例, 先行例, 文献, 原理, モデル, ....

  このような, 頭の中での探索のパスは随分複雑であろう。
    つぎの図は, 右に工程段階を, 上に抽象性のレベルをとって作った概念図である。

  上記の図式をもっと単純に, 理想化して描いたものが次の図式である。

    この図式が簡略化されているのはつぎの点である。
      思考における試行錯誤は省略され, うまく行ったケースだけを描いている。
      問題から解決策への思考過程が (横向きに) 1段階で行くように描いている。
      抽象性のレベルも単純に1段階で代表している。

  上記の図式は非常に重要であり, つぎの点を主張している。

    人間の思考 (あるいは成功する思考) は,
      具体的な自分の問題から, 具体的なその解決策へと進むのではない。
         (このような具体的/個別的なばかりの思考法は, 成功しにくい。)

    知識として蓄えたモデル群の中の適当なモデルを使っている (使うのがよい)。
      どれだけの使えるモデルを (頭の中に) 蓄えているかは人によって違うだろう。
      どのモデルを使うとよいのかは, (頭の中で) 探索する必要がある。

    モデルは, 「問題とその解決策」という形になっていると使いやすい。
      それぞれの問題に対して, 質の高い解決策になっていることが望まれる。

    自分の問題から, 「モデルの問題」に移行する過程は「抽象化」である。
      「抽象化」では, 個別のこまごましたものを捨て, 「本質」を取り出す。
          しかし, どういう面が「本質」であるかは, 問題の捉え方で変わる。
      この抽象化における飛躍が小さくてすむと, 「やさしい」と感じる。

    「モデルの解決策」は (「モデル」中にあれば) 比較的容易に得られる。

    「モデルの解決策」から「自分の問題への解決策」を考え出すのは「具体化」。
        「具体化」では, 「具体的にどうするとよいのか」を考え, 詳細化する。
        このためには, 自分の問題の実情やメカニズムをよく知っており,
            実際に試行したら起こるだろうことなどの予測ができなければならない。

    上記の「モデル」は頭の中の知識だけでなく, 「外部の知識」をも動員できる。
        ハンドブック, 事例集, 教科書, 図書館, データベース, 知識ベース,
        ソフトウェアツール, 先生, 専門家, 仕事仲間, ・・・

    これらを「知識ベース」として蓄積し, 使いやすくすれば, 大いに助かるはずだ。
       実際にいろいろなものが作られてきた。しかし,
          そのようなものを作るために考えなければならないことは:
              どのような情報を集めて「モデル」を作るのか?
              どのような形式の「モデル」にするのか?
              どのようなやり方で「モデル」を使うのか?

 

3.  問題解決のための種々の「知識ベース」の枠組み (TRIZの全体像)

  問題解決のための種々の「モデル」の一つの総覧として, 次の図が参考になる。

    出典:  中川  徹: 「TRIZ(発明問題解決の理論)の意義と導入法」, 大阪学院大学
             『人文自然論叢』 37号 1-12頁, 1998年 9月;
             『TRIZホームページ』掲載, 1998年11月。

  この図はTRIZ (発明問題解決の理論) の全体像を中川が描いたものである。
      つぎのような点を主張している。

  科学技術の (情報の) 世界には, すでに膨大な「モデル」群の蓄積がある。

    (a) 「科学技術の原理」をまとめたもの。
           理論体系を中心として, 諸原理からあらゆる分野の応用例までをまとめている。
           記述の基本形式は:  「条件設定  → (自然法則等) →  効果・現象」
                [注: 本講義の第1回資料を参照のこと]

    (b) 「特許事例」をまとめたもの。
          具体的な問題 (課題) に対する, 具体的な解決策の提案と実施例。
          記述の基本形式は:  「問題設定 → (課題の分析) → 解決策」
          具体的な問題を具体的に解決しているが, 特許権者以外は自由に使えない。

      いろいろな学術論文, 技術報告などは, 上記の(a)(b)のどちらかに近い。

  しかし, これらの科学技術の既存の体系はつぎの点で使いにくい。

    ・  分野ごとに細分化されている。(a) は緻密に細分化した体系, (b) は個別。
          分野を越えた問題解決には関連する分野を理解することを前提にしている。

    ・  抽象化のレベルが, (a)では (非常に) 高く, (b) では (極めて) 低い。

   (技術的) 問題解決のために, より使いやすい「モデル」群が作られてきている。
      特に, TRIZではつぎのものをすでに構築している。

    (1) 技術発展の方向: 「技術システムの進化のトレンド」
            分野を越え, 時代を越えて共通する進化 (発展)の方向を列挙した。

    (2) 技術の逆引き:   「目標機能 → 実現手段」の体系と事例。

    (3) 「発明の原理」:  特許の事例から抽出した発明のアイデアのエッセンス40原理。
                        およびその事例集。

    (4) 矛盾解消マトリクス:  問題設定に応じて, 発明の原理を示唆する一覧表。

    (5) 「発明の標準解」:  問題を分類して, 問題解決の方法を示唆する。

    これらの特徴は, (技術分野における) 実際の問題解決のために,
        必要とする「具体性」と「抽象性 (一般性)」を兼ね備えている。
        科学技術の分野を越えて通用する「モデル」群が作られている。
        問題解決の過程 (の各部分) に応じて, 使いやすい形式になっている。

    これらがハンドブックとして出版されており,
       また, パソコン上で動く簡便なソフトウェアツールとして市販されている。

      参考文献: 『革新的技術開発の技法: 図解 TRIZ』, 三菱総研知識創造研究部編著,
                    山田郁夫監修, 日本実業出版社, 1999年 7月

      参照ソフトツール:  Invention Machine社  TechOptimizer Pro. 3.0J (最新: 3.1J)
          以下に表示した画面は, このTechOptimizerの画面である。

          [参考: TechOptimizerの使い方・学び方 (中川, 1999年2月, 『TRIZホームページ』)]

  なお, 上記(1)〜(5)には収まりにくいが, 非常に有用な「モデル」の一つを下図に示す。







    「場」の扱い方を構造的 (抽象的) に, かつ具体的に例示した優れた図である。

 

4.  「技術システムの進化のトレンド」とその利用

  「技術システムは理想性の向上に向かって進歩する」というのがTRIZの基本認識。
      (前回の説明を参照)

  さらに具体的に「技術システムの進化のトレンド」を見出している。
    これらは, さまざまな分野の技術システムの過去の発展過程を分析して,
       分野を越えて共通に見られるものとして, 抽出されてきたものである。

    これらの進化のトレンドを知っていれば, 自分のシステムの改良の方向を予測できる。

  「進化のトレンド」の簡単な一覧は以下の図のようである。







    例として, 「物質と物体の細分化」のトレンドの画面を下図に示す。








    また, つぎの例は「場・力・相互作用などの時間的変化」の特性を示すものであり,
      この図の右方向に進化するトレンドがあるという。


 

5.  技術の逆引き:  目標機能から実現手段を求める。

  下記の図は, 「科学技術の体系」が, 「技術現場の要求」にすぐに答えにくい原因を示す。







  科学技術の体系では, 先に (実験などの) 設定条件を決めて, その効果を述べる。
    一方, 技術現場では, 達成したい目標機能が先にあり, その実現手段を探している。
      それは, 科学技術の体系の記述と逆方向の記述になっている。

  この状況での従来のアプローチは, 科学技術体系の知識ベースを作り,
    それを (コンピュータで) 逆引き検索することであった。

    逆引き検索の問題点は,
      検索するたびに, コンピュータでの時間がかかる。
      逆引き検索は, 一つずつの目標機能に対して個別に行われる。
      逆引きの索引を作ることはできるが, 膨大であり, 人間に理解できるものでない。
      逆引き検索の結果が体系化されることがない。

  この問題に対して, アルトシュラー (TRIZの創始者) は, つぎの体系を作った。

    技術の目標機能の表現法を体系的・階層的に作り,
      それぞれの目標機能を実現する原理を逐一記録し, また, その事例を列挙した。

    この枠組みの作成, 原理や事例の列挙は, すべて研究者が手作業で行った。
      この体系が一度できあがると, 多くの人が理解でき, 共通に利用できる。

  下図の例は, この体系を用いて, 冷却方法を調べたものである。









    冷却を, 「熱パラメータを減少させる」と読みかえて検索し, 多数の原理・事例を得た。
      その中から 「ヒートパイプによる冷却装置」の項目を調べると下図の画面になる。







    さらに, 「ヒートパイプ」という用語をクリックするとつぎの画面が得られた。







    実際, この「ヒートパイプ」という冷却装置の原理は, すばらしいものである。
      ヒートパイプは通常直径 3〜5 mm程度で, 中空の金属の筒である。
      内部に少量の液体 (水など) と繊維状のもの (ウィック, 芯)を入れ, 真空にしておく。

    これは, 銅・銀・金などの金属棒よりも, 2〜3桁熱伝導性が高い。

      内部では, 液体と気体の平衡状態にあり, 管壁の高温部で蒸発し,
        気体となって (何にも遮られずに) 高速 (音速) で移動し, 低温部で凝縮する。
        凝縮した液体は, 繊維状のものの毛細管現象で高温部に戻る。
        この物質の循環により, 高温部から低温部に熱が大量に速やかに伝達される。

    これは外部からの運転エネルギーを必要としない「冷却」/「加熱」の両用装置である。
      複合素材 (システム) により, 通常の最高の熱伝導性材料 (金属) を遥かに凌駕した。

    このような技術原理を知ること, そしてその応用の事例を知ることは,
      自分の問題解決に大きなヒントを与えてくれる。

 

6.  TRIZの「40の発明の原理」

  アルトシュラーはまた, 極めて多数の優れた世界の特許を分析して,
    特許のアイデアの核心部分を抽出し, 分類することを行った。その結果,

  「発明の原理」を書き出した。40原理 (2〜3のサブ原理を持つものもある)。

      参考書: 『超発明術TRIZシリーズ3, 「図解 40の発明原理」』
         G. Altshuller原著, L.Shulyak編著, 日経BP社訳, 日経BP社, 1999年1月。

    発明の原理のそれぞれに複数の「応用事例」が収録されており, 大いに参考になる。
        発明の原理と多数の応用事例をじっくり読むと, 問題解決の能力が大いに育つ。

  下図に「発明の原理」の一部を, TechOptimizerの画面で示す。


 

    つぎの例は, 「発明原理1: 分割原理」の応用例である。
        複雑な形状の工作物を工作機械に取り付けるための方法として,
          取り付け具を「細分化 (高度に分割)」して, バッグに入れたものを使っている。
 


 

7.  「アルトシュラーの矛盾マトリクス」 (矛盾解消マトリクス)

  アルトシュラーは, 「40の発明の原理」を抽出した後,
    「どんな問題の場合に どの発明の原理を使えばよいか」に答えようとした。
        そこで彼が作ったのが, 「矛盾マトリクス」と呼んだものである。







  アルトシュラーは, まず「どんな問題か」を表現する方法を作った。
    問題の「分野」を表現するのでなく, 「分野」を超えて適用できる表現法を作った。

  「問題」を, 「システムのある側面を改良しようとすると,
                  別の側面が許容できないほど悪化する」という矛盾した状況と捉える。
         (このような問題の捉え方は, 技術分野ではしばしば直面する自然なものである。)

      そして, これらの「側面」を記述するのに 39個のパラメタを選んだ。
      すると, 上記の問題の状況は 「39×39のマトリクス」で表わされる。

  アルトシュラーとその弟子達は, 膨大な数の特許の内容を分析して,
    それぞれの特許の「問題」を39×39のマトリクスのどれかの枡目に位置づけ,
      その特許の解決策のアイデアのエッセンスを「40の発明の原理」で表現した。

    これを蓄積して, 39×39の枡目ごとに, どの発明の原理が何例現れたかを記録した。
    そして, 枡目ごとに, トップ4種の「発明の原理」の番号を記載した。
    このようにして得られた一覧表を「アルトシュラーの矛盾マトリクス」と呼ぶ。

  「アルトシュラーの矛盾マトリクス」はTRIZ関連の書籍に公表されており,
      また, 簡単なソフトウェアツールとしても作られている。

      無料のソフトツール (インタネット上のもの)の例:

        Igor Mejuev氏 (高エネルギー研)のツール (日本語版):
                             http://almond.kek.jp/~mejuev/Triz/index_j.html
        北口秀美氏のツール:  http://members.aol.com/trizj/main.htm

  これは, 膨大な特許分析から得られた問題解決のノウハウである。

    ただし, 必ずしも使いやすくない。
        39×39のパラメタでの表現がぴったりしないことがある。
        4種の「発明の原理」は, 「ヒント」として与えられるだけである。
            そのヒントが自分の問題に適切であるという保証がない。
            ヒントから自分の問題解決策を作り出す過程が遠い。

 

8.  TRIZの「76の発明の標準解」

  アルトシュラーは, さらにもっと簡単な問題解決の方法を探っていった。
    彼独自の機能分析の方法 (「物質-場分析」と呼ぶ。本講義では扱わない) を基礎に,
      「問題」の記述法を考え, 対応する「標準的な解決策 (の考え方)」を記述した。

  これを彼は「発明の標準解」と呼び, 76種を記載した。
    これは上記の4節〜7節で記述した諸要素をも包含するものである。

  下図に, 「発明の標準解」の一つの事例を示す。

    この具体的事例では, ガラスの円板を切り出す方法を扱っている。
      単純に複数枚のガラスを重ねて, 環状の刃で切削すると, ガラスが割れやすい。
      そこで, ガラスの間を水で濡らし凍らせると, がらすを割れずに切削できる。

    これは, 類似物体を複数化する「進化のトレンド」に関連しており,
        また, そのように複数化したときに間に何らかの「媒体」を入れると良いという
            「発明標準解」を例示している。
 
 








  以上, 今回は, 「解決策の生成」のために「知識ベースを活用する方法」を述べた。
    このように, 非常に豊富で便利な「知識ベース」が開発され, 利用可能になっている。

    これらの「知識ベース」を自分の頭の中に入れて「知識」として使いこなすのが,
      「問題解決のエキスパート」の一つの典型である。

      しかし, それには膨大な教育と訓練が必要になる。

  この他に, もっと「考える方法」を重視しようというアプローチがあり得る。
    次回の講義では, そのような「考える方法」「思考のプロセス」を学ぼう。
 
 
 
 
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7. システムとは 8. 問題分析(1) 困ることの原因 9. 問題分析 (2) 機能・属性分析 10. 問題分析(3) 空間時間特性と理想解 11. 解決策生成(1) 知識ベース 12. 解決策生成 (2) ブレークスルー 13. 解決策生成(3) 解決策の体系化

 
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最終更新日 : 2002. 7.15   連絡先: 中川 徹  nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp