高原利生論文集(第5集): まとめ: 2018年秋−2019年

高原利生論文集(第5集):

  論文のまとめ 2018年秋−2019年

『永久に未完成の哲学ノート』 他 (全11編) 

高原利生、
『TRIZホームページ』寄稿、2019年11月 5日、
推敲: 2019年12月 7日、

『TRIZホームページ』掲載、2020年 1月14日

掲載:2020. 1.14; 更新: 2021.12.23 

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編集ノート (中川 徹、2020年 1月12日)

本『TRIZホームページ』は、高原利生さんの研究の重要さに注目し、2003年以後の同氏の学術発表・研究ノートなどのすべてを収録・公開してきております。前回は、高原利生論文集第4集 (2018.8.30 掲載)で、論文[37]〜[47]の11編を掲載しました。今回は、その後のもので、2018年秋〜2019年末までのものをまとめて掲載します。ただ、第5集ではなく、その中間期での簡単なまとめの形式にさせていただきました。関連文献は次表のものです。

  編集ノート (中川 徹、2021年12月21日)    

本件の「高原利生 論文のまとめ 2018年秋−2019年」を、このたび『高原利生論文集(第5集) 論文のまとめ 2018年秋−2019年』 と呼ぶことにし、本ページがを第5集の親ページといたしました。従来の「論文解題」に対応するものとしては、文献 [54] 「論理的網羅:永久に未完成の哲学ノート 第一部第二部の今」 を参照ください。なお、このフォルダの名前を「Takahara-Papers2019」から 「Takahara-Biblio5-2019」と変更しました。
2020年〜2021年の論文を、『高原利生論文集(第6集)』として掲載いたします。ご参照ください。

[論文番号] 題名 (原発表) (タイトルの訳) 出典 (年) 言語、形態、ページ数 本サイト内の掲載ページ 原文 .pdf
[44-47]

Revised Abstract (2019) of "A Working Research Note on Philosophy (2018)" ― A Note on the Principle of Way of Life of Homo Sapiens Based on Contradiction Model and Radical Enumerable Thinking [THPJ2018/1-4 in Japanese]―"

THPJ (2019) 英文概要  
[48]

Logical Possibility of Ideal Way of Life; Barter as a Background of Homo Sapiens

FIT2018 (2018) 英文  
[49]

個人の幸せと世界の価値実現、その両立の成立時期  
The Time to Realize the Way of Life in Which Happiness and Objective Value of the World are Compatible

CGK (2018) 和文  
[50]

論理学、世界観、生き方へ −永久に未完成の哲学ノート 第一部
For Logic, the World View and the Way to Live - A Note on Eternally Uncomplete Philosophy Part 1

MyISBN制作, デザインエッグ株式会社発行, 二版 (2020) 和文, 出版物  
[51]

宇宙論理学とポスト資本主義の準備へ −永久に未完成の哲学ノート 第二部
For Logic of the intellects in the Universe and Preparation to Post-Capitalism - A Note on Eternally Uncomplete Philosophy Part 2

出版物, MyISBN制作, デザインエッグ株式会社発行, 初版 (2019) 和文, 出版物  
[52]

弁証法論理学の生成構造
On the Structure of Building Dialectic

FIT2019 (2019) 和文  --
[53]

網羅についてのノート−事実と価値の本質と全体のための−
A Note on Enumeration - For Essence and Totality of Facts and Values -

CGK (2019) 和文  --
[54]

「論理的網羅:永久に未完成の哲学ノート 第一部第二部の今」  (論文集(第5集)論文解題)
 Logical Enumeration: A Summary of "A Note on Eternally Uncomplete Philosophy Part 1 and 2" in 2019

THPJ 和文  

 

2018年8月に、高原さんはそれまでの研究の集大成として、文献 [44-47]:「矛盾モデルと根源的網羅思考による人類の生き方Takahara-Biblio5-Papers2018-19-200105の基本原理についてのノート --未完成の哲学ノート(2018 年)」を(本ホームページに)発表しました。その後、その全体を(少しずつ推敲して)自費出版することに努力され、2019年3月にその初版『未完成の哲学ノート(2019年2月)』(B5版 208頁)を発行、さらに推敲して、2019年9月に同4版(B5版、170頁)を発行しています。(注: 内容的には文献 [44-47]とほぼ同様ですので、上記リストには記載していません。)そしてさらに推敲して、『永久に未完成の哲学ノート』の2分冊とし、上記リストの[50] [51]を昨年12月と本年1月に出版しています。

これらの概要を知るためには、つぎのHTMLページを見ていただくのがよいでしょう。

[50]  論理学、世界観、生き方へ −永久に未完成の哲学ノート 第一部  前書き・概要(HTML) 、 全文(PDF)  
[51]  宇宙論理学とポスト資本主義の準備へ −永久に未完成の哲学ノート 第二部    概要・後書き (HTML) 、全文(PDF)
[54]  「論理的網羅:永久に未完成の哲学ノート 第一部第二部の今」  (HTML) 、  (PDF) 

文献 [50] [51] の本文は膨大ですので、本文のPDF版だけを掲載しました。 

上記リストのその他の論文は、この『哲学ノート』に関連して、考察・記述されたもので、テーマを絞って短く書いていますので、分かりやすいかと思います。

[49]  個人の幸せと世界の価値実現、その両立の成立時期 ( CGK  2018) 
[52]  弁証法論理学の生成構造  (FIT2019) 
[53]  網羅についてのノート−事実と価値の本質と全体のための− (CGK 2019) 

本ページの後半に、([50]の末尾からここに移して、「論文集(4) 論文解題の修正版」 および 高原利生略歴を掲載しました。

なお、英文での紹介のために、このまとめの(簡略化)英文ページ、 [44−47] の英文概要 、および 英文での発表 [48] を 本サイトの英文ページに掲載しています。

高原さんは、富士通を定年退職されてから、独自にこのような大きく独創的な思索を進め、精力的に発表してきておられます。素晴らしいことで、敬服いたします。ご健康に留意され、今後とも考察・発表を続けられることを祈ります。(現在あるいは後世の)読者の皆さんの中に、高原さんの論文集に啓発され、さらに発展させてくださる方があることを、願っています。

 


 

 論文解題:  2018年秋〜2019年の論文の解題  高原利生

    注 (中川 徹、2021.12.20) ここには、「2016年〜2021年の論文の解題」 (高原利生, 2021.10.15) のうちで、
        全体構造の説明の後、2018‐2019年の発表論文の解題部分を抜粋して示す。

 

2016年−2021年の論文解題    高原利生

高原の2016年から2028年までの発表論文の位置づけと個々の論文の解題を以下に示す。

高原の2003年から2007年の論文集(1)、2008年から2012年の論文集(2)、2013年から2015年の論文集(3)に続き、論文集(4)の形で、「TRIZホームページ」に公開する機会を作っていただいた大阪学院大学中川徹名誉教授に感謝申し上げる。

 

1. 論文の位置づけ

 2003年から2007年までの検討内容は、基本概念(オブジェクト,それを組み合わせたオブジェクト世界,オブジェクト変更、オブジェクトの属性,粒度,機能)を明らかにし、差異解消の方法、表示方法を追求したことであった。粒度を、最初は単に、オブジェクトの空間的時間的範囲としていたが、後に属性を加えた。

2008年から2012年までの検討内容は、(広義の)差異解消の理論になっていた。(広義の)差異解消が(狭義の)差異解消(通常の意味の「変更」「変化」)と両立であることは大きな発見であった。

自然の運動、人間の行動、思考の全体は、内容的には、(広義の)差異解消である。これをもたらすのは、運動である。ここでの運動は、アルトシュラーによって矛盾として扱われていた。アルトシュラーの矛盾は、マルクス、エンゲルスの矛盾の拡張になっている。全ての運動を、動的な構造の面から見たのが矛盾であった。

粒度が定まると、矛盾は定まる。粒度を管理するのが、根源的網羅思考である。

2013年からは、矛盾、根源的網羅思考を構成要素とする弁証法論理、それが「生き方」と「生きる」ことを実現すること、それが最小概念で実現されること、「生き方」以外へも適用できることを検討している。

 

次図で、上右が2003- 2007年の主テーマ、上の左半分が2008- 2012年の主テーマ、下右が2013年以降の主テーマを表す。

 

 

 

図  2003−2021年3月の論文構造

 

発表の場は,The TRIZ Journal(2013年以降は発表していない)、TRIZシンポジウム、情報科学技術フォーラム(FIT)という情報処理学会、電子情報通信学会共催のフォーラム、電子情報通信学会総合大会、情報処理学会全国大会電気・情報関連学会中国支部連合大会である。

中川徹先生のTRIZホームページには、ノートという形で公表をさせていただいている。書くものは全て未完のノ−トであるのが良いと考えており、学会発表の形式にとらわれないTRIZホームページでのノートという形式が、理想の発表形式であると考えている。

論文名の表記を、[2003年以来の発表順の通し番号] [発表の場の略称  発表年] 著者名, "論文名", 発表の場, 発表年. の順に行う。

発表の場の略称は、

FIT:  情報科学技術フォーラム Forum on Information Technology(情報処理学会と電子情報通信学会の情報処理に関係するソサイエティが共催する年に一度のフォーラム。毎年、三日間、数十の会場に分かれて1000件ほどの発表がある。)

IEICE: 電子情報通信学会総合大会  IPSJ:情報処理学会全国大会

CGK: 電気・情報関連学会中国支部連合大会(電気学会、照明学会、電子情報通信学会、情報処理学会などの中国支部が、毎年、合同で行う発表会)

THPJ: 中川徹先生のTRIZホームページ

である。

 

2. 2018年−2019年の論文、ノートの解題

情報科学技術フォーラム FITで発表

[48] [FIT2018] TAKAHARA Toshio, "Logical Possibility of Ideal Way of Life; Barter as a Background of Homo Sapiens", FIT2018, N-018,福岡工業大学, 2018.

英文論文2ページ ;  スライド英文24ページ;  スライド和文24ページ

今回のFITでは、「教育・人文科学」分野の「人文科学と社会基盤」セッションで論文発表を行った。(「社会科学」のセッションはない)提出言語は日本語か英語のどちらかである。今回は英語にした。うまくない英語である。当日の発表は日本語で行った。[43] [IEICE2018] や[44―47][THPJ2018/01—04]以降に分かった内容を書いた。2ページの内容なので、今までの説明に1頁半を費やし、新たな内容は半ページである。

 

[52] [FIT2019] 高原, "弁証法論理学の生成構造", FIT2019, O-082, 岡山大学, 2019.

和文論文4ページ ; スライド和文26ページ;  スライド英文16ページ

歴史の論理的網羅によりゼロベースで論理学、世界観、生き方を作る。形式論理と文法の中間の論理学を作る。事実、過去の自分の考え、他人の考えを総括して新しい像を作る思考、議論ができるようになる。全体を求め、相手や対象との一体化を目指す新しい生き方ができるようになる。

 

電気・情報関連学会中国支部連合大会で発表

[49] [CGK2018] 高原, "個人の幸せと世界の価値実現、その両立の成立時期", CGK,R18-27-15. 広島市大, 2018.

和文論文2ページ  ;  スライド和文24ページ

理想の生き方は、主観的幸せと世界の客観的な価値実現が両立した生き方である。

対象化、媒介化、間接化が、人に意識を起こさせる。対象化、媒介化、間接化は、生命の知覚、操作の開始を経て、次のように進んで行く。年代は世界での始まりの時期であり地域差がある。

第一段階:200万年前の道具、言葉の利用開始以降。
第二段階:10万年前の火の利用開始以降。
第三段階:1万年前の農耕開始以降。
第四段階:6千年前の物々交換開始以降。
第五段階:4千年前の文化・文明の誕生以降。初歩的生き方の原理の誕生
第六段階:今の資本主義の時代から今後。対象化と一体化、自由と愛の矛盾を解決する生き方の原理の完成

進化だけの他の生命と異なり、価値増大が、全員の文化・文明の媒介化手段により行われるようになった時期が、個と全体の差の意識誕生時期である。これ以降、意識的に制度など文化・文明による社会変更などが行われていく。この時期の文化・文明の運動は、対象化と一方向一体化の矛盾であった。この間、政治は、宗教と独裁政治の並立が一貫している。

四千年経ち、今、第六段階で、対象化と一体化の矛盾の解決という定式化ができた。物々交換後、六千年かかって、主観的幸せと世界の客観的な価値実現の両立が見通せる課題になった。抽象的な主観と客観の統一が、労働と生活の中での、個人の一瞬の生き方の理想である、対象化と一体化の統一、自由と愛の統一、批判と謙虚さの統一によって実現できる可能性ができた。

 

[53] [CGK2019] 高原, "網羅についてのノート−事実と価値の本質と全体のための−", CGK, 鳥取大, 2019.

和文論文2ページ(体調不良で講演は行わなかった)

根源的網羅思考という名前を付けておきながら、網羅思考が自分ではっきりしていなかった。

まず、思考の基本概念の網羅である。事実から扱う情報であるオブジェクトを引き出すのに、粒度、網羅という基本概念の網羅が必要である。

次に、生きることに関する次の網羅がある。
事実の網羅について、対象化の前提で、事実を、客観的世界と人の観念に今ある存在、関係(運動)の全体ととらえる。
対象についての見方の網羅(世界観)、対象を扱う方法(論理)の網羅(論理学)、生き方の網羅、理想の網羅で網羅される。

(その後、不十分さに気づきさらに展開している)

 

 

本ページの先頭

[49] CGK 2018

[50] 哲学ノート第一部

[50] 第一部PDF

[51] 哲学ノート第二部

[51] 第二部PDF

[52] FIT 2019

[53] CGK 2019

[54] 哲学ノートの今

 

論文集(4)の解題の更新

 

高原論文集(第1集)2003-07

(第2集)2008-12

(第3集)2013-15

(第4集)2016-18

 

[44-47] 英文概要

[48] FIT 2018

英文ページ


 

 

 高原 利生(たかはら としお)  略歴

1945年生まれ。早稲田大学 理工学部 電気通信学科卒。富士通(株)入社。

ダム管理システム、河川管理システム、ネットワーク管理システムなどのシステム設計に従事。仕様決定(1割)、回路設計(1割)、プログラム設計(3割)、システム設計(5割)の全てを経験した。数理論理が、回路でもプログラムでも同じように実現できることが体感できた。

某電力会社の、三種の操作規則を持つ全ダムに対処できるダムゲート操作訓練シミュレーターを、同社の研究所と共同で設計し実現された。

関連会社に移り、河川管理システム、ネットワーク管理等のシステム設計、開発、品質管理、教育、管理に従事した後、定年退職。

会社生活の後半は能力主義の時代だった。しかし全体としては、やりたいように仕事をしてきた。

 

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[49] CGK 2018

[50] 哲学ノート第一部

[50] 第一部PDF

[51] 哲学ノート第二部

[51] 第二部PDF

[52] FIT 2019

[53] CGK 2019

[54] 哲学ノートの今

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高原利生論文集(第6集)2020-21 親ページ

[66] 第6集 Overview

[62] 主著『哲学ノート』17版 親ページ

高原論文集(第1集)2003-07

(第2集)2008-12

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(第5集)2018-19

 

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最終更新日:  2021.12.23    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp