TRIZ/USIT研究ノート, 教材 |
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技術システムの進化のトレンド
(MannのTRIZ教科書による) - USITの解決策生成法との対応 |
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中川 徹 (大阪学院大学), 2002年 8月15日 | |
[掲載: 2002年 9月18日] [英文ページ作成掲載: 2003. 4. 3] [一時掲載停止: 2003. 4. 9 - 2012.12.18] |
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再掲載: 中川 徹 2012年12月19日 |
編集ノート (中川 徹, 2002年 9月10日)
本稿はTRIZの「技術システムの進化のトレンド」をまとめたものであり, USITの解決策生成法と関連づけることを目的として作成した。出典は:
『Hands-On Systematic Innovation』, Darrell Mann 著, CREAX刊, 2002年。訳は 中川 (仮訳)。このリストは, 他のものに比べて分かりやすく, 新しい観点も付加されている。
USITの解決策生成法との関連を [USIT 1a] などで示した (2002. 8.15)。
USITの技法の詳細については, USIT技法一覧 (拡張版) を参照のこと。
TRIZの各種技法の一覧に関しては親ページを参照のこと。
[ノート (2012. 9.20 中川): TRIZのツール (40の発明原理、76の発明標準解、および技術システムの進化のトレンド) はすべて、ゲンリッヒ・アルトシュラー先生の開発によるものです。(出典: G.S. Altshuller: "Creativity as an Exact Science"、Gordon & Breach、1984 )。ここでは、日本におけるアクセスの容易さを考慮して、英書と和書の揃っている、Salamatov の教科書およびMannの教科書の形式のリストを使用ました。]
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TRIZの「技術システムの進化のトレンド」 (Darrell Mann)
1. 賢い材料 (Smart Materials)
受動的材料 ==> 一面適応型材料 ==> 二面適応型材料 ==> 全面適応型材料[USIT 2b, 3h]
2. 空間の分割 (Space Segmentation)
単一の固体 ==> 中空構造 ==> 複数空洞構造 ==> 多孔質 (細管/細泡) 構造 ==> 活性要素を入れた多孔質構造[USIT 1e, 2b, 2f, 4b]
3. 表面の分割 (Surface Segmentation)
滑らかな表面 ==> 突起をもつ表面 ==> 3次元的に粗くした表面 ==> 粗くした表面 + 活性な孔[USIT 2b, 4b]
4. オブジェクトの分割 (Object Segmentation)
単一の固体 ==> 分割した固体 ==> 粉体 ==> 流体 ==> 分割した流体 (泡, エアロゾル)
==> 気体 ==> プラズマ ==> 「場」 ==> 真空[USIT 1g, 2f]
5. マクロからナノ (さらに微細) スケールへの進化 (空間的) (Evolution Macro to Nano Scale (and beyond)) (Space)
[USIT 2g]
6. 網目とファイバー (Webs and Fibres)
均質なシート構造 ==> 2次元の規則的網目構造 ==> 負荷構造に応じた3次元ファイバ配置
==> 活性要素の添加[USIT 2f]
7. 密度の減少 (Decreasing Density)
[USIT 2b]
8. 非対称性の強化 (外部の非対称性に対応させて) (Increasing Asymmetry (to match external asymmetry) )
対称的なシステム ==> 部分的な非対称性 ==> 対応した非対称性[USIT 2d]
9. 境界の除去 (Boundary breakdown)
多数の境界 ==> 少数の境界 ==> 境界なし[USIT 2d]
10. 幾何学的進化 (線形) (Geometircal Evolution (linear))
点 ==> 1次元 線 ==> 2次元平面 ==> 3次元表面[USIT 2d, 3e]
11. 幾何学的進化 (ボリューム的) (Geometric Evolution (volumetric))
平面構造 ==> 2次元構造 ==> 軸対称構造 ==> フル 3次元構造[USIT 2d, 3e]
12. ダイナミック化 (Dynamization)
非可動システム ==> 関節可動システム ==> 全面柔軟システム ==> 流体あるいは流体圧システム
==> 「場」を利用したシステム[USIT 2d,
13. 作用の調整 (Action Co-ordination)
調整されていないシステム ==> 部分的に調整されたシステム ==> 全面的に調整された作用
==> 休止期間に別の作用[USIT 3h, 4a]
14. リズムの調整 (Rhythm Co-ordination)
連続的作用 ==> 周期的作用 ==> 共鳴振動の利用 ==> 進行波[USIT 3h, 4c]
15. (外部条件に対応した) 非線形性 ((Matching to External) Non-Linearities)
線形として考えたシステム ==> 非線形性の部分的考慮 ==> 非線形性の全面的な考慮[USIT 2h, 3h]
16. モノ-バイ-ポリ (類似物) (Mono-Bi-Poly (Similar))
モノ-システム ==> バイ-システム ==> トリ-システム ==> ポリ- システム[USIT 1b]
17. モノ-バイ-ポリ (多様物) (Mono-Bi-Poly (Various))
モノ-システム ==> バイ-システム ==> トリ-システム ==> ポリ- システム[USIT 1b]
18. モノ-バイ-ポリ (差異の増大) (Mono-Bi-Poly (Increasing differences))
類似構成要素 ==> 異なる特性の構成要素 ==> 逆の特性を持つ構成要素 ==> さまざまな構成要素[USIT 1b]
19. 減衰の減少 (Reduced Damping)
大幅に減衰 ==> クリティカルな減衰 ==> 軽度の減衰 ==> 減衰なし[USIT 3h]
20. 諸感覚の利用 (Increased use of Senses)
一つの感覚 ==> 二つの感覚 ==> 三つの感覚 ==> 四つの感覚 ==> 五つの感覚[USIT 3g]
21. 色彩の利用の向上 (Increasing Use of Colour)
色の不使用 (モノクロ) ==> 2色の利用 ==> 可視スペクトルの利用 ==> 色の全スペクトルの利用[USIT 2b, 3d]
22. 透明性の増大 (Increasing Transparency)
不透明な構造物 ==> 部分的に透明 ==> 透明 ==> 透明な機能要素[USIT 2b]
23. 顧客の購入の焦点 (Customer Purchase Focus)
性能 ==> 信頼性 ==> 便利さ ==> 価格[USIT 2h]
24. 市場の進化 (Market Evolution)
普及品 ==> 製品 ==> サービス ==> 経験 ==> 移転[USIT 2h]
25. 設計の観点(?) (Design Point)
一つの操作点に最適化した設計 ==> 二つの操作点に最適化した設計
==> 数個の異なる操作点に最適化した設計 ==> 連続的に再最適化した設計[USIT 2h, 4d]
26. 自由度の増大 (Degrees of Freedom)
自由度 1 ==> 自由度 2 ==> 自由度 3 ==> 自由度 4 ==> 自由度 5 ==> 自由度 6[USIT 3e, 2f]
27. トリミング (Trimming)
複雑なシステム ==> 副次的構成要素の消去 ==> 副次的サブシステムの消去 ==> トリミングしたシステム[USIT 1a]
28. 制御性 (Controllability)
直接的制御の作用 ==> 仲介を用いた作用 ==> フィードバックの導入 ==> 知的なフィードバック[USIT 3h]
29. 人間の関与の減少 (Reducing Human Involvement)
人間 ==> 人間 + ツール ==> 人間 + 動力ツール ==> 人間 + 半自動化ツール
==> 人間 + 自動化ツール ==> 自動化ツール[USIT 2h, 3h, 4e]
30. 設計方法論 (Design Methodology)
試行錯誤 ==> 定常状態を考えた設計 ==> 過渡的効果を取り入れた設計
==> ゆっくりした劣化効果を取り入れた設計 ==> クロスカップリング効果を取り入れた設計
==> マーフィの法則 (「起こる可能性のあることは必ず起こる」) を取り入れた設計[USIT 2h]
31. エネルギー変換回数の減少 (ゼロに) (Reducing Number of Energy Conversions (Tending to Zero))
種々 ==> エネルギー変換 3回 ==> エネルギー変換 2回 ==> エネルギー変換 1回 ==> エネルギー変換 なし[USIT 2h]
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最終更新日 : 2002. 9.18 ; 再掲載 : 2012.12.22 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp