CrePS フォーラム: ソフトウエア

「ふだメモ」を作りました: Excel が要らない簡易「札寄せ法」ソフトウエア

片平 彰裕(第一考舎)

『TRIZホームページ』寄稿、2018年 8月 1日

掲載: 2018.8.14 

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編集ノート (中川 徹、2018年 8月12日)

8月1日に、「札寄せ法」とそのソフトの開発者である片平 彰裕さんから、つぎのようなメールをいただきました。

中川先生  片平です。ご無沙汰しております。

札寄せ用具とは違う札寄せ用のソフト「ふだメモ」を公開しました。 (http://dai1kousha.html.xdomain.jp)

札寄せ用具は、エクセルに依存したソフトですが、「ふだメモ」は エクセルが入っていないパソコンでも使えるようにするために、 Javaで書きました。 JavaのJRE(実行環境)が入っていれば、ウィンドウズに 限らず、マックやリナックスのパソコンでも使えます。 JRE(実行環境)は、多くのパソコンに既に組み込まれていますし、 入っていなければ、無料で入手できます。

「ふだメモ」は、機能的には、札寄せ用具と大きな違いはありません。 ただし、エクセルが入っていないパソコンで使うので、エクセルとの データ授受はできません。 しかし、テキストファイルとのデータ授受は出来ますし、 札寄せ図を画像ファイル(拡張子はpng)にすることができます。

札寄せ用具は、札を動かすときにマウスカーソルの位置を 若干気をつける必要がありますが、ふだメモではこの点はラフに 扱えます。 メモするように気軽に札寄せが出来るという思いから、「ふだメモ」と 名付けました。

お時間のある時に、試していただければありがたく思います。

私は、別掲の「自由・愛・倫理」に関する私の2編の論文の、和文論文を英訳し、英文論文を和訳する作業に時間を取られていました。そこで、「いま多忙で試用はできませんが、紹介記事を用意くだされば、フォーラムの欄に掲載させてください」と返事しました。

片平さんがすぐに用意してくださった記事を読んで、「平易に、分かりやすく書いておられ、 ふだメモのソフトも単純明快だ」と思いました。(試用はしていませんが、片平さんのいままでの実績から、便利に使えるものと思います。)以下に紹介文を HTML とPDFで掲載いたします。

 

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1.概要

5. 操作方法

6. 画像保存例 (ふだメモと札寄せ用具の比較)

参考記事

 


 ソフト紹介      ==>   PDF 

 

ふだメモの紹介

片平 彰裕 (第一考舎)

2018年 8月11日

 

「ふだメモ」は、付箋紙のような「札」と、複数の札を囲む「枠」、札や枠を結ぶ「線」を、パソコンの画面に簡単に書き込み、それらを操作するためのソフトです。

ウェブサイト「第一考舎」の図考室で無料配布しています。
http://dai1kousha.html.xdomain.jp/zukou2.html#fudamemo

1.概要

「ふだメモ」の主な利用目的は、文字を書きこんだ、いくつかの札を動かすことで、頭の中を整理したり、考えをまとめる作業(「札寄せ」と呼んでいます)を容易にすることです。

これらの作業では、思考を妨げず思い通りに「札」を効率良く操作できることが重要です。
「札」を操作するとは、「札を作る」、「札を動かす」、「札の色を変える」、「いくつかの札を枠で囲む」、「札や枠を線でつなぐ」などです。

思考を妨げずに「札」を操作するために、よく使う操作は、ひと目で直観的にワンクリックで行えるようにしました。

ちょっとメモするように気軽に札寄せが出来るという思いから、「ふだメモ」と名付けました。

また、このソフトは次のような利用も考えられます。

・単純に付箋紙のようなメモ

・プロジェクタで映して会議の板書代わり

・QCの道具(親和図、連関図、PDPC、系統図、特性要因図)

・文章の構成を行う「こざね法」

 

2.動作条件

「ふだメモ」はプログラム言語Javaで作ったソフトウェアです。
そのため、これを動かすには、パソコンにJavaの実行環境がインストールされている必要があります。

Javaの実行環境とは、JRE(Java Runtime Environment)のことです。 JavaVM(Virtual Machine)と呼ぶこともあります。

JRE(実行環境)は、多くのパソコンに既に組み込まれています。もし、入っていなければ、無料で入手できます。
Javaを使ったソフトは世の中に色々あります。したがって、自分でJRE(実行環境)をパソコンに入れたという記憶が無くても、パソコンに既に入っている場合もあります。「ふだメモ」をダウンロードしたら、「Fudamemo***.jar」をダブルクリックしてみてください。(***は、ふだメモの版数を表す数字です)

「ふだメモ」が動けばJRE(実行環境)が、既に入っていたということなので、そのままお使いください。

JRE(実行環境)が入っていれば、ウィンドウズに限らず、マックやリナックスのパソコンでも「ふだメモ」を使えます。

もし、「ふだメモ」が動かなければ、「Java」で検索して、ダウンロードし、インストールしてください。JRE(実行環境)は無料でダウンロードできます。

 

3.テキストファイルの読み込み

考えるという行為は、何もないところから新たに考えるだけではなく、何らかの情報を元に考えることも多いと思います。

そこで、キーボードで札に文字を記入するだけでなく、テキストファイルを直接読込んで、札に変換できるようにしました。

Webに書かれた文章や、ワードなどで書かれた文章もテキストファイルとして保存すれば、自分で文字を記入せずに札を作れます。

 

4.結果の利用

「ふだメモ」では、作成した図を保存するファイルは独自の形式なので、他のソフトウェアでは使用できません。

しかし思考した結果を利用できるようにするために次の機能があります。

・札と枠に書きこんだ文字をすべて、テキストファイルに書きだす。
このとき、グループ化されている札枠は続けて書出します。

・作成した図の、画面に表示されている部分を、画像ファイル(png形式)に保存する。

・作成した図の、画面に表示されている部分を、プリンタで印刷する。

 

5.操作方法

ソフトウェアの操作方法は、ソフトウェアのバージョンアップに伴って変化するため、ここでは現時点での最新版である第1.01版について概略を説明します。

なお「ふだメモ」のメニューバーの「使い方」をクリックすると、最新の操作方法が表示されます。

5−1 札または枠を出す

札と枠が一つも選択されていない時に、ツールバーの「黄札」から「黒枠」までのボタンを一つクリックすると該当する札または枠が現れます。

現れた時点で文字の記入・編集が可能な状態になっています。
改行は「Enter」または「return」キーです。
しかし札または枠を動かすと、文字の記入・編集が出来ない状態になります。

再び文字を記入・編集するには、2つの方法があります。

  (1)  選択する(札または枠をクリックする)

札、枠が選択されると枠線が点線になります。

文字のカーソルは、一番最後にあります。

ただし選択した札または枠をクリックすると、選択が解除されるので、文字の記入・編集は出来なくなります。
選択を解除せずに文字カーソルを動かすには、キーボードのカーソルキー(矢印キー)を使用してください。

   (2)  マウスの長押し

札または枠の文字列をマウス左ボタンで1秒以上長押しします。

文字列の長押しした位置に文字カーソルが移動して、編集が可能になります。

 

5−2 札または枠を変更する

一つ以上の札または枠が選択されている時に、ツールバーの「黄札」から「黒枠」までのボタンを一つクリックすると該当する札または枠に変わります。

 

5−3 札または枠を線で結ぶ

ふたつの札または枠が選択されている時に、ツールバーの「線」のボタンをクリックすると該当する札または枠が線で結ばれます。

 

5−4 複数の札または枠をグループにする

複数の札または枠が選択されているときに、ツールバーの「グループ」ボタンをクリックすると、ひとつのグループとして動かせるようにできます。

既にグループ化されたグループも新たなグループに入れることが出来ます。

グループをクリックすると、グループが選択状態となり、外周が点線で囲まれます。

この時、ツールバーの「解除」をクリックするとグループが解除されます。

 

6.画像ファイルでの保存例

画面に表示されている部分を、画像ファイル(png形式)に保存した例を次に示します。

これは、「ふだメモ」と姉妹ソフトの「札寄せ用具」を比較検討している過程の図です。

以上


 編集ノート追記 (中川 徹、 2018年 8月12日)

片平 彰裕さんと「札寄せ法」およびそのソフトウエアの試用例などに関して、本『TRIZホームページ』にはつぎのような記事を掲載しています。

ソフト「札寄せ用具」と ウェブサイト「第一考舎」の紹介 (片平 彰裕) (掲載: 2015.1.20)

札寄せ用具ダウンロード ===> 「第一考舎」の図工室から     (注: ふだメモ もここからダウンロードできます)

「札寄せ」しながら考える: 日本社会の貧困を考える [A] 高齢者の貧困化 (中川 徹) (2015.9.17〜2016. 3.30)

札寄せ用具と図的思考: 第1部: 札寄せ用具の開発の意図、操作法、使い方 (片平 彰裕) (2016.9.29) 

札寄せ用具と図的思考: 第2部: 「札寄せ用具」の使用実践例: 片平が行っている札寄せ法 (片平 彰裕) (2016.9.29) 

札寄せ用具と図的思考: 第3部: 「札寄せ用具」の使用実践例: 中川が行っている「見える化」のための札寄せ法 (中川 徹) (2016.9.29) 

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1.概要

5. 操作方法

6. 画像保存例 (ふだメモと札寄せ用具の比較)

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最終更新日:  2018. 8.14    連絡: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp