実践を通じたＴＲＩＺ活用の社内推進 (久永滋(デンソー）、TRIZシンポジウム2013）

TRIZ 適用推進事例
実践を通じたＴＲＩＺ活用の社内推進
久永滋、竹中博（株式会社デンソー）
第9回日本TRIZシンポジウム、 2013年 9月5-6日、統計数理研究所（東京都立川市）
掲載：2014. 1.26

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編集ノート (中川徹、2014年 1月23日)

本論文は、9月の日本TRIZシンポジウムで発表されたものです。TRIZシンポジウムの全容については、主催者である日本TRIZ協会のサイトと、私の参加報告を参照ください。本発表は、シンポジウム参加者による「あなたにとって最もよかった発表」を受賞しております（私はダブルトラックのために聞き逃しました)。その発表スライドは日本TRIZ協会のサイトにも公表されていますが、著者の希望と了承により本『TRIZホームページ』にも和文・英文で掲載できることは、嬉しいことです。

デンソー株式会社は皆さんご存知のように、トヨタ自動車グループで「電装」部門を担ってきた大企業です。昨年の欧州でのTRIZ国際会議で、「国際的に見てTRIZが自動車産業にあまり浸透できていない」ことが一つの話題になりました。そのような中で、本発表が、2003年から10年間継続してTRIZを導入・適用してきたことを報告していることは、注目に値します。

同社でのTRIZ導入を、導入段階(社外コンサルタント主導のTRIZワークショップでTRIZを学んだ時期)、適用段階（社内推進者が主導して短時間の実地プロジェクトで実践・試行した時期)、応用段階（「ソリューション」を提供し、社内推進者が「伴走」して、実践でTRIZを身につけることをねらった時期)に分けて説明しています。「むすび」のスライドで言っていることがやはり重要であると思います。すなわち、「実践を通じての推進」とは、「実際の業務課題にまずはTRIZを適用し、小さな成功と失敗を積み重ねて学び、新しいアプローチやツールの模索をする」ことだ、というのです。--- そのような実践が、日本中のあちこちの職場で、いろいろな課題に対して、実行されていくように、広げていきたいものです。

　アブストラクト　（2013年5月15日提出）　

実践を通じたＴＲＩＺ活用の社内推進

久永滋、竹中博（株式会社デンソー）

第9回日本TRIZシンポジウム、 2013年 9月5-6日、統計数理研究所（東京都立川市）

概要

当社では2003年よりＴＲＩＺの導入を始め、現在まで社内でのＴＲＩＺ活用を推進してきている。初期の外部コンサルタントの協力による、ワークショップを中心とした導入段階を経て、2006年頃からは実践を中心とした活動へと移行した。これは社内の希望者が社内推進者とともに、実際の業務の課題に対してＴＲＩＺを適用して解決を目指す活動であり、この形は現在まで継続している。2009年頃からは多様なテーマ、ＴＲＩＺに対する多様な期待に応えるべく、使いこなせるツールを増やし、あるいは他の手法との組み合わせなどＴＲＩＺの応用もいくつか試みてきている。

導入から現在までの約10年、約200件のテーマの活動の中でどのような課題があり、どのように改善を試み、現在はどのような活動を行っているかを報告する。

内容説明

１．現在までのＴＲＩＺ推進経緯

・2003年～外部コンサルタントによるワークショップ中心の導入段階
・2006年～社内推進者による業務テーマへのＴＲＩＺ適用段階
・2009年～多様なテーマへのＴＲＩＺ応用段階

２．各段階での課題

・導入段階：時間短縮
・適用段階：ソリューションとしての満足度

３．現在の活動内容

４．課題に対する改善取り組み事例

・ソリューションのための試み

５．まとめ（今後の取り組み）

　発表スライド：　和文スライドPDF (22枚、3.1 MB)

　　　　　　　　　　　　英文スライドPDF (22枚、1.6 MB) (英訳：　日本TRIZ協会)

はじめに

1. 当社のTRIZ展開推移

2. 各段階での活動・課題・改善

3. 他手法との組み合わせ事例：　A系技術の開発シナリオ

4. まとめ