TRIZ シンポジウム 2010 発表論文
技術矛盾から ビジネス矛盾へ : 新型ガントリークレーンの例

Seung-Hyun Yoo, Manyop Han, and Ung-Rak Jeong
(Ajou University、韓国)
スライド和訳: 正木 敏明 (日東電工)

日本TRIZ協会主催 第6回日本TRIZシンポジウム、2010年9月9-11日、神奈川工科大学、神奈川県厚木市

紹介: 中川 徹 (大阪学院大学)、英文: 2011年  3月21日
掲載:2011. 9.19

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編集ノート (中川 徹、2011年 9月18日)

本稿は、ちょうど1年前に、日本TRIZ協会主催の第6回日本TRIZシンポジウム2010で、Seung-Hyun Yoo がオーラル発表したものです。スライドの全文が、英文と和文 (正木敏明訳) で、日本TRIZ協会の公式Webサイトの会員限定ページに3月以来掲載されていますが、今回、より広く読んでいただけるように本ホームページに公開で掲載します。

去る4月に私は、「TRIZシンポジウムのPersonal Report」 の一部として、本発表の紹介を掲載しました。そのPersonal Report の関係部分をここに英文のままで掲載します

本発表は、港湾で使う巨大なガントリークレーンでトロリーを垂直回転させる新しい方式を考案し、約3倍のスループットが得られることを示しました。しかし、それを実現するには新しいビジネスの矛盾、すなわちこの新クレーンを最初に建造するリスクを負う企業を見出すことの困難に遭遇しています。技術的問題解決としては非常に明快な優れた事例です。


[1] 論文概要

技術矛盾から ビジネス矛盾へ : 新型ガントリークレーンの例

Seung-Hyun Yoo, Manyop Han, and Ung-Rak Jeong (Ajou University、韓国)

スライド和訳: 正木 敏明 (日東電工)

概要  

A new vertically rotating type of gantry crane is developed. The new concept was evolved from the main contents of TRIZ, such as Dynamicity, Spheroidality, Periodic Action in 40 principles. The new idea was implemented in new system and usual design activities were followed. They system is designed in system and element level. Engineering simulation shows the concept was successfully realized and the dynamic simulation reveals the exact clockwork of the system. But the real problem appears after this real engineering accomplishment. As the system is so huge, it is not possible to sell so far. The problem emerged in business not the technology. The business problem falls in quite reasonable to an example of a business contradiction.

[注: より詳細な Extended Abstract が 英文ページにあります。]


[2] 発表スライド全文:

英文発表スライド (32 スライド、2.0 MB)    (公開、変更禁止、コピー許可、印刷許可)

和文発表スライド (訳: 渡辺 裕 (ソニー)) (32 スライド、2.2 MB)    (公開、変更禁止、コピー許可、印刷許可)

 


[3] 発表の紹介 (中川): 

「Personal Report of The Sixth TRIZ Symposium in Japan, 2010, Part D. Case Studies in Industries」
中川 徹 (2011年 3月21日) (英文ページ)  を参照    ==> S.-H. Yoo 発表論文 英文ページ

概要紹介:  著者らは(港湾で使う) ガントリクレーンの優れた技術的改良モデルを設計し、トローリーを垂直回転式にすることにより、コンテナの船への積み荷/積み降ろしのスループットを3倍程度改良できることを示した。その設計案の良さはシミュレーションで示されている。ところが、著者たちはビジネス面で新しい矛盾に直面している。なぜなら、この大クレーンを最初に設置するリスクを負おうという人が現れないからである。

 

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最終更新日 : 2011. 9.19    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp