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編集ノート (中川 徹、2011年 9月22日)
本稿は、昨年の第6回日本TRIZシンポジウム (2010年9月9-11日) において、オーラル発表されたものです。この発表のスライドは、一般発表の一つとして、日本TRIZ協会の公式サイトでは「会員限定ページ」に3月から掲載されています。
このたび私は、昨年のTRIZシンポジウムの発表のうちのほぼ半数を精選して、本ホームページに和・英で個別ページを作り、著者の了解を得て発表スライドを本サイトに収録して、より広く読んでいただけるようにいたしました。また、昨年11月〜本年4月に順次掲載しました中川の「Personal Report of Japan TRIZ Symposium 2010」(英文) から関係紹介記事を抽出して英文ページに掲載いたします。
本ページはつぎのものを掲載しております。
和文ページ (このページです) 英文ページ 拡張概要のHTML 版
同 PDF版概要のHTML版
同 PDF 版-- 中川による紹介 ("Personal Report" より) (英文) 日本のものづくり、特にソフトウェア業界について、その将来の方向を鳥瞰的に捉え、危機的状況にあることを訴えています。著者は、ものづくりのプロセスの基本的な枠組みを示して、ビジネスおよび技術のイノベーションの全体プロセスの中に、TRIZ/USITの考え方を取り込もうとしています。その考えを具体化したものとして、『ビジネス・技術イノベーションワークブック』を著者が作りました。ユーザはこのワークブックのガイドに従って、一歩一歩自分自身の具体的な考えを書き込んでいくことによって、イノベーションのアイデアをまとめることができるようになっています。
[1] 拡張概要
日本発:創造的ものづくりとTRIZ
− 危機に直面する日本のものづくりを和洋の知恵を活用し再構築する −
前田卓雄 (匠システムアーキテクツ株式会社))
日本TRIZ協会主催 第6回日本TRIZシンポジウム、オーラル発表、
2010年9月 9-11日、神奈川工科大学、神奈川県厚木市
概要
自動車、デジタル家電、製造業を支える機械等で日本のものづくりは強いとされてきた。その強さは、すり合わせ(インテグラル)型アーキテクチャ採用によることが大きいとされている。しかし、強いものづくりの代表である自動車づくりの強さも電気自動車の出現によって危機を迎えている。電気自動車はモジュラー型アーキテクチャをベースに開発され、部品点数も大幅に減少するだけでなく、部品調達自体もオープンになる可能性が高い。したがって、すり合わせの強みを十分に発揮できる余地が大幅に減少し、強いものづくりも一気に瓦解しかねないという状況を迎えている。
さらに、ものづくりに大量のソフトウェアを必要とする組込みシステム製品でも同様の事態が生じている。製品を差別化し付加価値を向上させるためにソフトウェアをますます必要とし、その結果、ソフトウェアは大規模で複雑なものに変質し、開発生産性を著しく低下させる。ソフトウェアはモジュラーアーキテクチャをベースに、しかもオープンなソフトウェア部品を使い開発されることが多く、もともとすり合わせる余地が限られている。やみ雲なすり合わせでは、強みを出すことができない。また、ソフトウェアエンジニアリングそのものがグローバル標準から遅れた状態ですり合わせたとしても競争力を向上させることはできない。
これらの難題は日本のものづくりの根幹に関わり、強いものづくり再構築が急務となっている。このため、我国の強みとされるプロダクトとプロセスを見直し、グローバルに展開しやすくするスタンダードを吸収し、その上に我国の強みを織り込んだ、製品差別化・競争力強化に直結する前向きなすり合わせを適用し、その手法を確立、我国の技術や技術者の強みが発揮しやすいマネジメントの仕組み、そして人材育成の枠組み再構築等を同時並行に実践する戦略的な行動をしなければならない。本稿では、この「強いものづくり再構築」へのアイデアを提供する。
内容説明
1.強いものづくりの危機
・ すり合わせ型ものづくりの危機
・ ソフトウェア依存型(組込みシステム)製品の危機
・ すり合わせの見直し2.グローバルスタンダードなものづくり
・ グローバルスタンダードなものづくり発想
・ すり合わせによる強み発揮の可能性(市場アプローチ・要求分析・アーキテクチャ・生産プロセス・サービスと保守・製品ライフサイクル)
・ アジャイル開発とソフトウェア工場3.どこで日本の強み(すり合わせ)を発揮するか
・ 前向きのすり合わせと後向きのすり合わせ
・ 問題の多層構造
・ すり合わせポイント
・ すり合わせメソッド4.技術者を活かす工夫
・ 強みの強化と加速に必要なアイデア出し(技術者の創造的活用)
・ 多能技術者
・ 匠技術者5.強みを発揮しやすい仕組みづくり
・ プロセスの見える化と共有
・ 小集団活動によるすり合わせ
・ TRIZ/進化のトレンドに沿った創造増殖
・ TRIZ/矛盾マトリクスによる創造加速
・ 創造素データとしての要求データベース
・ 創造ナレッジデータベース
・ 日本発の創造工学のための方法論とツール開発
・ プロジェクトポートフォリオ/プログラムマネジメント
・ 知的資産としての人材育成の加速方法6.強いものづくり再構築
・ 超大規模ソフトウェア時代への備え
・ 単一ドメインとシステムのエンジニアリングから複合ドメインとシステムのエンジニアリング
・ 強いものづくりを支える技術者像とキャリア形成
[2] 発表スライド:
発表スライド 和文 (32 スライド、PDF 1.7 MB) (本サイト内) (公開、変更禁止、コピー禁止、印刷許可)
発表スライド 英文 (32 スライド、PDF 1.5 MB) (本サイト内) (公開、変更禁止、コピー禁止、印刷許可)
[3] 中川による紹介 (英文):
Personal Report of Japan TRIZ Symposium 2010,
Part H. Applications to Soft & Non-technical Areas
中川 徹 (大阪学院大学)、2011年 3月30日 (掲載: 2011. 4. 14)==> 前田論文 英文ページ内 (英文)
紹介要点:
日本のものづくり、特にソフトウェア業界について、その将来の方向を鳥瞰的に捉え、危機的状況にあることを訴えています。著者は、ものづくりのプロセスの基本的な枠組みを示して、ビジネスおよび技術のイノベーションの全体プロセスの中に、TRIZ/USITの考え方を取り込もうとしています。その考えを具体化したものとして、『ビジネス・技術イノベーションワークブック』を著者が作りました。ユーザはこのワークブックのガイドに従って、一歩一歩自分自身の具体的な考えを書き込んでいくことによって、イノベーションのアイデアをまとめることができるようになっています。
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最終更新日 : 2011. 9.25 連絡先: 中川 徹 nakagawa@ogu.ac.jp