TRIZ論文: TRIZ シンポジウム 2010 テーマ講演
商品企画のためのTRIZの活用
‐イノベーション創造型TRIZの構築‐
澤口 学(早稲田大学大学院創造理工学研究科)
日本TRIZ協会主催 第6回日本TRIZシンポジウム、テーマ講演、
2010年9月 9-11日、神奈川工科大学、神奈川県厚木市
同 紹介: 中川 徹 (大阪学院大学) 2010年12月 8日 (英文)
掲載:2010.12.30 ; 更新: 2011. 9.25

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編集ノート (中川 徹、2010年12月28日)

本稿は、第6回日本TRIZシンポジウム (2010年9月9-11日) に、テーマ講演 (すなわち、招待講演) の一つとして発表されたものです。その発表スライドはすでに日本TRIZ協会の公式サイトに掲載されていますが、このたび中川の「Personal Report of Japan TRIZ Symposium 2010」 の一部に紹介記事を書きましたのを機に、著者の了解を得て本ホームページに紹介いたします。

本ページはつぎのものを掲載しております。  [発表スライド(和・英) を本サイト内に収録しリンクを張りました(2011. 9.25)]

和文ページ (このページです) 英文ページ
拡張概要のHTML 版  
同  PDF版
概要のHTML版
同 PDF 版
発表スライドのPDF版へのリンク(日本TRIZ協会公式サイト)
同 (本サイト内) (2011.9.30)
発表スライドの英訳PDF版へのリンク (日本TRIZ協会公式サイト)
同 (本サイト内) (2011. 9.25)
-- 中川のPersonal Report での紹介 (英文) へのリンク

[1] 拡張概要

商品企画のためのTRIZの活用
‐イノベーション創造型TRIZの構築‐

澤口 学(早稲田大学大学院創造理工学研究科)

日本TRIZ協会主催 第6回日本TRIZシンポジウム、テーマ講演、
2010年9月 9-11日、神奈川工科大学、埼玉県厚木市

概要

日本の製造業は『品質面の技術力、製品・技術開発力』には自信はあるが、『商品企画のしくみ、イノベーション力』には課題ありとの調査結果を筆者は先行研究で明らかにした。その一方で、かつての日本のお家芸であった「高品質かつリーズナブルな価格の実現で商品価値を保証するという“キャッチアップ型戦略”」は新興国(BRICs)の追い上げで、日本製造業の強みではなくなってきている。このような時代背景を考慮すると、日本の今後のサバイバル戦略は、プロダクト・イノベーションによって「世界市場で“フロントランナー(先頭集団)”」になること以外に選択の余地はない。したがって今後は、「限られた経営資源を有効に活用して効果的にプロダクト・イノベーションを実現する商品企画活動=システィマティック・イノベーション活動」が重要になってくる。ここにTRIZ(特に各種技術進化の法則をベースにした未来予測アプローチ)の出番があり、「イノベーション創造型TRIZ」の構築によって「フロントランナー戦略の実現」を提唱するものである。

内容説明

現在の日本の製造企業は「品質面の技術力や製品・技術開発力」には自信がある反面、「商品企画のしくみやイノベーション力」には課題ありと考えているケースが多い。

この先行研究の結果から、日本製造企業はまだまだ「高度成長期型モデル=キャッチアップ戦略」から抜け出せていないジレンマを見てとることができる(下図参照)。

その一方で、世界レベルでイノベーティブ企業と認定された日本企業も存在し、2007年度のビジネス・ウィーク誌&ボストン・コンサルティングの調査ではベスト10に3社(トヨタ、任天堂、ソニー)ランクインしている。しかし、ベスト50まで広げると日本は経済力(GDP)の割に極めて少なく、一社(ホンダ)増えるのみで4/50に留まる一方で、米国(31/50) 中心に欧州(10/50)の存在感が増す。このような結果を見る限り、イノベーティブな日本企業も存在するものの全体的なインパクトは弱まっている印象が強い。なお、トップ10の上位企業を見ると、タタ(インド)以外は、アップル(1位)、グーグル(2位)、任天堂(7位)など、IT環境を巧みに活用して成功している企業の存在感が大きいし、モノづくりの代表格であるトヨタ(3位)でも、EV開発等でIT技術の相対的重要度が高まっているのは間違いない。つまり「社会の変化(IT技術の急速なインフラ化)に、自社のコア技術をうまくマッチングさせた戦略の実施」が企業の革新化の1つの要件になっているのではないだろうか。

さらに、筆者は消費財系ハード商品の場合、「ヒット要因とイノベーション要因は親和性が極めて強い」という仮説のもとで、ハード系ヒット商品の分析調査を実施し、イノベーション要因を抽出・整理することを試みた。

その結果、イノベーション商品とは「“潜在的要求機能をいち早く実現”し、“未来の潜在的矛盾も把握・解決”し、“社会に対するインパクトが極めて高い”商品」であることが判明した。この三要素の実現には、「“TRIZ(主に技術進化の法則など)思考”を中心に“機能分析(VEやQFD)”や“社会環境マクロ分析等の戦略思考”」をビルト・インした「次世代商品企画型TRIZ=システィマティック・イノベーション」が効果的と考えている。

そこで、本講演の中で「商品企画型TRIZの“ひな型”」を一つ提案することにする。しかし、最終的なイノベーティブな商品の実現化には、技術的なプロセス&テクノロジーの革新化だけでは不十分であり、経営的なストラテジー&リーダーシップ の革新も必要不可欠であるという事を一言申し添えておきたい。

 

拡張概要 PDF


[2] 発表スライド:    [日本TRIZ協会 公式サイトへのリンク]      [発表スライドを本サイト内に収録しリンクを張りました(2011. 9.25)]

発表スライド 和文 (44 スライド、PDF 1.0 MB)   (本サイト内)  (協会サイト内)   (公開、変更禁止、コピー禁止、印刷許可)

発表スライド 英文 (46 スライド、PDF 1.2 MB)  (本サイト内)   (協会サイト内)   (公開、変更禁止、コピー禁止、印刷許可)


[3] 中川による紹介 (英文):

Personal Report of Japan TRIZ Symposium 2010,
Part B. Methodologies in TRIZ
中川 徹 (大阪学院大学)、2010年12月 8日 (掲載: 2010.12.30)

==> 澤口 英文ページ内 (英文)

 

本ページの先頭 発表拡張概要 発表スライド PDF 発表スライド (英文) PDF 中川による紹介 (Personal Report 抜粋) TRIZシンポジウム2010   英文ページ

 

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最終更新日 : 2011. 9.25    連絡先: 中川 徹  nakagawa@ogu.ac.jp