TRIZフォーラム: 学会参加報告(9): |
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TRIZCON2004:
Altshuller Institute第6回TRIZ国際会議 2004年 4月25〜27日, シアトル, 米国 |
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中川
徹 (大阪学院大学) 2004年 5月11日 (英文) [掲載: 2004. 5.13] |
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概要和文 (2004年 5月12日) [掲載: 2004. 5.13.] |
今回のTRIZCON2004は日本からの参加は小生だけであった。学会の発表および論文集の論文を全編レ ビューして, 詳細な学会報告を英文ページに掲載する。和文ではその概要だけをここに報告する。
会議名称:
TRIZCON2004: The 6th Annual Altshuller Institute for TRIZ Studies
Conference
(TRIZCON2004: Altshuller Institute 第 6回TRIZ国際会議)
日時:
2004年 4月25日〜27日
会場: シアトル,
米国 (Westin Hotel, Seattle, WA, USA)
主催:
The Altshuller Institute for TRIZ Studies
Web site: http://www.aitriz.org/
後援: Ideation International
Inc., Invention Machine Corp., Ford Motor
Co.,
The Boeing Co.,
TRIZ Journal, Qual Soft, Technical Innvation Center
参加者: 約85人 (うち約
26人がBoeing社からの参加)
プログラム概要:
4月25日
(日)
Tutorial (入門向けと高度なものと 2コース)
4月26日(月) 〜27日 (火) シンポジウム (招待講演と発表
(2会場並行))
(1) 基調報告:
Pauline Marsh (英国)
BAE Systms社でのTRIZ導入活動の報告。1999年から導入を開始し, コンサルタントの協力のもとに,
社内TRIZトレーニングを強調して導入。5部構成の教育プログラムを持つ
(ソフトツールを使う教育は最後の部分だけ)。すでに500人をトレーニングし, 一部の部門ではTRIZが完全に共通言語になっており,
今後自律的に発展しく見通しができている。それでも1万人のエンジニアのうちの500人だから, まだまだこれからだと思っている。
(2) 技術分野でのTRIZの導入に関して, 韓国のサムソングループの報告が3件あり,
その実績の程度とスケールは世界的に見てダントツの状況である。サムソンでは1999年からロシアのTRIZ専門家を招聘して (現在は10人規模)
, トップダウンに導入をした。最初は招聘TRIZ専門家を主体とした実地問題解決を先行させ, それを韓国の技術者達が学ぶことによって,
段階的に急速にTRIZを習得することができた。実地での問題解決に並行して, トレーニングを重視しており, 教材作成, ネットワーク学習,
講義, 実地訓練などを組合せ, 国際TRIZ協会の認証をえたTRIZ専門家を多数養成できている
(サムソン電子だけで48人)。シックスシグマによる運動の中に位置づけ, シックスシグマで何をするべきか,
何がネックになっているかを明確にして, それをTRIZで解決する。多数の実地プロジェクトに適用して成果を上げており,
特許や製品に多数反映しつつある。(他に, GEN3 Partners社 (米国, IM社から分離したコンサルティング会社PVI
がGEN3に吸収された) の事例が参考になる。)
(3) 米国のTRIZの進展状況に関しては米国内にも問題意識があり, パネル討論が行われたが,
その議論はあまり生産的でなかった。中川は「TRIZの普及の困難は, TRIZの教え方/適用法が複雑すぎるためであり,
もっとやさしくする必要がある」と発言した。また, 中川の発表は
「Practices of Applying TRIZ/USIT in Japan 」と題して, 日本でのTRIZをやさしくする努力と,
日本の諸企業の導入活動を (公表されている範囲で) 紹介した。論
文を英文ページに掲載する
(また概
要のみを和訳・掲載した。全文の和訳は数週間後になる)。
(4) Boris Zlotin & Alla Zusman や
Sergei Ikovenko などの発表があり (Proceedingsに無掲載), 分かりやすく教育的であったが新しい研究成果ではなかった。
(5) ビジネスや
マネジメント分野へのTRIZの適用について, 少数だったがよい発表があった。Rodney King は, SWOT分析
(強み弱み, 機会危機) をTRIZの考え方を用いて大幅に拡張した方法を述べた。また,
その方法をMicrosoft社のビジネスの分析に適用した例を示した。論文は詳細に記述されており,
TRIZの応用のしかたがよく分かる。Darrell Mann (欠席) の論文は, ビジネス分野に関する新著 (近刊)
を踏まえて発展させたもので, 新著における彼の適用法の骨組みを理解できる。
(6) 全体として,
米国はコンサルタント主導・ツール指向の流れから脱却できていず,
TRIZの進展に問題を抱えている。これに比べて欧州は大学と企業との協力関係を中心として, 着実な浸透を見せているように見える。韓国が
(サムソンだけだが) , TRIZの導入を完全に定着させ, すでに多くの実績を持ち,
今後も急速に発展する態勢を作り上げた。驚くべき速さと広がりである。日本は,
TRIZ普及の基盤をずっとしっかりさせ実績が出始めている段階であるが, 適用実践・訓練・組織活動などをもっと本格化させることを急ぐ必要がある。
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