『ソフトウェア工学とTRIZ』 (1) 構造化プログラミングをTRIZの観点から見直す |
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中川 徹 (大阪学院大学) | |
Proceedings of TRIZCON2005、 第7回Altshuller Institute主催TRIZ国際会議、デトロイト、米国、2005年4月17-19日 (英文) [和文概要: 2005年 6月14日] | |
掲載: 2005. 6.16 |
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編集ノート (中川 徹, 2005年 6月14日)
この論文は表記のように、TRIZCON2005国際会議のProceedings に発表しました。私は (別ページに書いていますように) この学会に 2編の論文を投稿し、自分自身の判断で第2論文 (「TRIZ/USITにおける創造的問題解決の全体構造」
) の方を口頭発表しましたので、本件は報告集での発表だけになりました。国際会議の報告は別ページ
を参照下さい。
この論文は、昨年 8月24日に掲載しました同名の研究ノートを推敲して、論文にしたものです。推敲にあたって、大学のゼミの卒業研究での、国見 真 君と笠佐ミ平君との議論が有益でした。ここに記して感謝いたします。
いまは論文全体を和訳するだけの時間的余裕がありませんので、ここには、概要と目次とだけを和訳掲載し、主要なリンクを張っておきます。詳細は英文の論文を参照下さい。
論文概要
本論文はつぎのような三重の目的を持った研究の第一報であ る。(1) TRIZをソフトウェア開発に関わる問題に適用し、TRIZの応用分野をソフトウェア開発およびソフトウェア工学の分野に拡張する。(2) ソフトウェア工学におけるトピックスをTRIZの観点から明確にする。(3) ソフトウェア工学や情報科学において確立された原理や知識をTRIZにフィードバックする。これらの目的のために本研究で採用したアプローチは、ソフト ウェア工学におけるトピックスを一つ一つ取り上げて、それについてTRIZ全体の観点から考察することである。そのTRIZの観点としては、発明原理、発 明標準解、進化のトレンド、およびTRIZの思想の諸要素を含む。
「構造化プログラミング」の概念を本論文では吟味する。一つの時代を画したいわゆる「Goto論争」について、矛盾に関するTRIZの概念から見ると、つ ぎのような、(情報科学のクラスでしばしば教えられている) 教え方 「構造化プログラミングは、3種の基本制御構造だけを使い、Goto文を使わなくしようという提唱であり、その後に実際との妥協として、4種の制御構造が 追加された」 は適切でないことが分かった。(適切でない) 理由は、これらの制御構造の追加によってはじめて、構造化プログラミングは健全な土台を持つからである。他方、構造化プログラミングのアプローチは、特に つぎの点を (取り入れるように) TRIZを促している。(a) TRIZの発明原理1 (分割の原理) は、段階的詳細化の概念を反映するように拡張するべきである。(b) TRIZの発明原理 6 (汎用性の原理) は、産業における標準 (標準規格など) を確立し使用するという概念を含むように拡張するべきである (この点は、発明を非常に重視してきた故のTRIZの盲点である)。(c) TRIZの発明原理7 (入れ子の原理) は、システムの階層性の概念を反映しているものとして、もっと重視するべきである。
論文目次
概要
1. はじめに
2. 構造化プログラミング (ソフトウェア工学の文脈での説明)
3. TRIZの観点から見た構造化プログラミング3.1 複雑性を克服して信頼性を達成する必要性
3.2 システムを単純にするために階層的構造を使うこと
3.3 Goto文をトリミングする
3.4 Goto文論争をTRIZの矛盾概念から見直す
3.5 最終的な解決策: 構造化プログラミングとは何か?その本質は?
3.6 構造化プログラミングを (社会的) 運動として見る4. ソフトウェア工学からTRIZにフィードバックする
4.1 処理構造とアルゴリズムの概念
4.2 段階的詳細化をTRIZの分割原理に取り入れる
4.3 入れ子の原理を拡張し、階層的なシステムを表現する
4.4 入れ子構造のねじれを避けること
4.5 分かりやすさという概念
4.6 複雑なシステムを単純化するための指導原理の必要性
4.7 汎用性原理を汎用標準に拡張する必要性
4.8 矛盾を解明するプロセス (の再考)5. おわりに
参考文献
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