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リコーにおけるTRIZ展開の現状と適用事例 | |
杉山邦利, 後藤一雄, 保田尚男,
斎藤秀雄, 鈴木 稔 (株式会社 リコー)
第3回日本IMユーザグループミーティング, 発表, 2002年 8月28-30日, ラフォーレ修善寺 (静岡県田方郡修善寺町) |
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2002年 9月30日投稿受理 (掲載: 2002.10. 1.) |
編集ノート
(中川 徹, 2002年10月 1日)
本稿は, 表記のように 8月末の第3回日本IMユーザグループミーティングで発表されたものです。日本企業におけるTRIZの導入と適用の地道な努力の積み重ねとそれが定着してきた状況を率直に報告しています。発表のときにも大きな反響があったものです。9月17日に本ホームページへの発表が許可された旨の連絡を受け, 昨日最終的な形での発表ファイルを受理しました。発表資料はもともとMS PowerPointのスライドでしたが, 読者のダウンロードの便を考え, MS Wordで2スライド/頁にして頂き, それをPDFファイルにしました。また, 簡単な要約とコメントをつけていただきましたので, 以下に記載します。
この事例報告の本『TRIZホームページ』掲載を許可いただきました関係者の皆様に厚く感謝いたします。
著者: 杉山 邦利 氏 ((株) リコー): E-mail: ksugiyama@nts.ricoh.co.jp
後藤 一雄 氏 ((株) リコー): E-mail: kazuo.gotoh@nts.ricoh.co.jp
保田 尚男 氏 ((株) リコー): E-mail: hisao.yasuda@nts.ricoh.co.jp
斎藤 秀雄 氏 ((株) リコー): E-mail: hideo.q1.saitoh@nts.ricoh.co.jp
鈴木 稔 氏 ((株) リコー): E-mail: suzukim@nts.ricoh.co.jp
所属企業: (株) リコー (本社: 東京都港区) Webサイト: http://www.ricoh.co.jp/
学会主催者: (株) 三菱総合研究所 知識創造事業チーム (リーダー: 堀田 政利 氏) Webサイト: http://www.internetclub.ne.jp/IM/
このような企業からの実践報告が行われ, 公表されるようになってきたことは, 日本でTRIZが定着しつつあることを示すものです。今後も読者の皆さんからの実践報告その他の投稿をぜひお願いいたします。
リコーにおけるTRIZ展開の現状と適用事例
杉山邦利, 後藤一雄, 保田尚男, 斎藤秀雄, 鈴木 稔 (株式会社 リコー)
【要旨】
普及活動リコーでは'97にTRIZの英語版ソフトを導入し評価に着手したことに始まり、全社の各事業部で併発的にTRIZ導入が進められてきた。品質管理部門の取りまとめで'99年末に全社展開を目指したTRIZ研究会を発足させた。TRIZ研究会は、定期会合のほか、啓蒙のための講演会や適用支援などを実施し、特許出願や対象課題の解決案提出などで成果をあげてきた。社内にTRIZを活用したいとの声がある中で '01年からは、社内教育コースをスタートさせた。
社内教育コースは、研究会メンバーを講師とした独自カリキュラムにより実施されている。社内教育コースの実施は、修了者によるTRIZ実践に結びついており、徐々に効果が現れつつある。さらに、カリキュラム作成段階における議論は研究会メンバーのTRIZ理解を深める効果があった。
弊社におけるTRIZ普及の今後の課題は、社内啓蒙のためのデーターベース整理と、事業的アピール度が高い課題へのTRIZ適用であると考えている。
事例
パターン印刷の事例は、商品の開発段階における生産技術課題に対して適用されたものである。IM社TRIZソフトのPrincipleモジュール(技術矛盾と40の発明原理)、Predictionモジュール(物質-場モデルと標準解)、及び、Effectsモジュールを適用し、コンセプト生成を行った。TRIZ適用により新しいコンセプトや見落としがちなコンセプトが得られた。特に、当初、担当技術者の専門分野である塗布技術の延長で解決策を検討しがちであったが、Predictionモジュールの物質-場モデルによる抽象化により、心理的惰性に打ち勝つことができ、新たな視点を取り入れることができた。このようにして得られたコンセプトの効果は実験により確認された。
発表資料本体
(ここをクリック下さい) PDFファイル 17頁(33スライド)
476KB
【著者コメント, 2002年 9月30日】“TRIZ社内普及のために何をすべきか?”
当初、リコーのTRIZ研究会でもなかなか方針が定まらない期間がありました。現在では、TRIZ普及の中心に社内教育が位置づけられている状態です。社内教育の実施においては、研究会メンバーの多くの労力を必要としましたが、徐々に成果に結びつきつつあると考えています。コース修了者のTRIZ実践は第一の成果ではありますが、その他に、TRIZ推進側のレベルアップがされる効果がありました。教える側に立つことで、改めてTRIZの奥深さと、全体像を理解することの難しさを再認識しております。
企業内へのTRIZ普及について、より多くの方と課題を共有化できればと考えております。
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最終更新日 : 2002.10. 1
連絡先: 中川 徹 nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp