TRIZフォーラム:  読者の声 
初心者のための文献の読み方, 
TRIZCON2001参加報告, 
TRIZのエッセンス, 
Beyond TRIZ, 
日本の創造技法について
徳永章; 片岡敏光(アンリツ); Ellen Domb (米国); Ed Sickafus (米国); Valeri Souchkov (オランダ); 某; 大浦利雄 (NEC); Ji Jun Ho (韓国); James Kowalick (米国); 田辺恵吾; 中川  徹 
    [掲載: 2001. 7. 4]
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編集ノート (中川  徹, 2001年7月 4日)

  本『TRIZホームページ』の記事に関連して, 国内・海外の読者の皆さんからいろいろなメッセージをいただいており, 編集者として感謝しております。この3ヶ月ほどにいただきましたメッセージの中から, 読者の皆さんに広く参考になると思われるものを選び, ここに掲載させていただきます。発信者の方々から掲載の許可をいただきましたが, 一部のメッセージは匿名あるいは所属・連絡先不記載にいたしました。有意義なメッセージをいただき, 公表・掲載を許可くださいました方々に感謝いたします。

   関連したテーマで整理して, つぎのような構成にしております。

(1) 初心者のための文献の読み方について     徳永 章 (2001. 4.2),  中川返答 (2001. 4. 5)

(2) 「TRIZCON2001参加報告」について   片岡敏光 (2001. 4. 5), Ellen Domb (2001. 4.28), Ed Sickafus (2001. 5.1),  Valeri Souchkov (2001. 6.15)

(3) 「TRIZのエッセンス - 50語による表現」について   誌上匿名 (2001. 5.22), 大浦利雄 (2001. 6.22), Ji Jun Ho (2001. 5.29)

(4) Beyond TRIZ     James Kowalick (2001. 4.25)

(5) 日本の創造技法について    中川  徹 (2001. 6.14),  返信: 田辺恵吾 (2001. 6.16)

なお, 本ページでは, 英文のメッセージを和訳せずに掲載しております。 ご了解下さい。

 本ページの先頭 1. 初心者のための読み方 2. TRIZCON参加報告 3. TRIZのエッセンス 4. Beyond TRIZ 5. 日本の創造技法 英文ページ




 

(1) 初心者のための文献の読み方について

       徳永 章 氏, 2001. 4. 2.

ソフトウェア開発に携わっている者です。突然のメールで申し訳ありません。

TRIZ/USITというキーワードを上司から聞き、さらに中川様のURLを教えてもらいました。

「TRIZのエッセンスは何か? 簡易化技法USITの導入は混乱させないか?」 および「USIT -- 簡易化TRIZによる創造的問題解決プロセス」 の二つを読んだのですが、なんとも理解不能になってしまいました。

「最小問題」とか, 「弁証法的思考」とかの用語が分かりません。正直に申し上げて、言葉の使い方が高尚で、なかなか理解できない(実感できない)というのが正直な印象です。

また, USITの問題定義プロセスで, ゲートバルブを使って、問題設定の例が出てきます。いくつか案が出ていますが、どの案がどういう理由で良くない/すぐれているのか、考え方の具体例があれば教えていただけませんか。さらに, 業務では、問題の定義と、根本原因の検出に非常に神経を使います。ところが、本説明では、さらりと「根本原因」を出しているように見えます。根本原因を見つけるには、いろいろな工夫と労力が必要かと思いますが、USITでは簡単に根本原因を見つける抽出法を確立しているのでしょうか。

そもそも、TRIZ/USITで解決すべき「問題」とは、従来QCサークルで解決したい問題と比べると、何を問題と扱うかという点で違うのではないかと想像しています。

なお、申し訳ないことに、私は上記二つのURLしか読んでいません。もし、別のURLまたは出版物に示しているということであれば、そのポイントだけでも結構ですので、教えていただけると助かります。
 

        中川の返答   (2001. 4. 5)
メールありがとうございました。

小生のホームページでいろいろ書いていますように, TRIZ/USITについても情報がずいぶん多くなってきましたので, 徳永さんのように初めてホームページを読まれると理解しにくいことがあるかもしれません。(小生のホームページのトップページをご覧になるとどんな構成かがわかります。)

つぎのように, 読んでくださるとよいと思います。

(1) TRIZ紹介:  創造的な問題解決の方法論「TRIZ」を知ろう! (中川  徹, 1999. 9. 6)

(2) USIT法の適用事例報告(1) ゲートバルブからの少量の漏水の検査法 (中川  徹, 1999. 7. 2)

(3) USIT法の適用事例報告(2) 高圧ガス入り溶融ポリマーから多孔性樹脂を成形する場合の発泡倍率の増大 (中川  徹, 1999. 7. 2)

(4) USIT -- 簡易化TRIZによる創造的問題解決プロセス (中川  徹, 2000. 4.24)

記事のハイパーリンクを活用して, いろいろ読んでくださるとだんだん分かっていただけるのでないかと思います。

「TRIZのエッセンスは何か?」という記事は, 基本知識がある上級の人とのディスカッションですから, Introductionではありません。

とりいそぎ。
 

中川補足 (2001. 7. 4)

上記の読者からの質問で, 「初心者が何をどう読んでいけばよいのか」というのは, 大変重要なことだと思っておりますが, 上記の返答の時は多忙で,  とりあえず (TRIZの初歩からUSITの概要を学ぶときの) 文献の読み方の順番だけを回答させていただきました。この件にはまだ多くの懸案が残っております。





 

(2) 「TRIZCON2001参加報告」について

  a) 片岡 敏光 氏 (アンリツ株式会社)  2001. 4. 5     email:  Kataoka.Toshimitsu@bb.anritsu.co.jp

ホームページ更新のお知らせありがとうございます。

第 3回TRIZ国際会議へのご出席ご苦労様でした。また、帰国間もなくお疲れのところ、会議の様子を実況中継のように、リアルに報告していただき大変感謝しております。こんなに早く内容を知ることができ、感激しています。

特に、べトナムの Phan Dung (ファン・ズーン)博士の「TRIZの弁証法論理の考え方というのは, 東洋の道教の論理と同じだから, ベトナム人とか日本人には分かりやすい」とのご発言があつたとのこと、我が意を得たりという思いがしました。

といいますのは、私が昭和47年頃知った、桜沢汝一という人が提唱した東洋哲学「無双原理」、別名「マクロバイオテック」という考え方が、TRIZの考え方と相通じるところがあると思っていたからです。これは、「易」をベースに実用弁証法として彼が再構築したものです。

参考図書紹介・HP
http://www.macrobiotic.gr.jp/book/sakurawaza/sakurazawa.html
http://www.macrobiotics.ne.jp/books.htm
桜沢汝一は、アルトシュラーと共通する点を持ち合わせ、危険思想の持ち主として投獄されたり、様々な著作で生計をたて、「無双原理」普及のために一生をささげた人で、日本より欧米での評価が高い人です。彼が蒔いた種が芽生え、今日の自然食、健康ブーム、エコロジー運動に多大な影響を与えております。

残念なことに、彼の考えを受け継いだ弟子達が、エコロジー、健康分野、自然食、病気直しなどをメインとして活動、どちらかというと科学、技術分野の進歩について否定的な人が多く、現在、健康分野以外では、進歩が止まっています。TRIZほど理論体系づけられていませんが、東洋的ものの見方、考え方に共通する曖昧さがあります。が、考え方は、創造性開発の面で参考になる点が多く、私としては、TRIZとの融合が図れるのではと考えています。特に、無双原理12定理は、使える定理と思います。生物学、生理学面での問題解決に効果があると思います。


   b)  Ellen Domb  (TRIZ Journal 編集者)   2001. 4.28     email: EllenDomb@compuserve.com

I am using the "welcome" letter in the May TRIZ Journal to tell our readers about your report on  TRIZCON2001.
I appreciate your candid remarks, (I agree that there are too many consultants and not enough businesses at the meeting!)  and I'm sure our readers will appreciate them also.
Thanks!

   c)  Ed Sickafus  (Ntelleck)  (USIT法開発者)  2001. 5. 1          email:  "Ed Sickafus" <Ntelleck@ic.net>

Just got back from a short trip in the south (Alabama) and found your email report on TRIZCON2001 -- nice report, I'm sure many people will appreciate your efforts.
      [... 以下略]

  d)  Valeri Souchkov  (オランダ, SalmatovのTRIZ教科書の編集者)  2001. 6.15  email: "Valeri Souchkov" <valeri@inbitween.nl>

I hope everything is all right at your side!

First of all, I'd like to thank you for the translation of your notes presenting a summary of TRIZCON.  It was extremely interesting to read a detailed report about the conference for I was unable to visit the event!
      [... 以下略]





 

(3) 「TRIZのエッセンス - 50語による表現」について

  a)  某家電メーカ TRIZ推進担当者  より     2001. 5.22

メールありがとうございました。
いつもながら中川先生のご活躍ぶりには驚かされます。
ホームページを隅から隅まで読ませていただくべきですが、何しろ力作ぞろいで分量も多いですから、いつも拾い読み程度になってしまい、まことに申し訳なく思っております。

今回の「50語で表現」は短文で読みやすい所が気に入りました。50語でなんとなく雰囲気が感じ取れるところがいいと思います。しかし、やはりTRIZは奥が深いですね、含蓄のある文章だけに、これだけで理解しようと思ってもなかなかそうはいきませんね。後の解説を読んでもやはり難しいです。繰り返し読んで理解を深めたいと思っております。

前回のTRIZCONの記事もざっとですが読ませていただきました。ClausingがTRIZについて講演をしたというのが印象に残りました。

当社の近況ですが、あるカンパニーがやっと重い腰をあげてくれ、TRIZを問題解決に用いる試みをスタートしています。今回はコンサルタントに助けてもらって進めています。中川先生のUSITが後になってしまい、申し訳ありません。USITも是非トライしてみたいと思っております。その節はよろしくお願い致します。


  b)  大浦 利雄 氏 (日本電気株式会社)  より    2001. 6.22      email:  t-ooura@ak.jp.nec.com
 

私と当社社員の東山尚稔 は、2001年6月18日、山形日本電気株式会社にて、TRIZソフトウエアである「TechOptimizerプロフェッショナルエディションV3.1(日本語版フル構成)」を使用して、同社の実地問題に対してコンサルティングを行いました。

その際、中川先生が2001年6月1日に株式会社三菱総合研究所にて開催された知識創造研究会の創造手法分科会の特別講演でお話しされました「TRIZのエッセンス 50語による表現」の”TRIZのエッセンス” (「問題をシステムとして理解し、理想解を最初にイメージし、矛盾を解決すること」)を、早速、そのソフトウエアを使用して実践しました。(私たちはそれを実践したつもりです。)

そうしましたら、とても解決できない難問と思っていた課題に対し、全く思いもしなかった、大袈裟ですが、『コペルニクス』的なコンセプトを発想できました。
中川先生のご講演のお陰です。本当にありがとうございました。


  c)  Ji Jun Ho 氏 (韓国)  より     2001. 5.29  email:cosmos@koreaaero.com

My name is Ji Jun Ho, and I live in South Korea.
I am working as an aircraft engineer in Korean Aerospace Industries.
I am very happy to visit your Web site and read much TRIZ documents.

I have been learning TRIZ for about one year, and am leading the TRIZ Study Club in my company.

I want to translate your "Essence of TRIZ in 50 Words" into Korean language.  This Essay is very good to understand TRIZ.

Thank you !




 

(4) Beyond TRIZ
        James Kowalick   (RLI, 米国) より    2001. 4.25email: headguru@succeed.net
 

Hello!  I must tell you that I am appreciating your web site very much.  Your Web site has brought together all people in the world who have a connection with, or an interest in, TRIZ.  TRIZ appears to still be in the "infancy stage" with regards to its application by western nations --- including the United States.  One reason that TRIZ appears to remain in the infancy stage, is the language of TRIZ, which many potential practitioners believe to be rather intractable.

Perhaps someday we will have the time to get together to discuss what has been happening "beyond TRIZ."

As you may know, the Renaissance Leadership Institute (RLI) was the first training and consulting firm to fully embrace TRIZ in the United States, in the early 1990's.  Before that time, I had been following some aspects of TRIZ written by a Russian early than Altshuller --- concerning a unique form of functional analysis, not unlike S-fields, but (in my opinion) superior to S-fields.  I first encountered these writings around 1975.  At that time they were in an English translation of a French book entitled "Fragments of an Unknown Teaching."

For the last ten years, we at the RLI have been developing further creative techniques, procedures and approaches.  One of these is Triads, which was little-developed just four or five years ago, but which is now a creative tool that is more powerful than even S-fields or Functional Cost Analysis.  Yet, Triads makes use of these former tools.  Each tool has its appropriate place.  Another area of emphasis is the integration of problem-solving tools with each other --- as well as with the other stages of engineering development associated with a product.  Naturally TRIZ, Triads and other creative tools belong more in the first stage of engineering development --- "Concept Design."

For nearly a decade, we have been teaching TRIZ to children in northern California, and the results are most positive.  The school involved is a private school.  We may, in the future, be publishing information about this project.  In the meantime, we have been developing a "creativity curriculum" for children, accompanied by school manuals and workshops.  We have also been developing teaching manuals for teachers.

Another RLI project has been in developing creative software.  We now have eight different software modules that we use with corporate clients.  This software is text-based (non-graphic).  Our clients' technical professionals say that the text-based software is superior to graphic invention software now on the market.

Our most recent development has been integrating our creative processes (including TRIZ) with the approach called "Disruptive Technologies."  Disruptive Technologies is an approach that occurs repeatedly in the world of global business.  Altshuller and the TRIZ community had failed to notice how disruptive technology works.  It has several parallels with TRIZ; however, it is quite different.  When disruptive technologies is used as a business forecasting tool, it is very powerful, and it leads to new product families.  RLI has developed predictive algorithms based upon disruptive technologies.

One tool of TRIZ that I personally have found to be very fascinating is "Sabotage Analysis" or "Sabateur Analysis" or "Subversive Analysis" (it goes under several names).  RLI is further developing this tool, because of its broad applicability for many industries.

Another too that produces excellent results also goes by several names: "Plus-Plus," "Alternative System Design," and "Feature Transfer."  RLI has examined these three versions of the tool, and has further developed it so that it is far more effective in coming up with next-generation product and process designs.

RLI is actively engaged in publishing creativity books.  We will be broadcasting more to our many friends as our first offerings appear in print.

I hope that this brief synopsis serves to let you know a little about what RLI is doing.

I look forward to meeting you again, sometime.  I believe that we may have met at one of the very first TRIZ programs (it was combined with Taguchi Methods) in the City of Industry, at the Sheraton Resort Hotel near Los Angeles.  At that time I was actively the co-editor of the TRIZ Journal (www.triz-journal.com) which I founded with Ellen Domb. Since then, RLI's activities have grown, and I turned over the web site to Dr. Domb.

Best wishes to you, and once again, congratulations on the wonderful service that your TRIZ website is offering to the world!





 

(5) 日本の創造技法について

   a) 中川 より  田辺恵吾 氏 (千葉県白子町) に   2001. 6.14

貴WWWサイト「まんだら39館」のページを拝見し, はじめてお便りをいたします。

市川亀久弥先生の等価変換理論についてWWWサーチをしていまして, 貴ホームページを知りました。特に, 「知恵まんだら39」を読ませていただき, 創造技法について非常に広くかつ分かりやすく説明しておられることを知り, 感激いたしました。日本でのさまざまな人達の文献が紹介されており, 大変参考になりました。

私はいま, ロシア生まれの創造的な思考の技術「TRIZ」について研究しており, 2年半前からホームページを開設しております。

つきましては, 貴ホームページへのリンクを私のホームページのリンク集の中に張らせていただきたく, お願いいたします。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


  b) 田辺恵吾 氏 (千葉県白子町) より 返事    2001. 6.16  email: "まんだら39館" <manda39@bii.ne.jp>
 

まんだら39館の田辺です。お褒めのメールを頂き誠にありがとうございました。
「知恵まんだら39」に注目してくださった方は中川さんが初めてです。なかんずく等価変換理論は、KJ法やNM法に比して難かしい印象があるのか本以外でこの言葉を聞いたのも中川さんが初めてです。
 
ロシア生まれの創造的な思考の技術「TRIZ」を研究しているとのことに興味を覚えました。今まで知りませんでした。早速アクセスしました。「創造的な問題解決の方法論TRIZを知ろう」のページです。後日、ゆっくり読まさせて頂きます。シンボルマークは素敵です。

リンクの件はありがたく、こちらこそ是非お願いします。
http://www.bii.ne.jp/~manda39/2tieIdx.html    (知恵のトップページです)

申し遅れましたが、私はこの3月に定年退職しました。一線を退くにあたり、学んだことを残したいと思い、また(大げさですが)社会貢献も少々したいと思い、更に趣味としてHPを開設した次第です。
 

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最終更新日 : 2001. 7. 4     連絡先: 中川 徹  nakagawa@utc.osaka-gu.ac.jp