適用事例からのポイントの分析
私たち自身の適用事例についてきちんと、分析しておくことで、
ポイントとなった分析方法や、解決策生成技法について把握することで、
「経験を生かす」ことに使え、また、自分たちにとって、キーになった方法をまとめた。
下田くんの研究:「短くなった糸を留める方法」
*時間的分析
*空間的分析
*根本原因の追究
*機能配置法(機能の時間的な配置、リソースの使用)
・「針を二つに分ける」など、普通は考え付かないような、たくさんの様々なアイデアが生成できた
→TRIZを学んでいたから、アイデアの幅が広がり、思いつくことができた。
・裁縫で「玉留め」をする=「針」と「糸」だけと考えていたが、
使えそうな別のもの(リソース)を取り入れるアイデアを考え付いた。
→新しい考えだった。玉留めに周りのものを使おうと考えなかった。
・玉を針ではなく別のもので作る(ストローを使う)
・「玉留め」ではなく「止める」「糸が外れないようにする」
ということが、キーポイントで、必要とする機能であることに気が付いた。
→根本的にするべきことを考えた。
・時間分析をして、問題の状況を分析した。
また、時間軸上でさまざまな解決のアイデアを考えた。
→どのタイミングで玉留めをするか、糸を留めるか、針を外すか、外さないかなど
→糸を留めることを最後の段階だけで考えようとするのでなく、自由度を広げた。
・「裁縫」を問題として取り上げたことがよかった。
→身近で誰もが触れたことのある(だろう)問題なので、よく分かりやすい。
→TRIZのトレーニング資料として、以降、有効なものになるのでは。
・制約を外したこともポイントだった
→「なぜ、その問題が起きるのか」を考えた。
→根本的原因(=制約)の解決を時間・空間的な分析を用いて考えた。
・アイデアの「針の長さが途中で短くなる」などの状況は、普通、考えない。
→それに気が付き、さらにアイデアが増えた。
・解決策とは「当たり前の制約」を破ったものであると分かった。
→よく考えることで、そこに存在する制約に気が付くことが、問題を幅広く考えられる要になる。
→TRIZによって「問題解決の大事なキーポイントのひとつ」に気が付いた。
・詳しくその機能について分析したことが、アイデアに大きな成果をもたらした。
林くんの研究:「中型規模書店で万引き対策の方法」
*空間把握
*敵の視点で考える(時間的分析)
*根本原因の分析
*属性次元法(敵に有用(店に有害)なものを使えなくする)
・万引きのテーマは広くて漠然としていたが、空間把握や時間的分析で整理して、
視覚化し(書き出して)「目で見て分かる」情報を用意したことがポイントになった。
・「どうやって万引きをするのか」を考えたこともよかった。
→これは、古来の智恵でもあり、TRIZの方法でもある。
→「万引きをどう防ぐか」=>「どうやって犯人は万引きするか」を考える。
解決のために、敵(の行動)を知る。
→犯人の立場になって考える
→犯行のプロセスを考えたことが有効だった。
・完全に「防ぐ」ことができなくても、防止すること、すなわち、万引きを「減らす」
という考え方に至ったことも重要なポイントであった。
→カバンにかぶせるバッグのアイデアを見出すことができた。
→「犯行に使われる道具を封じる」。
・「根本的な難しさ」(=矛盾)を明確にしたのがよかった
→犯人が確定するまでは「客」として扱う必要がある。
→もちろん最初から分かっている情報であるが、時間軸で考えることで、
どの時点でどのようなことが起こり、どの場所で起こるなど、明確なことが分かってきた。
→また、「3つの瞬間」を全部確認しないと現行犯にできない
→それが明確になったことで問題解決の方向が見えてきた。
・店舗には、それぞれ、さまざまな条件があるので、店舗を限定し、身近な店舗で考えた。
(これは問題解決の上等手段である。)特定の条件をつけ、問題を考えやすくする。
大森くんの研究:「電車の快適な乗り降りの方法」
*空間分析、時間分析
*空間的分離
*属性次元法(原因となっていた「流れ」を有効に使う)
・「快適な座席」について、はじめは議論していたが、
「何が問題なのか」を考えることで、「流れ」が大きな問題を起こしていることが分かり、
「流れ」を解決の方向性として考えることで、解決策が浮かんだ。
→「流れ」が「乗り・降り口」で問題を起こすので、「快適な乗り降り」にしぼった。
→「流れ」が害を起こすが、「流れ」を利用することを考えた。
→「乗降者専用」という方法
・早い段階で解決策の案が出て、後に深く考えていった
→解決策のイメージを作って、後から追って深く考えた。
→骨格に後から肉付けしていくことで研究を行った。
→他の問題解決のパターンとは少し違った
・ロケ(JR大阪駅)をすることで、フンギリがつき、研究に対して勢いが付いた。
→頭の中での構想が、現実のデータで説得力を帯びた。
肥田・「学生向けホームページ」と全員の研究を通して。
・一つの問題で考えたことが、他の問題で使えることがよく分かった。
→それが「TRIZで問題解決をする」ということである。
・全員で力を合わせて、それぞれのテーマについて考えることで、さまざまなことが分かった。
自分の研究だけに、とどまらない知識や考え、アイデアが得られた。
・ホームページを作るために、きちっと本・文献を読む機会ができた。
・皆で一つの問題に対して協力して考えたれたことが最大の力だと感じた。SS
・飾らないで、「ありのまま」で書くことが「By Students, For Students」である。