技術情報協会  ホームページ より 転載   (2005. 1.12 中川  徹)
  http://www.gijutu.co.jp/doc/s_502433.htm


 
 

   

No.502433

★新しいTRIZとやさしくしたUSITを基礎か ら学び、
              
諸企業の実地導入・適用 事例を通じて実践の基盤を得る!!

[解説+導入事例 +総合討論]

技術革新の技法

TRIZ/USITの企業導入実践セミ ナー

●講 師

【第1部】
大阪学院大学 情報学部 教授 
中川  徹 氏

【第2部】
(株)日立製作所 日立研究所 R&D技法推進センタ長 工学博士 米倉 清治 氏

【第3部】
韓国工科大学  助教授 Kyeong−Won Lee
 氏

【第4部】
東日本旅客鉄道(株) 先端鉄道システム開発センター 課長 井上 敬治 氏

【第5部】
大阪学院大学 情報学部 教授 中川  徹 氏

【第6部】
(株)富士フイルム人材開発センター 主席 三原 祐治 氏

【第7部】
日産自動車(株) 知的財産部 課長代理 望月  朗 氏
日産自動車(株) パワートレーン技術開発試作部  主担 飯泉 雅彦 氏

【第8部】
松下電工(株) 知的財産部 参事  工学博士 辻  公志 氏
松下電工(株) 技術管理部 ナレッジマネジメント推進グループ 部長 橋爪 二郎 氏

 

●日 時   平成17年2月24日(木) ・25日(金) 両日とも10:00〜17:00

●会 場  
[東京・蒲田] 大田区産業プラザPIO 3F 特別会議室
                   
●聴講料  1名につき67,200円(資料代・消費税・昼食費を含む)
         〔1社2名以上同時申込の場合1名につき5,250円割引します〕
★ 主催: (株) 技術情報協会    協賛: (株) アイデア・ (株) 創造開発イニシアチブ

★ コーディネータ: 中川 徹 先生

 

テキスト:
a 各講師の独自発表スライド(聴講料に含む)  
b USIT eBook『USITの概要』   (Ed Sickfas著、川面・越水・中川訳)  無償:実費は聴講料に含む  
   (著作権を承諾する証として、氏名・電子メールアドレスを著者に連絡します)  
c 『TRIZ実践と効用(1)体系的技術革新』   (Darell Mann著、中川監訳)  (希望者のみ。定価9450円ですが出版元(創造開発イニシアチブ)と主催者(技術情報協会)の割引により6,300円(税込)にてご購入いただけま す。
  (cテキストご希望の際はお申し込み時に必ずお知らせください。後日の割引はできません)

テキストのご希望はお申し込み欄の備考にご記入ください。(例、 テキストa,b希望)

 

[講習会テーマの趣旨]
技術革新の実践法をマスターすることが、日本の企業にとっても、各個人にとっても、現在の重要な課題です。単なる「発想のノウハウ」でない、「体系的な技 術革新の技法」として、「TRIZ (トリーズ)」 の理解が刷新され、日本の諸企業でも導入・適用の実践が根付いてきました。本セミナーでは、TRIZの新しい理解のしかた、特にTRIZをやさしくし統合 したUSIT (ユーシット) の理解のしかたを、この分野をリードする大阪学院大学中川 徹教授が解説します。さらに、日本を代表する企業5社のTRIZ/USIT推進者と、韓国のKyeong-Won Lee 助教授が、企業におけるTRIZ/USITの実地の導入と適用の実践事例を発表します。解説と実践事例発表と討論とで構成した、豪華な講師陣による2日間 のセミナーです。製造業だけでなく、諸産業の、技術者、マネジャ、知的財産関係者などの方々にご参加いただきたく、ご案内いたします。

 

【1日目】 2月24日(木) TRIZ  (10:00〜17: 00) 



■ 第1部:新しいTRIZの考え方と適用法  (10:00〜11:40)

   大阪学院大学 情報学部  教授 中川 徹 先生

●講座の趣旨
TRIZの全体像を、基礎から説明して、ロシアの伝統的なTRIZから 現在の新しいTRIZに向かいつつある、世界の流れを解説します。 Darrell Mannが、アルトシュラーの方法を使って、新しく現代の 特許を分析し、西側の思想をも取り込んで、TRIZの思想・知識・ 技法の全体を分かりやすく説明しました。いま、それを理解して 使っていくとともに、もう一歩踏み込んで、TRIZによる全体 プロセスを簡潔に容易にする方向に世界中で試行が進んでいます。

●プログラム

1. はじめに
2. TRIZの思想のエッセンス
3. TRIZが作った知識ベースの体系とそのソフトツール
4. TRIZにおける問題解決の方法/思考法
5. TRIZの導入・普及の状況と方向

 


■ 第2部:日立製作所におけるTRIZ導入と適用事例 (12:40〜13:40)

     
(株)日立製作所 日立研究所 R&D技法推進センタ センタ長 工 学博士 米倉 清治 氏

講座の趣旨
本講では、TRIZ普及の難しさに直面しながらも、それを乗り越えて日立製作所及び日立研究所内にTRIZを導入した体験をもとに普及のポイントを、わか り易く解説する。その後、社内における適用事例を具体的に紹介する。

●プログラム

1.はじめに
2.日立製作所におけるTRIZ導入経緯
3.日立製作所におけるTRIZ普及実践活動
4.適用事例
5.まとめ 
  

 


■ 第3部:TRIZ Case Studies at Korea Polytechnic University and TRIZ related activities at Korea Companies.  【英語発表・通訳付き】      (13:55〜15:15)
     
Associate Professor at Korea Polytechnic University and CTO on TRIZ consulting at KID 
Dr.Kyeong-Won, Lee

Mr. Lee has six years of industry experience at Multimedia Lab and Display Group, LG Electronics Inc.., Korea (1993~1997). He joined Dept. of Mechanical Design, Korea Polytechnic University, Korea in 1998 and focuses his research on Mechanical Kinematics and Conceptual Product Design using TRIZ (Russian Theory of Inventive Problem Solving). He founded and has managed the new start-up company (as vice president), Korea Item Development Inc. (www.innokid.com) that has commercialized the products using TRIZ. Since 2004 at Wayne State University, he is very interested in concept development and problem solving in new type Fuel Cell by Using TRIZ.


Abstract
This speech is on the TRIZ case studies (Mosquito Trap, Super-Water Saving Toilet and so on ) at Korea Polytechnic University and TRIZ related activities at Korea companies such as Samsung and LG. The process to expand TRIZ into Universities and companies in Korea will be presented briefly, too.

 


■ 第4部:TRIZ-DEとVEを融合させた価値向上技術の活用事例     
      
 (快適な鉄道車両トイレ空間の開発)      (15:30〜16: 30)
     
東日本旅客鉄道(株) JR東日本研究開発センター 先端鉄道システム開発センター 課長 井上 敬治 氏

講座の趣旨
JR 東日本では、2001年にTRIZを導入し「新たな価値創造に結びつける手法」として活用を始めた。2003年には、TRIZ-DE(未来予測手法)まで 活用範囲を広げるとともに、従来より活用していたVEとTRIZを融合させた新たな手法について技術開発部門を中心に活用している。TRIZとVEを融合 させた新たな手法については、企画段階から活動段階に適用している。まだまだ活用を始めたばかりであり、試行錯誤の連続ではあるが、企画段階で適用した活 動において、斬新なアイデア発想ができ、抜本的な改善につながるなど、大きな効果がでている。

《事 例》 社会環境、生活環境などの変化にともない、個々人の価値観が大きく変貌している現在、トイレにおいてもデパートやホテルなどの建築物に見られるように、お 客様のニーズとともに飛躍的に変貌してきている。 一方、鉄道車両のトイレにおいては、これまでも臭気防止対策や内装改善など様々な取組みを行いイメージアップに努めてきたが、依然として「臭い」・「汚 い」・「触りたくない」などのご意見・苦情が数多く寄せられているのが実態である。 このような背景を踏まえ、従来のイメージを一新した鉄道車両トイレ空間の構築を目的に、 TRIZ-DE(未来予測手法)とVEを融合させた手法を活用し開発に取組んだ。 この取組みを実施した結果、お客様の快適性・満足度を満たすことができる新たな鉄道車両トイレ空間を構築することができた。また、この開発事例により「将 来の技術進化を見据えた開発項目が明確になる。」、「顧客像及び顧客の要求機能を明確にすることができる。」など、TRIZとVEを融合させた新たな価値 向上手法の有効性が確認できた。

●プログラム

1.新たな価値向上技術(TRIZ+VE)の導入経緯    
  1-1 研究開発テーマへのVE活用状況
  1-2 研究開発へのVE適用の弱点
  1-3 JR東日本における新たな価値創造技術(TRIZ+VE)
2.快適な鉄道車両用とトイレ空間の開発(TRIZ+VE適用事例)
  2-1 新たな価値創造技術を活用した開発のプロセスTRIZ-DE(未来予測手法)+VE手法を活用した開発プロセス
  2-2 開発コンセプトの構築
  2-3 開発した鉄道車両用トイレ空間の紹介
  2-4 TRIZ+VE手法適用の結果
3.今後の展開
  3-1 鉄道車両室内の価値創造への展開

 


■ 総合討論会  (16: 30〜17:00)

大阪学院大学 中川徹教授の司会により、本日の講師方々と総合討論を行います。

 

 


【2日目】 2月25日(金) USIT (10:00〜17:00)


■ 第5部:やさしいUSITによる創造的問題解決の方法  (10:00〜11:50)
     
  大阪学院大学 情報学部 教授 中 川 徹 先生

講座の趣旨
TRIZの思想を踏まえつつ、問題解決のプロセスを簡潔・明快に したのが、USITです。そのプロセスは、問題の定義、問題の分析、 解決策の生成という、自然で明確な流れです。そして各段階で どのような情報を抽出・生成べきなのかを、USITは明確にしました。 TRIZの思想・原理・技法のすべてを取り込みつつ、完全に消化して すっきりと新しく構成されています。簡単な例で示しつつ、その プロセスの一部始終を解説します。

●プログラム

1. はじめに − TRIZの何が難しかったのか?
2. USITの成立過程と特長
3. USITにおける問題の定義
4. USITにおける問題の分析
5. USITにおける解決策の生成
6. TRIZ/USITの企業への導入

 


■ 第6部: 富士写真フイルムにおけるTRIZの普及とUSITを用いた実践 
                                      (12:40〜14:00)

      (株) 富士フイルム人材開発センター 主席 三原 祐治 氏

●ご略歴
1971年富士写真フイルム株式会社に入社。
同社足柄研究所にて, 感光材料の基礎研究, 商品開発, LAN管理およびTRIZ/USITの普及を担当。
現在人材開発センターでTRIZの普及・教育を担当。
2000年より全社内でTRIZ及びUSITの教育&普及活動を行うとともに、TRIZ/USITの適用プロジェクトを推進。

講座の趣旨
各企業でTRIZはちょっと興味があるが、なんだか難しそうと思って手を出しかねている方が聞いて、これなら自分たちもやってみようかな、という気になっ てもらえる講座とします。

●プログラム

1.TRIZの社内展開                                 
  1−1 TRIZの導入
  1−2 TRIZ普及の失敗と成功
  1−3 TRIZ/USITの教育
2.USIT
  2−1 社内でのUSITの構成
  2−2 社内でのUSITの実際の進め方
3.USITの適用事例
  3−1 プラズマフィルターの改良
  3−2 その他 

 


■ 第7部:(1)日産自動車におけるTRIZの社内展開(USITを中心と して)
       
(2)生産技術・先行開発における特許発掘事例 
       
        
                                       (14: 15〜15:15)

   (1)日産自動車(株)   知的財産部  課長代理  望月  朗 氏
   (2)日産自動車(株) パワートレーン技術開発試作部 主担  飯泉 雅彦 氏  

講座の趣旨

望月氏

日産では96年より知的財産部において英語版TRIZ導入に着手した後、段階的に各分野で導入活動がされてきた。99年からは、専任者を知的財産部に置く とともに、同部内で「トリーズ推進メンバ」を編成し、研究所を中心として普及活動を展開してきた。本発表では初期から現在までの社内教育を初めとした TRIZ導入の経緯とその中でUSITをどのように展開し、他の手法とどのように使い分けをしているかの活動内容を紹介する。

飯泉氏

TRIZ,TRIZ/USITを適用しながら、生産技術における先行開発を進め、同時に特許網を構築していった事例について紹介。  

●プログラム
(1)
1.知的財産部の体制

  1-1 全社での位置付け
  1-2 知的財産部組織
2.TRIZ導入の目的
3.TRIZ導入の経緯
  
  3-1インフラと体制
  3-2 社内教育
4.普及活動
5.各種手法の使い分け

(2)
1.推進体制
2.事例紹介

 

 


■ 第8部: 松下電工におけるUSITの導入と今後の展開   (15:30〜16:30)
     
  松下電工株(株)  知的財産部  参事  工学博士    辻 公志 氏
  松下電工株(株) 技術管理部 ナレッジ マネジメント推進グループ 部長 橋爪 二郎 氏

講座の趣旨
特許による事業参入障壁の形成及び効率的研究開発を狙いとし、TRIZを簡易化・統合化したUSIT(統合 的構造化発明思考法)の当社への導入を試行した。 本講演では、USIT導入の経過、導入体制、研修方法、研修のアンケート評価結果その評価結果に基づく適用可能な技術分野(機械系、電気・システム系 等)、 及び、以上の検討結果を踏まえた今後の進め方等を紹介する。

●プログラム

1.はじめに
  1-1.会社概要と特許出願状況
  1-2.発明手法導入の背景
2.USITの取り組み
  2-1.USIT導入の狙い
  2-2.導入体制
  2-3.グループ研修の進め方
  2-4.研修の評価結果とUSIT適用可能性
  2-5.今後の進め方
3.まとめ      

 


■ 総合討論会  (16: 30〜17:00)

大阪学院大学 中川徹教授の司会により、本日の講師方々と総合討論を行います。

 

 

[解説]
ロシアで生まれたTRIZ (「発明問題解決の理論」) は、1990年代から西側諸国に伝えられ、その膨大な知識が便利なソフトウェアツールに実装され、米・欧・日・韓などの大企業を中心に広がりました。しか し、TRIZの根幹の考えを知り、問題を分析して、新しいアイデアを導くプロセスをマスターすることなしには、TRIZを使いこなすことができません。こ のため西側諸国 (特に米国) でのTRIZの発展は数年間足踏み状態にありました。しかし、この間に、西側諸国でのTRIZの理解が確実に進み、この2年ほどで新しい展開を見せてきて います。 TRIZの新しい理解は、Darrell Mannの教科書に代表されるもので、西側諸国の設計思想や認知・発想の諸技法の研究を取り込みつつ、TRIZの思想と諸技法を分かりやすく整理しなおし ています。また、特許の分析からTRIZの知識ベースを更新しています。さらに、西側世界でのさまざまな事例研究が発表され、要点を押さえたTRIZの適 用方法・企業導入方法の試みが報告されてきました。 要点を押さえたTRIZという意味では、米国のFord社で開発され、その後日本で改良されてきているUSITが、大いに注目されています。創造的問題解 決のプロセスの全体を明確にし、新しい考え方と構造とを組み込んでいます。非常に素直に、問題の明確化、問題の分析、そして創造的な解決策の生成をリード する技法です。TRIZの一部だけを抜き出して簡単化したのではなく、深く咀嚼しなおして分かりやすく統合しているのです。中川 徹教授の提唱のもとに、日本の諸企業で導入され、実地の適用活動が成果を挙げ始めています。 なお、TRIZ/USITの導入は現在大企業を中心に進行していますが、中小企業でも、個人でも使うと有効なものです。韓国から招いたLee 助教授は、学生の問題提起を出発点に、「超節水トイレ」や「誘蚊灯」を発明して、自分のベンチャ企業で試作し特許化しています。いまTRIZでは、韓国か ら学ぶとよいことが多々あります。

 

<TRIZ USIT 導入事例>